ráimar

品詞
固有名詞
意味
ライマル
発音
[ˈraimar]
読み
ライマル
分野
人・親族

意味

  1. ライマル

    氏族の始祖の名、またその源から流れ下る家系の名。

    duþélim sélvanan, an fóndaros ráimaros dúlenan dáumbar téir lóurul, dúlenan fáir þrénul.

    読み:ドゥセーリン セルヴァナン、アン フォンダロス ライマロス ドゥーレナン ダウンバル テール ロールル、ドゥーレナン ファイル スレーヌル。

    du-þél-imsélvan-an,anfóndar-osráimar-osdúl-en-andáumbartéirlóur-ul,dúl-en-anfáirþrén-ul
    <〜させていただく>-名乗る-<私が>セルヴァン-<対格>上手源-<属格>ライマル-<属格>下る-<〜した・〜された>-<軽性・対格>二十三瀬-<〜たちを>下る-<〜した・〜された>-<軽性・対格>四段-<〜たちを>

    「ライマルの源から二十三瀬下りた、四段下りの者、セルヴァンと名乗らせていただきます。」

    改まった場での名乗り。固有名も小文字で書く。分詞 dúlenan は二度とも、名前の sélvanan(軽性・単数・対格)に一致している。lóurul と þrénul は道のりの対格。瀬と段は語が違うので、どちらが世代でどちらが身分かがすぐにわかる。

    tóra sélvan ráimaros es dáloros.

    読み:トーラ セルヴァン ライマロス エス ダーロロス。

    tór-asélvanráimar-osesdálor-os.
    来る-<(軽いものが)>セルヴァン<主格>ライマル-<属格>から下の国-<属格>

    「ライマル家のセルヴァンが下の国から来た。」

    名+家名の属格のフルネーム。名は人なので動詞は軽性の -a で受け、家名は源の名なので重性の属格 -os になる。

    ké éses an fóndaros ráimaros? ésim.

    読み:ケー エーセス アン フォンダロス ライマロス?エーシン。

    kéés-esanfóndar-osráimar-os?és-im.
    <〜か>いる-<あなたが>上手源-<属格>ライマル-<属格>いる-<私が>

    「「お前はライマルの源の流れか?」「そうだ。」」

    二人の発話。同じ段か目下の相手に、どの家系の者かを尋ねている。ké と2人称を使っているので、目上の人には使えない。高原語には「はい」にあたる語がないので、動詞を1人称に言い換えて ésim と答える。氏族の名 ráimar は重性で、属格 ráimaros の形で fóndar の後ろに置く。

    fóndaro ráimaros, léunim þeláis aursárar.

    読み:フォンダロ ライマロス、レウニン セライス アウルサーラル。

    fóndar-oráimar-os,léun-imþel-áisaursár-ar.
    源-<〜よ>ライマル-<属格>申す-<私が>名前-<〜たちを>祖先-<〜らの>

    「ライマルの源よ、祖先たちの名を申し上げます。」

    系譜読みが系譜を唱えはじめるときの決まった呼びかけ。呼格は日常では使わず、古い詩と系譜の唱えにだけ残っている。重性の fóndar は呼格で fóndaro になる。léun- は「言う」の謙譲の補充形で、祖先に対して自分を低めている。

    ésa sélvan dúlen dáumbar lóurul an fóndaros ráimaros.

    読み:エーサ セルヴァン ドゥーレン ダウンバル ロールル アン フォンダロス ライマロス。

    és-asélvandúl-endáumbarlóur-ulanfóndar-osráimar-os.
    いる-<(軽いものが)>セルヴァン<主格>下る-<〜した・〜された>二十瀬-<〜たちを>上手源-<属格>ライマル-<属格>

    「セルヴァンは、ライマルの源から二十瀬下った者である。」

    ある人の世代を、第三者として述べる改まった文。序数を使わず、「分詞 dúlen+数詞+瀬の複数対格(道のりの対格)」で言う。分詞は主語 sélvan(軽性・単数・主格)に一致するので、語尾がつかない。瀬の数が多いのは誉れとされる。

    áura ilána ráimaros an álmarei.

    読み:アウラ イラーナ ライマロス アン アルマレイ。

    áur-ailánaráimar-osanálmar-ei.
    昇る-<(軽いものが)>祖先の星<主格>ライマル-<属格>上手白月-<与格>

    「ライマルの星が、白月の上手に昇る。」

    祖先の星は、単数の ilána の後ろに祖先の名を属格で添えて呼ぶ(名前のある一つの星なので、単数で指してよい)。星の位置は指さずに、「an+与格」で白月との位置関係として言う。系譜読みや星読みが、夜の時刻や祖先の祀りについて語るときの言い方。

    dúlim dáumbar téir lóurul an fóndaros ráimaros.

    読み:ドゥーリン ダウンバル テール ロールル アン フォンダロス ライマロス。

    dúl-imdáumbartéirlóur-ulanfóndar-osráimar-os.
    下る-<私が>二十三世代-<〜たちを>上手源-<属格>ライマル-<属格>

    「私はライマルの源から二十三瀬下った者だ。」

    自分の世代を言う、ふつうの話し方の文。改まった名乗りでは謙譲の動詞と分詞 dúlenan を使うが、ここでは直説法の動詞 dúlim を使う。lóurul は道のりの対格で、「何世代下ったか」を表す。身分の段 þrén と語が違うので、世代の話だとすぐにわかる。

    lóima lourvirár þeláis an fóndaros ráimaros.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール セライス アン フォンダロス ライマロス。

    lóim-alourvirárþel-áisanfóndar-osráimar-os.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み名前-<〜たちを>〜から源-<属格>ライマル-<属格>

    「系譜読みが、ライマルの源から名を唱えていく。」

    婚姻や祖先祀りで系譜を唱える場面の文。an+属格は「上手から」の出どころを表す。系譜は源から下へ流れるものなので、始祖からの起点は es ではなく an で言うのが改まった言い方になる。

    ké éses es ráunos ráimaros? ésim.

    読み:ケー エーセス エス ラウノス ライマロス?エーシン。

    kéés-esesráun-osráimar-os?és-im.
    <〜か>いる-<あなたが>から流れ-<属格>ライマル-<属格>いる-<私が>

    「「お前はライマルの流れの者か?」「そうだ。」」

    二人の発話。「〜の流れの者である」を、és-+es+流れの属格で「〜の流れから出ている」と言う。答えには「はい」にあたる語を使わない。動詞を自分の人称(1人称単数 ésim)に変えて繰り返す。2人称と ké を使っているので、同じ段か下の者への問いになる。

    éso fóndar ráimaros þéul ráunos némes.

    読み:エーソ フォンダル ライマロス セウル ラウノス ネーメス。

    és-ofóndarráimar-osþéulráun-osném-es.
    いる-<(重いものが)>源<主格>ライマル-<属格>清い始まり<主格>流れ-<属格><私>-<属格>

    「ライマルの源こそ、我が流れの清き始まりである。」

    系譜読みが家系を唱えるときの言い方。系譜を川の流れにたとえ、始祖を「まだ濁っていない湧き水」と言い表している。主語の fóndar が重性なので、繋辞は -o をとる。þéul はここでは比喩の意味で、名詞の述語になっている。

    duþélim sélvanan, an fóndaros móros ráimaros dúlenan téir lóurul.

    読み:ドゥセーリン セルヴァナン、アン フォンダロス モーロス ライマロス ドゥーレナン テール ロールル。

    du-þél-imsélvan-an,anfóndar-osmór-osráimar-osdúl-en-antéirlóur-ul.
    <〜させていただく>-名乗る-<私が>セルヴァン-<対格>上手源-<属格>偉大な-<重性・属格>ライマル-<属格>下る-<〜した・〜された>-<軽性・対格>三瀬-<〜たちを>

    「偉大なるライマルの源から三瀬下りた、セルヴァンと名乗らせていただきます。」

    改まった場での名乗り。名詞句の中は「名詞–形容詞–属格」の順に並び、形容詞は重性の fóndar に合わせて属格 -os になる。mór を家や氏族に使うと、その勢いが大きいことを誇る言い方になる。目上の人自身を mór と言うことはしない。

    lóima lourvirár lóurul an fóndaros ráimaros.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール ロールル アン フォンダロス ライマロス。

    lóim-alourvirárlóur-ulanfóndar-osráimar-os.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み<主格>瀬-<〜たちを>上手源-<属格>ライマル-<属格>

    「系譜読みが、ライマルの源から一瀬ずつ系譜を唱える。」

    婚姻の取り決めの場面。lóurul は重性の複数対格で、唱える世代の連なりを目的語にしている。系譜は十拍の韻律に乗せて唱える。

    dúla lourlisá an fóndaros ráimaros dáumbar téir lóurul.

    読み:ドゥーラ ロウルリサー アン フォンダロス ライマロス ダウンバル テール ロールル。

    dúl-alourlisáanfóndar-osráimar-osdáumbartéirlóur-ul.
    下る-<(軽いものが)>系譜の巻<主格>上手源-<属格>ライマル-<属格>二十三瀬-<〜たちを>

    「系譜の巻は、ライマルの源から二十三瀬を下っていく。」

    系譜の巻に書かれた流れが、源から一瀬ずつ下っていくことを言う文。系譜読みが唱えはじめるときの言い方でもある。an+属格で「上手から」。lóurul は道のりの対格で、自動詞 dul- もこの格をとれる。巻は紙なので軽性で、動詞は -a をとる。

    raunérimor ráun ráimaros.

    読み:ラウネーリモル ラウン ライマロス。

    raunér-imorráunráimar-os.
    従う-<我々が>流れ<対格>ライマル-<属格>

    「私たちはライマルの流れ(家系)に従う。」

    意味2の書物・系譜の唱え。抽象的な流れや家系を追う用法。目的語 ráun は重性語幹とされ、対格に語尾が付かない。属格 ráimaros は家名「ライマル」の属格。1人称複数動詞では人称が語尾に出、主語代名詞は省ける。

    lóima ólmar þelán ráimaros, duói lóima ólmar þelán gléinaros.

    読み:ロイマ オルマル セラーン ライマロス、ドゥオイ ロイマ オルマル セラーン グレーナロス。

    lóim-aólmarþel-ánráimar-os,duóilóim-aólmarþel-ángléinar-os.
    唱える-<(軽いものが)>年長者<主格>名前-<対格>ライマル-<属格>その次に唱える-<(軽いものが)>年長者<主格>名前-<対格>グレイナル-<属格>

    「年長者がライマルの名を唱え、その次に、グレイナルの名を唱える。」

    系譜の名を一瀬ずつ唱える儀礼の場面。duóiは名と名を結び、前の名を上手、次の名を下手に置く。名は属格で「〜の名」とする。主語は年長者。

    prénda líura ráun bréles es ráunos ráimaros.

    読み:プレンダ リーウラ ラウン ブレーレス エス ラウノス ライマロス。

    prénd-alíuraráunbrél-esesráun-osráimar-os.
    移る-<(軽いものが)>女<主格>流れ<対格>兄弟-<属格>から流れ-<属格>ライマル-<属格>

    「その女はライマルの流れから離れて、きょうだいの流れへ移った。」

    記録文・儀式の文を想定する。意味2は離縁して元の家の流れへ戻る場合にも使う。行き先となる家系の流れを直接目的語に置き、離れていく家系を es と属格で表す。前置詞句では頭名詞「流れ」も属格になる。

解説

ある氏族の源(始祖)の名。系譜では an fóndaros ráimaros「ライマルの源から」の形で、名乗りの起点になる。源は重性なので、源の名も重性で変化する。

文法

固有名詞・重性・子音語幹。属 ráimaros、呼格 ráimaro。

語源

語源不明

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