小説
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助かる・ありがとう
くだけた感謝の言葉。
fláinim. nílim ílmo.
読み:フライニン。ニーリン イルモ。
| fláinim. | níl-im | ílmo. |
| 助かる | 飲む-<私が> | 水<対格> |
「助かる。水を飲むよ。」
崖道で、仲間から水を差し出されたときの返事。fláinim は「私は軽い」というのがもとの意味で、くだけた礼の言葉として使う。同じ段の者どうしや、目下の者に対して使い、目上の人には使わない。
fláinim. faronéres fáron némes du orén.
読み:フライニン。ファロネーレス ファーロン ネーメス ドゥ オレーン。
| fláinim. | faron-ér-es | fáron | ném-es | du | orén. |
| 助かる | 荷-<〜でする>-<あなたが> | 荷<対格> | <私>-<属格> | 下手 | 縁<対格> |
「助かったよ。俺の荷を縁まで担いでくれて。」
運び人どうしの礼。faronér- は名詞 fáron「荷」に -ér- をつけて作った動詞。持ち主は、名詞の後ろに属格 némes を置いて言う。時制がないので、faronéres は「担いだ」とも「担いでくれる」とも訳せる。
fláinim! nagróm.
読み:フライニン!ナグローン。
| fláinim! | nagróm. |
| 助かる | どういたしまして |
「「助かるよ!」「どういたしまして。」」
二人の発話。くだけた礼 fláinim「(私は)軽い」に、nagróm「重くない」と返す決まったやりとり。nagróm は形容詞 gróm に否定の na- がついた形で、もとは「重荷ではない」という意味。
(肩が)軽くなった
荷を下ろしたときの、文字どおりの言い方。
léimim fáron séndoi. fláinim.
読み:レーミン ファーロン センドイ。フライニン。
| léim-im | fáron | sénd-oi. | fláinim. |
| 置く-<私が> | 荷<対格> | ここ-<与格> | 軽くなった |
「「ここに荷を置くぞ。ああ、軽くなった。」」
背負った荷を下ろしたときの、文字どおりの言い方。感謝の fláinim は、この「肩が軽くなった」という言い方から広がったとされる。重い荷を下ろすことは、信仰の上でも「軽くなる」ことと結びついている。
lúin dulíþim fáron, fláinim.
読み:ルーイン ドゥリーシン ファーロン、フライニン。
| lúin | dul-íþ-im | fáron, | fláinim. |
| とき | 下る-<〜させる>-<私が> | 荷<対格> | 軽くなった |
「荷を下ろしたら、肩が軽くなった。」
「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。dulíþ- は dúl-「下る」に使役の -íþ- をつけた「下ろす」で、後ろに強勢をもつ接辞がないので、-íþ- が強勢をとる。
運び人や森の民が使う、くだけた感謝の言葉。文字どおりには「私は軽くなった」で、荷を代わりに担いでもらったり、手を貸してもらったりしたときの実感から出た言い方。崖道から市へ広まり、ちょっとした礼にも使われる。改まった場では auríþen を使う。
形容詞 fláin「軽い」に、直接人称語尾 -im をつけた古い言い方が固まったもの。くだけた話し方の形容詞述語の名残で、ほかの人称では使わない。
fláin「軽い」+-im(1人称単数)。
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