kéndor

品詞
名詞
意味
市
発音
[ˈkendor]
読み
ケンドル
分野
生活・道具・衣食住

意味

  1. 市

    売り買いをする市場。

    gélim du kéndor.

    読み:ゲーリン ドゥ ケンドル。

    gél-imdukéndor.
    行く-<私が>下手市<対格>

    「(坂を下って)市へ行く。」

    湖都では市場が丘の下の湖のほとりにあるので、市へ行くときは du「下手へ」で言う。高原語には方向を決めない「〜へ」がない。kéndor は重性の子音語幹なので、対格は主格と同じ形になる。

    ké tóres es kéndoros? tórim.

    読み:ケー トーレス エス ケンドロス?トーリン。

    kétór-eseskéndor-os?tór-im.
    <〜か>来る-<あなたが>から市-<属格>来る-<私が>

    「「市から来たのか?」「来た。」」

    二人の発話。同じ段どうしか、目上から目下へのくだけた問いで、はい・いいえを問う ké を文のいちばん前に置く。高原語には「はい」がないので、答えは動詞を自分の人称にして繰り返す。重性の kéndor の属格は -os になる。

    trúno fáron sáunin un kéndoroi.

    読み:トルーノ ファーロン サウニン ウン ケンドロイ。

    trún-ofáronsáun-inunkéndor-oi.
    転がる-<(重いものが)>荷<主格>良い-<〜して・〜く>内に市-<与格>

    「荷が市の中でうまく回る。」

    市や取引の場で、商いが順調に進むことを「荷がうまく転がる」と言って表す。形容詞 sáun に -in をつけて「よく・うまく」の意の副詞を作る。un+与格で「〜の中で」。

    ké ráuman faronárai drúnoroi es orénos du kéndor?

    読み:ケー ラウマン ファロナーライ ドルーノロイ エス オレーノス ドゥ ケンドル?

    kéráum-anfaron-ár-aidrúnor-oiesorén-osdukéndor?
    <〜か>歩く-<彼らが>荷-<〜する人>-<〜たちが>縁の石段道-<与格>から縁-<属格>下手市<対格>

    「運び人たちは、縁の石段道を、縁から市まで歩いているのか。」

    日常の問いかけ。faronárai は faronár の複数。drúnor は重性子音語幹として与格単数 drúnoroi を取る。 ráum-「歩く」は道・経路を裸の与格で取るため un は用いない。 es orénos du kéndor が両端を指定することで、縁の石段道をひと続きの区間として指す用法を示す。

  2. 縁の市

    kéndor orénos の形で、崖の麓に乾風期だけ立つ高原と干潟の市。

    vandésa grúndo kéndoros orénos.

    読み:ヴァンデーサ グルンド ケンドロス オレーノス。

    vand-és-agrúndokéndor-osorén-os.
    量る-<〜すべし>-<(軽いものが)>掛け<対格>縁の市-<属格>縁-<属格>

    「縁の市の掛けは、量って(精算して)おくべし。」

    度量衡の碑に刻まれた市の決まりを思わせる、当為法の文。主語を言わないので一般の人が主語になり、軽性の形をとる。kéndor orénos で「縁の市」を表し、ここでは grúndo「掛け」にかかる属格になっている。

    lúin dúlo gandér du dálor, drénimor du kéndor orénos.

    読み:ルーイン ドゥーロ ガンデール ドゥ ダーロル、ドレーニモル ドゥ ケンドル オレーノス。

    lúindúl-ogandérdudálor,drén-imordukéndororén-os.
    とき下る-<(重いものが)>硬木<主格>下手下の国<対格>参る-<我々が>下手縁の市<対格>縁-<属格>

    「硬木が下の国へ下りるころ、私どもは縁の市へ下って参ります。」

    崖道の商人が目上の人に、最初の下ろしのころに市へ出ることを告げる言い方。「行く」の謙譲の補充形 drén- を使う。縁の市は崖の麓にあるので、かならず du で言う。lúin の節は主節の前に置く。

    þundésa senár grúndo kéndoros orénos.

    読み:スンデーサ セナール グルンド ケンドロス オレーノス。

    þund-és-asenárgrúndokéndor-osorén-os.
    裁く-<〜すべし>-<(軽いものが)>目付<主格>掛け<対格>縁の市-<属格>縁-<属格>

    「目付は縁の市の掛け(の揉め事)を裁くべし。」

    碑文の文体の当為法。碑文や法典では、役職を au- をつけずに一般の名として書く。senár は軽性なので、当為法の動詞も軽性の -a をとる。

    lísa lisár dulfáron kéndoros orénos.

    読み:リーサ リサール ドゥルファーロン ケンドロス オレーノス。

    lís-alisárdulfáronkéndor-osorén-os.
    書く-<(軽いものが)>帳付け<主格>下ろし荷<対格>縁の市-<属格>縁-<属格>

    「帳付けが縁の市の下ろし荷を書きつける。」

    商家や市で帳簿をつける者を言う文。帳簿の見開きの片側には下ろし荷を、もう片側には上げ荷を書く。dulfáron は重性で、対格は主格と同じ形。

解説

物を売り買いする市。都の湖のほとりの市場も指すが、とくに乾風期に崖の麓に立つ『縁の市』kéndor orénos を言う。市は段に乗らない場とされ、くだけた取引言葉が飛び交う。

文法

重性・子音語幹。属 kéndoros、与 kéndoroi、複 kéndorul。

語源

古高原語 *kéndor から

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