émbel-

品詞
動詞
意味
祀る
辞書形
émbela
発音
[ˈembela]
読み
エンベラ
分野
社会・信仰・儀礼

意味

  1. 祀る

    祖先・星・月を敬って祭祀を行う。

    lúin áura álmar, émbelimor fóndar némores.

    読み:ルーイン アウラ アルマル、エンベリモル フォンダル ネーモレス。

    lúináur-aálmar,émbel-imorfóndarnémor-es.
    とき昇る-<(軽いものが)>白月<主格>祀る-<我々が>源<対格><我々>-<属格>

    「白月が昇ると、我々は我らの始祖を祀る。」

    白月の満月の夜に祖先を祀る習わしを述べた文。fóndar は重性なので、目的語になっても主格と同じ形のまま。所有者を表す属格 némores は名詞の後ろに置く。lúin の節は主節の前に来る。

    lúin áura álmar, émbelimor aursárais.

    読み:ルーイン アウラ アルマル、エンベリモル アウルサーライス。

    lúináur-aálmar,émbel-imoraursár-ais.
    とき昇る-<(軽いものが)>白月祀る-<我々が>祖先-<〜たちを>

    「白月が昇ると、私たちは祖先を祀る。」

    白月の満月の夜に祖先を祀る習わしを言う文。「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。aursár は人を指すので軽性の子音語幹で、複数対格は -ais。祖先は「数えない」ものなので、数詞をつけず複数でひとまとまりに言う。

    émbelau véiranau aursárais.

    読み:エンベラウ ヴェーラナウ アウルサーライス。

    émbel-auvéiran-auaursár-ais.
    祀る-<双数>夫婦-<双数>祖先-<〜たちを>

    「夫婦は祖先を祀る。」

    双数の véiranau は、数詞 dáu をつけなくても「ひと組の夫婦」を表す。夫婦は、双数がとくに好まれる組み合わせの一つ。双数の動詞の語尾 -au は、人称も性も区別しない。

    lúin áura álmar, émbelimor aursárais.

    読み:ルーイン アウラ アルマル、エンベリモル アウルサーライス。

    lúináur-aálmar,émbel-imoraursár-ais.
    とき昇る-<(軽いものが)>白月<主格>祀る-<我々が>祖先-<〜たちを>

    「白月が昇ると、我々は祖先を祀る。」

    家々の祖先祀りを説明する文。白月は見守る祖先のまなざしの象徴とされ、満ちた夜に祖先を祀る。lúin の節は主節の前に置く。月は軽性なので、動詞は -a で受ける。

    dúla dulána an álmarei, émbela aldár áuren.

    読み:ドゥーラ ドゥラーナ アン アルマレイ、エンベラ アルダール アウレン。

    dúl-adulánaanálmar-ei,émbel-aaldáráur-en.
    下る-<(軽いものが)>流れ星<主格>上手白月-<与格>祀る-<(軽いものが)>座<主格>昇る-<〜した・〜された>

    「白月の上手に流れ星が下る。高き座が祀りを行う。」

    年代記の流れ星の項の書き方。年代記は直説法の短い文を並べ、主節のあいだには区切りの印を打つ。星の位置は指さしの代わりに、an álmarei「白月の上手に」のように月との位置関係で示す。時制の語形はないので、過去の出来事でも直説法の形のままで書く。王は総称の aldár áuren「高き座」で書く。

    émbelan faronárai krámbo.

    読み:エンベラン ファロナーライ クランボ。

    émbel-anfaronár-aikrámbo.
    祀る-<彼らが>運び人-<〜たちが>崖山羊<対格>

    「運び人たちは崖山羊を祀る。」

    崖道の運び人の信仰を述べる文。krámbo は動物なのに重性o語幹に属する古い語で、主格と対格が同じ形になる。そのため、目的語だとわかるのは VSO の語順(動詞のすぐ後ろの faronárai が主語)による。

    lúin émbelimor aursárais, flúunimor nóumo.

    読み:ルーイン エンベリモル アウルサーライス、フルーニモル ノーモ。

    lúinémbel-imoraursár-ais,flúun-imornóumo.
    とき祀る-<我々が>祖先-<〜たちを>清める-<我々が>顔<対格>

    「祖先を祀るとき、我々は顔を清める。」

    lúin の節を主節の前に置いている。祀りのための清めは、ふつう軒で集めた雨水で行う。体の部分 nóumo「顔」は重性o語幹なので、対格も同じ形になる。

    lúin áura álmar, embeléimor aursárais.

    読み:ルーイン アウラ アルマル、エンベレーモル アウルサーライス。

    lúináur-aálmar,embel-é-imoraursár-ais.
    とき昇る-<(軽いものが)>白月<主格>祀る-<〜だろう>-<我々が>祖先-<〜たちを>

    「白月が昇ったら、我々は祖先を祀ろう。」

    満月の夜に祖先を祀る習わしについての、家の中の会話。lúin の節は主節の前に置く。推量法の -él- は、1人称の語尾 -imor の前で l が落ちて -é- になる。強勢が接尾辞に移るので、語根の ´ は消える。

    émbelau ráuvan si kelár aursárais.

    読み:エンベラウ ラウヴァン シ ケラール アウルサーライス。

    émbel-auráuvansikel-áraursár-ais.
    祀る-<双数>森の巫<主格>と伐る-<〜する人・主格>祖先-<〜たちを>

    「森の巫と樵が祖先を祀る。」

    祖先を祀る祭祀を述べる文。単数の名詞を si で二つ並べているので、動詞は双数の -au になる。双数の動詞は人称も性も区別しない。

    tóran ólmarai an aurándo, émbelan aursárais.

    読み:トーラン オルマライ アン アウランド、エンベラン アウルサーライス。

    tór-anólmar-aianaurándo,émbel-anaursár-ais.
    来る-<彼らが>年長者-<〜たちが>上手社<対格>祀る-<彼らが>祖先-<〜たちを>

    「年長者たちは上手の社へやって来て、祖先を祀る。」

    儀礼について述べる文。白月の満月の夜の祖先祀りなどで使う言い方。aurándo は áur-「昇る」+-ándo「〜する所」から来た語で、「昇る所」を表す。重性o語幹なので、対格は主格と同じ形になる。an+対格で「上手へ」を表す。後半の節は主語を言わず、動詞の語尾から前半と同じ年長者たちが主語だとわかる。

    lúin áura álmar or dún, émbelan ólmarai aursárais.

    読み:ルーイン アウラ アルマル オル ドゥーン、エンベラン オルマライ アウルサーライス。

    lúináur-aálmarordún,émbel-anólmar-aiaursár-ais.
    とき昇る-<(軽いものが)>白月<主格>日の出側丘<対格>祀る-<彼らが>年長者-<〜たちが>祖先-<〜たちを>

    「白月が丘の日の出側に昇ると、年長者たちは祖先を祀る。」

    天体の位置を言う決まった言い方。星や月は指さしてはいけないので、よく知られた目印と方向の前置詞で位置を示す。or+対格で「〜の日の出側へ」を表す。lúin で始まる時の節は主節の前に置く。

    émbelan ólmarai aursárais órunei.

    読み:エンベラン オルマライ アウルサーライス オールネイ。

    émbel-anólmar-aiaursár-aisórun-ei.
    祀る-<彼らが>年長者-<〜たちが>祖先-<〜たちを>日の出-<与格>

    「年長者たちは日の出の時刻に祖先を祀る。」

    時刻を言う文。前置詞のない与格 órunei で、「日の出の時刻に」「明け方に」を表す。年代記で、出来事が明け方に起きたことを書くときにも、この与格を使う。

    drénimor an ánoran ré embeléndimor aursárais.

    読み:ドレーニモル アン アーノラン レー エンベレンディモル アウルサーライス。

    drén-imoranánor-anréembel-énd-imoraursár-ais.
    参る-<我々が>上手上手・北-<対格><〜と(節)>祀る-<〜しますように>-<我々が>祖先-<〜たちを>

    「我々は、祖先を祀るために北の高みへ参る。」

    北の高みの納骨所へ向かうときの言い方。drén- は「行く」の謙譲の補充形で、聖地に向かう行いを低めて言う。ré+願望法で目的を表す。an ánoran は「上手の北の地へ」で、前置詞と名詞が同じ方向を重ねて表している。

    émbela ólmar houmíño aursárail.

    読み:エンベラ オルマル ホウミーニョ アウルサーライル。

    émbel-aólmarhoumíñoaursár-ail.
    祀る-<(軽いものが)>年長者<主格>椀<対格>祖先-<〜らに>

    「年長の方は、(恵みの)椀を祖先に供する。」

    祖先祀りの場面。houmíño は供えられる食物そのものを指す詩的用法。aursár(「昇った者=祖先」)は複合名詞として1語の語根で、複数与格語尾 -ail が付く。動詞は主語の年長者(人・軽性)に一致。炉の北側の座から火のうえへ置く行為の婉曲な言い方。

  2. 捧げる

    詩や祈りの言葉を祖先に捧げる。

    dulémbelim virán aursárail.

    読み:ドゥレンベリン ヴィラーン アウルサーライル。

    dul-émbel-imvir-ánaursár-ail.
    <〜させていただく>-捧げる-<私が>言葉-<対格>祖先-<〜らに>

    「ご先祖さまに、言葉を捧げさせていただきます。」

    祖先を祀る場で詩を捧げるときの前置き。謙譲の du- は母音の前で dul- になる。捧げる相手は与格で表す。

    lúin hóinan faronárai, émbelan virán aursárail.

    読み:ルーイン ホイナン ファロナーライ、エンベラン ヴィラーン アウルサーライル。

    lúinhóin-anfaron-ár-ai,émbel-anvir-ánaursár-ail.
    とき帰る-<彼らが>荷-<〜する人>-<〜たちが>捧げる-<彼らが>言葉-<対格>祖先-<〜らに>

    「運び人たちは帰ってくると、祖先に言葉を捧げる。」

    崖道から戻った者が、改まった言葉を祖先に捧げる習わしを説明する文。後半の主語は前半と同じなので言わない。

解説

祖先や星を敬って祀る。白月の満月の夜の祖先祀り、二つの月が重なる夜の宮廷の祀り、家の炉での祀りなどに使う。対格で祀る相手をとる(émbelan aursárais「祖先たちを祀る」)。詩や祈りの紙を捧げる行為にも広がる。

文法

他動詞。完了語根 éembel-(e→ee)。母音で始まるので、尊敬形は aurémbel-、謙譲形は dulémbel-(「祀らせていただく」)。

語源

語源未詳。古い祭祀の語。

語幹の異形

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