小説
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近づく
空間的に相手や場所に寄る。近づき先は与格、または方向の前置詞句で取る。
króira elþíña.
読み:クロイラ エルシーニャ。
| króir-a | elþíña. |
| 近づく-<(軽いものが)> | 火の粉<主格> |
「火の粉が近づいてくる。」
炉仕事や夜の作業で、散った火の粉が迫る日常の光景。灰 eelþó や煤 súm とは別に、点く小さな粒として数える語。ここでは見出し形 elþíña を単数主格として使っている。複数は elþíñai で、動詞は軽性複数の -an を受ける。
króiro nébro orénoi.
読み:クロイロ ネーブロ オレーノイ。
| króir-o | nébro | orén-oi. |
| 近づく-<(重いものが)> | 霧<主格> | 縁-<与格> |
「霧が縁へ近づいてくる。」
意味1。近づき先は裸の与格で取る。主語 nébro は重性o語幹なので、動詞は3人称単数・重性の語尾 -o をとる。縁付近で霧が迫るさまを言う日常の文。
króiro plondó!
読み:クロイロ プロンドー!
| króir-o | plondó! |
| 近づく-<(重いものが)> | 崖崩れ<主格> |
「崖崩れが近づいている。」
日常的な警告。主語 plondó は重性o語幹の単数なので、動詞は3人称単数・重性の語尾 -o を取る。主語の代名詞は省略される。
関係・地位・心づかいが近づく
人と人の間隔、または双方の段・距離が縮まり、親しい状態や同等に近い状態になる。
króirau faronár si orenvandár.
読み:クロイラウ ファロナール シ オレンヴァンダール。
| króir-au | faronár | si | orenvandár. |
| 近づく-<双数> | 運び人<主格> | と | 縁商人<主格> |
「運び人と縁商人が近づいた。」
意味2。単数の名詞二つを si で並べると、動詞は双数になる。運び人と縁商人はもともと立場や交際の距離が遠い二者なので、この言い方には関係・序列の間隔が縮まったという含みが出やすい。市での交際や、記録にあられた交流を言う文。
距離・幅・隔たりが縮み、相手方に寄る動作を表す動詞。来る tór- が相手の位置から見た来訪を指すのに対し、króir は主動的に距離を詰める動きを指す。空間的な接近だけでなく、関係・序列・心づかいの間隔が縮まることにも使う。
動詞語根。主語は接近するもの。近づき先は与格、または方向の前置詞句で取る。直説法では法の接尾辞がなく、語根に人称語尾が直接つく。
古高原語 *króira- から、語末の -a が落ちた動詞語根。
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