小説
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いや・だめだ
申し出や値を断る返事。
ké sénes fíñelan? nés, sénim dráunan.
読み:ケー セーネス フィーニェラン?ネース、セーニン ドラウナン。
| ké | sén-es | fíñel-an? | nés, | sén-im | dráun-an. |
| <〜か> | 見る-<あなたが> | 山猫-<対格> | いや | 見る-<私が> | 狼-<対格> |
「「山猫を見たか?」「いや、狼を見た。」」
森の民どうしのくだけたやりとり。はい・いいえで答える問いは、文頭の ké で作る。否定の答えでは、間投詞 nés のあとに、動詞を自分の人称に変えて言い直す。2人称を使っているので、並びか下向きの話し方になる。
faronér fáron só, ende. nés, éso ó gróm.
読み:ファロネール ファーロン ソー、エンデ。ネース、エーソ オー グローン。
| faronér | fáron | só, | ende. | nés, | és-o | ó | gróm. |
| 担ぐ<命令法><あなたが> | 荷<対格> | この<重性> | どうぞ | いや・だめだ | いる-<(重いものが)> | <3人称単数・重性> | 重い |
「「この荷を担いでくれ、頼む。」「いや、そいつは重い。」」
縁の市で、運び人が荷の担ぎを断るやりとり。nés は市の取引言葉の短い断りの返事で、都の改まった言葉では使わない。断ったあとに理由を添えることが多い。繋辞の文は「éis-+主語+述語」の順で、重性の代名詞 ó を受けて動詞は -o、形容詞 gróm も重性・主格の形になる。
nés! na méirim gandér só.
読み:ネース!ナ メーリン ガンデール ソー。
| nés! | na | méir-im | gandér | só. |
| いや・だめだ | <〜ない> | 与える-<私が> | 硬木<対格> | この<重性> |
「だめだ!この硬木はやれない。」
値の折り合いがつかないときに、売り手が申し出をはねつける言い方。nés を独立して先に叫び、そのあとに na で否定した文を続けて念を押す。na は動詞の直前に置く。市の外でこの語を使うと、ぶっきらぼうで下品に響く。
ない(品切れ)
求められた品物がないことを言う。
ké éso sáko tásei? nés.
読み:ケー エーソ サーコ ターセイ?ネース。
| ké | és-o | sáko | tás-ei? | nés. |
| <〜か> | いる-<(重いものが)> | 塩<主格> | <あなた>-<与格> | ない(品切れ) |
「「塩はあるか?」「ない。」」
市で品物の有無を尋ねられて、品切れだと答える言い方。所有は「持つ」という動詞を使わず、「ある+持ち主の与格」で言う。改まった言葉なら na éiso と動詞を繰り返して答えるところを、取引言葉では nés の一語ですませる。sáko は干潟から借りた語で重性。
méir tambór, ende. nés, sórel nés.
読み:メール タンボール、エンデ。ネース、ソーレル ネース。
| méir | tambór, | ende. | nés, | sórel | nés. |
| 与える<命令法><あなたが> | 雑穀 | どうぞ | ない(品切れ) | 今日 | ない(品切れ) |
「「雑穀をくれ、頼む。」「ない、今日はもうない。」」
縁の市の取引言葉。品切れを、時を表す語と組み合わせて繰り返す言い方。動詞はむき出しの語幹、目的語は格語尾なしで言い、ende を添えて頼む。
縁の市の取引言葉で使う否定の返事。「ない」「いや」「だめだ」の意味を一語で表す。もとは na és-「〜はない」で、取引言葉の「むき出しの語幹」が縮んだもの。品物がないとき、値に応じないときに使う。都の人の耳には「半ば沈んだ言葉」に聞こえるので、目付は使わない。
活用しない。正式な言葉では na éso などと、動詞を否定して答える。
否定の小辞 na+és-「いる・ある」の語幹が縮んだもの。
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