小説
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二人
話し手・聞き手・第三者を問わず、二人ひと組の人を指す。
gélau némor dáun du orén.
読み:ゲーラウ ネーモル ダウン ドゥ オレーン。
| gél-au | némor | dáun | du | orén. |
| 行く-<双数> | <我々> | 二人 | 下手 | 縁<対格> |
「我ら二人は縁へ行く。」
双数の動詞は人称を区別しないので、主語の dáun は省けない。人称を言うときは複数の代名詞を前に添える(némor dáun「我ら二人」)。
ké gélau társ dáun du orén? gélau.
読み:ケー ゲーラウ タルス ダウン ドゥ オレーン?ゲーラウ。
| ké | gél-au | társ | dáun | du | orén? | gél-au. |
| <〜か> | 行く-<双数> | <あなたがた> | 二人 | 下手 | 縁<対格> | 行く-<双数> |
「「お前たち二人は縁へ行くのか」「行く」」
答えの形では、問いに出た語(ここでは主語の társ dáun と行き先)を省ける。双数の動詞は人称で形が変わらないので、答えも gélau のまま。
ké tórau dáun es orénos?
読み:ケー トーラウ ダウン エス オレーノス?
| ké | tór-au | dáun | es | orén-os? |
| <〜か> | 来る-<双数> | 二人 | から | 縁-<属格> |
「お前たち二人は、縁から来たのか。」
双数の動詞 tórau は人称を区別しないので、dáun を添えて「二人が」をはっきりさせている。dáun も人称を区別しないので、「われら二人」「お前たち二人」「あの二人」のどれにあたるかは場面で決まる。ké を使った問いなので、目下か同じ段の相手に向けた言い方になる。
lóiman lourvirárai lóurul dáunaun.
読み:ロイマン ロウルヴィラーライ ロールル ダウナウン。
| lóim-an | lourvirár-ai | lóur-ul | dáun-aun. |
| 唱える-<彼らが> | 系譜読み-<〜たちが> | 瀬-<〜たちを> | 二人-<双数の〜の・〜に> |
「系譜読みたちが、二人の瀬を唱え交わす。」
婚姻の取り決めで、両家の系譜読みが、結ばれる二人の系譜を源から一瀬ずつ読み交わす儀礼を述べた文。dáun の属格は、双数の語尾 -aun を重ねて dáunaun になる。属格は名詞 lóurul の後ろに置く。
dúlau dáun an ín fóndaros.
読み:ドゥーラウ ダウン アン イーン フォンダロス。
| dúl-au | dáun | an | ín | fóndar-os. |
| 下る-<双数> | 二人 | 上手 | 同じ | 源-<属格> |
「二人は同じ源から流れ下っている(同じ流れの者だ)。」
系譜読みが婚姻や相続の場で使う言い方。ín は「一つの」から転じて「同じ」の意味になる。an+属格で「上手から」。主語が双数の代名詞 dáun なので、動詞も双数になる。
vírau dáun ín virán.
読み:ヴィーラウ ダウン イーン ヴィラーン。
| vír-au | dáun | ín | vir-án. |
| 言う-<双数> | 二人 | 同じ | 言葉-<対格> |
「二人は同じことを言っている。」
日常の言い方で、二人の言い分が一致していることを表す。ここでの ín virán は「一つの言葉」ではなく「同じ言葉」の意味。双数の動詞は人称も性も区別しない。
sórel, kramboráumau némor dáun drúnoroi.
読み:ソーレル、クランボラウマウ ネーモル ダウン ドルーノロイ。
| sórel, | kramboráum-au | némor | dáun | drúnor-oi |
| 今日, | 走る-<双数> | <我々> | 二人 | 崖道-<与格> |
「今日は、我ら二人は崖道を崖山羊のように駆け抜ける。」
縁の人々の日常会話。双数の動詞は人称を区別しないので、主語の dáun を省けない。人称を明示するため némor を添えている。場面の枠としての時間表現は文頭に読点つきで置く。
salmúnau dáun es kórvos.
読み:サルムーナウ ダウン エス コルヴォス。
| salmún-au | dáun | es | kórv-os. |
| 出る-<双数> | 二人<主格> | から | 倉-<属格> |
「二人は倉から出ていく。」
社会・記録向けの文。双数の主語を表す dáun は省かず、双数の動詞語尾 -au をとる。es+属格で、内側の場所から離れる出発点を示す。倉のような囲われた場から外へ移る動きを表し、意味2の用法に合う。
hélau dáun kráumoi só
読み:ヘーラウ ダウン クラウモイ ソー
| hél-au | dáun | kráum-oi | só |
| 座る-<双数> | 二人<主格> | 露岩-<与格> | この<重性> |
「二人はこの岩棚に休む。」
移動中の短い休憩を表す日常文。双数の主語 dáun は省略できない。自然の棚として与格 kráumoi を裸で受ける。人工の棚板には kráum を使わない。
lúin áurau sílarau, gélau némor dáun du krambóra.
読み:ルーイン アウラウ シーララウ、ゲーラウ ネーモル ダウン ドゥ クランボーラ。
| lúin | áur-au | sílar-au, | gél-au | némor | dáun | du | krambóra. |
| とき | 昇る-<双数> | 月-<双数> | 行く-<双数> | <我々> | 二人 | 下手 | クランボーラ<対格> |
「二つの月が昇ると、我ら二人はクランボーラへ下っていく。」
道筋や季節を記す書物的な文。lúin 節は読点で主節と区切る。双数の動詞 áurau・gélau は人称を表さないが、主節の némor が加わって話し手を含む二人であることがわかる。du + 対格で下手・南方向への動きを示す。krambóra は固有名詞として、対格でも語尾が立たない。
biléndes dáunaun.
読み:ビレンデス ダウナウン。
| bil-énd-es | dáun-aun. |
| 仲立ちする-<〜しますように>-<あなたが> | 二人-<双数の〜の・〜に> |
「二人の仲立ちを頼む。」
願望法二人称。並びの身分への依頼で、命令よりも控えめな「〜してくれぬか」の響き。
bíla ólmar dáunaun.
読み:ビーラ オルマル ダウナウン。
| bíl-a | ólmar | dáun-aun. |
| 仲立ちする-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 二人-<双数の〜の・〜に> |
「年長者は二人の間で仲立ちをする。」
直説法の書き言葉。見出し語 bíl- をそのまま用い、完了の母音交替は加えない。
kúndau társ dáun élan sérin.
読み:クンダウ タルス ダウン エーラン セーリン。
| kúnd-au | társ | dáun | él-an | sérin. |
| する-<双数> | <あなたがた> | 二人 | <3人称単数・軽性>-<対格> | このように |
「あなたたち二人はそれをこのようにします。」
双数の主語 társ dáun は省かない。代名詞 élan は él-an に分節した。
noumovírau némor dáun
読み:ノウモヴィーラウ ネーモル ダウン
| noumo-vír-au | némor | dáun |
| 顔-言う-<双数> | <我々> | 二人<主格> |
「我ら二人は顔で通じ合う。」
夫婦、きょうだい、旧知など、身内の二人が声に出さず意を合わせる場面。主語は双数短语 némor dáun「我ら二人」。双数動詞 -au は人称を表さないため、双数主語は省略しない。
ふたつ(ひと組)
二本の綱、二つの月など、そろいの二つのものを受ける。
áurau dáu sílarau, sénim dáun.
読み:アウラウ ダウ シーララウ、セーニン ダウン。
| áur-au | dáu | sílar-au, | sén-im | dáun. |
| 昇る-<双数> | 二 | 月-<双数> | 見る-<私が> | ふたつ |
「二つの月が昇る。私にはふたつとも見える。」
dáun は人だけでなく、そろいの二つのものも受ける。ここでは前の節の「二つの月」を受けて、目的語になっている。dáun は主格と対格が同じ形。月は星ではないので、数詞をつけても双数で受けてもかまわない。星をこの形で受けるのは禁忌にあたる。
lísan lisárai dáu sáindarau, dulíþan dáun du orén.
読み:リーサン リサーライ ダウ サインダラウ、ドゥリーサン ダウン ドゥ オレーン。
| lís-an | lis-ár-ai | dáu | sáindar-au, | dul-íþ-an | dáun | du | orén. |
| 書く-<彼らが> | 書く-<〜する人>-<〜たちが> | 二 | 証文-<双数> | 下る-<〜させる>-<彼らが> | ふたつ | 下手 | 縁<対格> |
「書記たちは証文を二通書き、そのふたつを縁へ下ろす。」
後半の dáun は、前半の双数 sáindarau を受けている。dáun には性の区別がないので、軽性のものでも重性のものでも同じ形で受ける。後半では主語を省いているが、動詞の語尾から、前半と同じ書記たちが主語だとわかる。
人称を区別しない双数の人称代名詞。「われら二人」「お前たち二人」「あの二人」のどれにもなる。夫婦、組になって働く運び人、ひと組の綱など、二つでそろったものを指すのに好まれる。目上の人を二人まとめて指すことはできない(高め名詞は数えないため)。崖道の言葉では衰え、複数の代名詞で代用される。
anórel, senosálau társ dáun.
読み:アノーレル、セノサーラウ タルス ダウン。
| anórel, | senosál-au | társ | dáun. |
| 昨日 | 目合わせ-<双数> | <あなたがた> | <双数> |
「昨日、あなたたち二人は目を合わせた。」
意味1。双数の主語は dáun を省略できない。人称は dáun の前に társ を添えて示す。時制はないが、anórel により過去として読む。
主・対 dáun、属・与 dáunaun。人称・性の区別なし。受ける動詞は双数 -au。
数詞 dáu「二」の属格・与格 *dáu-aun が縮んで dáun となり、それが主格・対格として使われるようになった。そのため属格・与格は双数語尾 -aun を重ねて dáunaun と言う。
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