小説
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星読み
星の司で暦と天文と祭祀を受け持つ役人。
lísa ilanár sílaran ívelan sóndelei.
読み:リーサ イラナール シーララン イーヴェラン ソンデレイ。
| lís-a | ilanár | sílar-an | ível-an | sóndel-ei. |
| 書く-<(軽いものが)> | 星読み<主格> | 暦の月-<対格> | 新しい-<軽性・対格> | 書物-<与格> |
「星読みは新しい月を書物に書き記す。」
暦を司る星の司の記録の言い方。十の灯の昇る日がずれると、星読みが月を一つ足し、それを書き留める。形容詞 ível は sílaran に合わせて、軽性・単数・対格の -an で一致する。
lúin áura ilána an álmarei, laméra ilanár.
読み:ルーイン アウラ イラーナ アン アルマレイ、ラメーラ イラナール。
| lúin | áur-a | ilána | an | álmar-ei, | lamér-a | ilanár. |
| とき | 昇る-<(軽いものが)> | 灯<主格> | 上手 | 白月-<与格> | 掌を差し上げる-<(軽いものが)> | 星読み<主格> |
「白月の上手に灯が昇ると、星読みは掌を差し上げる。」
星の司の記録の文体。星の位置は、an álmarei「白月の上手に」のように、ほかの天体との関係で言う。指さす代わりに掌を差し上げて示す。名前のある一つの星は、単数の ilána で指せる。
mé rimbéndes, endríña! rímban ilanárai.
読み:メー リンベンデス、エンドリーニャ!リンバン イラナーライ。
| mé | rimb-énd-es, | endríña! | rímb-an | ilanár-ai. |
| <禁止・願いの打ち消し> | 数える-<〜しますように>-<あなたが> | 子ども | 数える-<彼らが> | 星読み-<〜たちが> |
「数えてはいけませんよ。数えるのは星読みたちです。」
星を数えようとする子を、親がたしなめるときの言い方。命令法の代わりに「mé+願望法2人称」を使った、やわらかい禁止になっている。強勢は願望法の -énd- に移る。呼びかけの endríña は読点で区切る。後ろの文は ilanárai が主語で、「数えてよいのは星読みたちだけだ」という対比を表す。何を数えるかは言わなくても文脈でわかる。
lúin rímba ilanár, ésa ilanrimbá lóimen.
読み:ルーイン リンバ イラナール、エーサ イランリンバー ロイメン。
| lúin | rímb-a | ilanár, | és-a | ilanrimbá | lóim-en. |
| とき | 数える-<(軽いものが)> | 星読み<主格> | いる-<(軽いものが)> | 灯の数え<主格> | 唱える-<〜した・〜された> |
「星読みが数えるときには、灯の数えが唱えられる。」
星の司の観測の作法を説明した文。星を数えることが許されるのは星読みだけで、そのときもふつうの数詞は使わず、灯の数えという古い数え方で唱える。後ろの節は「és-+主語+分詞」の形で、受け身にあたる。
na ésa ilanrimbá ráinen éndrar, ráinan ilanárai.
読み:ナ エーサ イランリンバー ライネン エンドラル、ライナン イラナーライ。
| na | és-a | ilanrimbá | ráin-en | éndr-ar, | ráin-an | ilanár-ai. |
| <〜ない> | いる-<(軽いものが)> | 灯の数え<主格> | 知る-<〜した・〜された> | 人-<〜らの> | 知る-<彼らが> | 星読み-<〜たちが> |
「灯の数えは世の人に知られていない。知っているのは星読みたちだ。」
灯の数えが秘儀であることを言う、一般向けの説明の文。分詞の後ろの属格 éndrar は「人々によって」の意味になる。接続詞を使わずに主節を二つ並べるので、あいだに区切りの印(読点)を打つ。ilanrimbá は ilána(灯)と rimbá(数)を合わせた複合語で、軽性である。
lúin glóira aurilanár es dúnos, dulísimor plánan.
読み:ルーイン グロイラ アウリラナール エス ドゥーノス、ドゥリーシモル プラーナン。
| lúin | glóir-a | aur-ilanár | es | dún-os, | du-lís-imor | plán-an. |
| とき | お越しになる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-星読み<主格> | から | 丘-<属格> | <〜させていただく>-書く-<我々が> | 帳簿-<対格> |
「星読みの方が丘からお越しになるときは、我々が帳簿を書かせていただきます。」
目下の者が星読みについて話す改まった文。星読みは四段下りの役人なので、au- をつけて高める。au- は母音の前で aur- になるので、au-ilanár は aurilanár になる。glóir- は「来る」の尊敬の補充形。主節は謙譲の接頭辞 du- で自分たちの行いを低めている(du-lís-imor)。「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。
ésa nóra, áura ilanár an dún.
読み:エーサ ノーラ、アウラ イラナール アン ドゥーン。
| és-a | nóra, | áur-a | ilanár | an | dún. |
| いる-<(軽いものが)> | 夜分<主格> | 昇る-<(軽いものが)> | 星読み<主格> | 上手 | 丘<対格> |
「夜分となり、星読みが丘の上へ昇った。」
年代記に見られる、直説法の短い文を並べた記事の書きぶり。時制がないので、文脈から過去と読む。an+対格で「上手へ」。dún は重性なので、対格は主格と同じ形になる。
lúin lóima ilanár, krailhóuma endríña.
読み:ルーイン ロイマ イラナール、クライルホーマ エンドリーニャ。
| lúin | lóim-a | ilanár, | krailhóum-a | endríña. |
| とき | 唱える-<(軽いものが)> | 星読み<主格>, | 掴まる-<(軽いものが)> | 子ども<主格> |
「星読みが唱えると、子どもは掴まる(語りにのめり込む)。」
比喩・くだけた用法。炉ばただけでなく、星読みの語りに子どもがのめり込んで動けなくなる。捕まる対象は文法上は表れず、状況から補う。
lóima ilanár aldarviran aldáres áurenes.
読み:ロイマ イラナール アルダルヴィラン アルダーレス アウレネス。
| lóim-a | ilanár | aldarvir-an | aldár-es | áur-en-es |
| 唱える-<(軽いものが)> | 星読み<主格> | 敬称-<対格> | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<属格> |
「星読みが高き座の座名を唱える。」
宮廷儀礼の場面。名詞句の中心を対格 aldarviran とし、その後に「高き座の」という属格句 aldáres áurenes を修飾として置く。「高き座」の属格は aldáres áurenes。王や高位の人の座につけられた固有名を唱える用法。意味2。
luséra ilanár lúsan an nébroi.
読み:ルセーラ イラナール ルーサン アン ネーブロイ。
| lusér-a | ilanár | lús-an | an | nébr-oi. |
| 流質の食事をとる-<(軽いものが)> | 星読み<主格> | 粥-<対格> | 上手 | 霧-<与格> |
「星読みは、霧の前に粥という流質の食事をとる。」
作法書や記録のような文。動詞が文頭に立ち、主語の ilanár は人間なので動詞は軽性3単 -a が付く。an nébroi は「霧の前に」の前置詞句で、ここでは時を示す。
lúin lóima ilanár virán, elþaséna senár kumbór.
読み:ルーイン ロイマ イラナール ヴィラーン、エルサセーナ セナール クンボール。
| lúin | lóim-a | ilanár | vir-án, | elþasén-a | senár | kumbór. |
| とき | 唱える-<(軽いものが)> | 星読み<主格> | 言葉-<対格>, | 疵を確かめる-<(軽いものが)> | 目付<主格> | 青銅<対格> |
「星読みが詞を唱えるとき、目付は青銅を火に透かして疵を確かめる。」
lúin は時の節を導き、節内も VSO。lóima は他動詞なので目的語枠を空けず、virán「ことば/詞」で埋める。lóima は主語 ilanár に一致し、elþaséna は senár に一致する。kumbór は重性なので対格語尾がない。
星の司に属して暦・天文・宮廷の祭祀を受け持つ者。天文学者であり、書記でもある。星を数えて記録することを許されたただ一つの職で、晴れた夜に北の丘の「星の座」で数えの詞を唱えてから、灯の数えで星を数える。ふくろうは星読みの使いとされる。
軽性・子音語幹(②型)。対 ilanáran、複 ilanárai。
ilána「灯(星)」+行為者の接尾辞 -ár。ilána の強勢は接尾辞に奪われる。
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