小説
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くぐもる
音が湿った空気に覆われ、どこから来るのか、何が鳴っているのかがはっきりしなくなる。
un nébroi, gúma tíula.
読み:ウン ネーブロイ、グーマ ティーウラ。
| un | nébr-oi, | gúm-a | tíula |
| 内に | 霧-<与格> | くぐもる-<(軽いものが)> | 音<主格> |
「霧のなかでは、音がくぐもる。」
日常の霧中の状況で使う文。場所の与格に un を添える。主体は tíula「音」。音は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a になる。
lúin tór-o nébro es orénos, gúma tíula.
読み:ルーイン トーロ ネーブロ エス オレーノス、グーマ ティーウラ。
| lúin | tór-o | nébro | es | orén-os, | gúm-a | tíula |
| とき | 来る-<(重いものが)> | 霧<主格> | から | 縁-<属格> | くぐもる-<(軽いものが)> | 音<主格> |
「縁から霧が上がってくると、音がくぐもる。」
縁や崖道の日常語としての場面。主節・従属節ともに動詞を先頭にする。霧 nébro は重性なので、来るの動詞は3人称単数・重性の -o になる。es は属格と組んで「〜から」。
声がくぐもる
人の声が湿り気のためにぼやけ、聞き分けにくくなる。
un nébroi, gúma tíula faronáres.
読み:ウン ネーブロイ、グーマ ティーウラ ファロナーレス。
| un | nébr-oi, | gúm-a | tíula | faronár-es |
| 内に | 霧-<与格> | くぐもる-<(軽いものが)> | 音<主格> | 運び人-<属格> |
「霧のなかでは、運び人の声がくぐもる。」
tíula に属格を添えた名詞句で、人に関わる音=声として読む。運び人 faronár は人の語なので軽性。動詞は主語の tíula に一致して軽性の3人称単数になる。
nebrálvoi, gúma tíula lourviráres.
読み:ネブラルヴォイ、グーマ ティーウラ ロウルヴィラーレス。
| nebrálv-oi, | gúm-a | tíula | lourvirár-es |
| 霧期-<与格> | くぐもる-<(軽いものが)> | 音<主格> | 系譜読み-<属格> |
「霧の季節には、系譜読みの声がくぐもる。」
書物や記録の記述に近い、季節を場面とする文。nebrálvo「霧期」の与格が場面を示す。系譜読み lourvirár は人の語で軽性。tíula lourvirár で「系譜読みが唱える声」という読みになる。
声・綱の軋み・物の音などが、湿った空気や霧に包まれて、その出どころと輪郭がぼやけることを言う。音そのものが小さくなる、反響する、静まる、声を呑むとは違う。霧の季節や崖道で、呼びかけが返事として通じるか、危険の音かどうかを見分けにくい状況を表す日常語として使う。改まった書語よりも、縁や崖道の生活語に多い。
動詞。主語には音・声・気象環境を取って使う。
古高原語 *gum-「湿った包みで覆う」から。
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