小説
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乳
主に毛山羊の乳。
méirim torárei nímbo te níla endríña.
読み:メーリン トラーレイ ニンボ テ ニーラ エンドリーニャ。
| méir-im | torár-ei | nímbo | te | níl-a | endríña. |
| 与える-<私が> | 客-<与格> | 乳<対格> | <関係節> | 飲む-<(軽いものが)> | 子ども<主格> |
「子どもが飲む乳を、私は客に出す。」
関係節のついた名詞句は節のいちばん最後に置くので、与格の torárei が目的語より前に出る。
ésa méula némei, éso nímbo némei.
読み:エーサ メウラ ネーメイ、エーソ ニンボ ネーメイ。
| és-a | méula | ném-ei, | és-o | nímbo | ném-ei. |
| いる-<(軽いものが)> | 毛山羊<主格> | <私>-<与格> | いる-<(重いものが)> | 乳<主格> | <私>-<与格> |
「私には毛山羊がいる。だから乳もある。」
所有を「ある+持ち主の与格」で言う文を、接続詞なしで二つ並べている。動詞は持ち主ではなく、持たれている物に一致する。軽性の méula を受けると ésa、重性の nímbo を受けると éso になる。
nelisénde autorár nímbo só.
読み:ネリセンデ アウトラール ニンボ ソー。
| nelis-énd-e | au-torár | nímbo | só. |
| お飲みになる-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-客 | 乳<対格> | この<重性> |
「お客人には、この乳をお飲みいただきたく存じます。」
もてなしの決まった言い方。客を高めて au- をつけ、願望法の3人称で勧める。nímbo「乳」は重性o語幹なので、指示詞は重性の só になる。くだけた場なら níl-「飲む」の命令法を使うが、改まった場では尊敬の補充形 nélis- を使う。
dumaréndim nímbo só.
読み:ドゥマレンディン ニンボ ソー。
| dumar-énd-im | nímbo | só. |
| 頂戴して飲む-<〜しますように>-<私が> | 乳<対格> | この<重性> |
「この乳を頂戴したく存じます。」
dúmar- は、出された飲み物をへりくだって飲むことにも使う。1人称の願望法 -éndim で「〜させていただきたい」という、へりくだった願いを表す。強勢は -énd- に移る。客が、出された器に手をつける前に言う。
níla kelár nímbo.
読み:ニーラ ケラール ニンボ。
| níl-a | kel-ár | nímbo. |
| 飲む-<(軽いものが)> | 伐る-<〜する人・主格> | 乳<対格> |
「樵が乳を飲む。」
VSO の基本的な文。主語の kelár「樵」は人なので軽性で、動詞は -a をとる。nímbo「乳」は重性o語幹なので、対格も主格と同じ形。毛山羊の乳は高原の日常の飲み物である。
níla kelár nímbo.
読み:ニーラ ケラール ニンボ。
| níl-a | kel-ár | nímbo. |
| 飲む-<(軽いものが)> | 伐る-<〜する人・主格> | 乳<対格> |
「樵が乳を飲む。」
日常のことを述べる VSO の文。nímbo は重性o語幹なので、主格と対格が同じ形になる。主語の kelár「樵」は人なので軽性で、動詞は -a をとる。
kúulim nímbo si tambór.
読み:クーリン ニンボ シ タンボール。
| kúul-im | nímbo | si | tambór. |
| 煮る-<私が> | 乳<対格> | と | 雑穀<対格> |
「乳と雑穀を煮る。」
家で煮炊きするときの言い方。乳と雑穀を合わせて煮た粥は、湖盆の村でふだんから食べられている。どちらも重性なので、対格は主格と同じ形になる。主語は動詞の語尾 -im でわかるので言わない。
fǘrau ílmo si nímbo.
読み:フューラウ イルモ シ ニンボ。
| fǘr-au | ílmo | si | nímbo |
| 沸く-<双数> | 水<主格> | と | 乳<主格> |
「水と乳が沸く。」
日常。単数の名詞を si で二つ並べたので、動詞は双数。双数の動詞は人称・性を区別しない。
éso unlóur nímbo míil.
読み:エーソ ウンロール ニンボ ミール。
| és-o | unlóur | nímbo | míil. |
| いる-<(重いものが)> | まだ | 乳<主格> | ほのかな |
「乳はまだ、ほのかな甘みがある。」
味見の場面。unlóur「まだ」を伴い、甘みが完全に立ち上がらず、わずかに感じられる程度を表す。
múndula dórin nímbo es kúrmos.
読み:ムンドゥラ ドーリン ニンボ エス クルモス。
| múndul-a | dórin | nímbo | es | kúrm-os. |
| 注ぐ-<(軽いものが)> | 男<主格> | 乳<対格> | から | 壺-<属格> |
「男が壺から乳を注ぐ。」
大きな器からの注ぎ。es+属格 kúrm-os で出所を表す。この意味では、大きな器から小器へ少量を慎重に移す含意がある。
毛山羊の乳。そのまま飲むほか、乾酪を作る。液体なので重性に属する。
重性・o語幹。属 nímbos、与 nímboi。
古高原語 *nímbo- から。基本の名詞で、派生・複合の構造は確認できない。
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