ráuvan

品詞
名詞
意味
森の巫
発音
[ˈrauvan]
読み
ラウバン
分野
社会・信仰・儀礼

意味

  1. 森の巫

    森の氏族の祭司。伐り出し・狩り・葬送の詞を受け持つ。

    lúin lóima ráuvan loimán, kéla kelár gandér.

    読み:ルーイン ロイマ ラウヴァン ロイマーン、ケーラ ケラール ガンデール。

    lúinlóim-aráuvanloim-án,kél-akel-árgandér.
    とき唱える-<(軽いものが)>森の巫<主格>詞-<対格>伐る-<(軽いものが)>伐る-<〜する人・主格>硬木<対格>

    「森の巫が詞を唱えると、樵は硬木を伐る。」

    硬木を伐る作法を述べた文。「〜するとき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。kelár「樵」は kél- に「〜する人」の -ár がついた語。硬木は重性なので、主格と対格が同じ形 gandér になる。詞を唱えずに伐ることは禁忌とされる。

    lóima ráuvan loimán ré aurénde selvá.

    読み:ロイマ ラウヴァン ロイマーン レー アウレンデ セルヴァー。

    lóim-aráuvanloim-ánréaur-énd-eselvá.
    唱える-<(軽いものが)>森の巫<主格>詞-<対格>ように昇る-<〜しますように>-<(軽いものが)>息<主格>

    「森の巫は、息が昇るよう詞を唱える。」

    葬送の場面を述べた文。ré に願望法を続けると、「〜するように」という目的の節になる。aurénde は挨拶の aurénde と同じ形で、ここでは本来の「昇りますように」という意味で使われている。

    loimésa ráuvan loimán sérin.

    読み:ロイメーサ ラウヴァン ロイマーン セーリン。

    loim-és-aráuvanloim-ánsérin.
    唱える-<〜すべし>-<(軽いものが)>森の巫<主格>詞-<対格>このように

    「森の巫は、このように詞を唱えるべし。」

    降ろし場の碑の文。法や作法を定めるための当為法で書かれている。sérin は、碑文でこのあとに刻まれている詞そのものを指す。

    lúin kélan kelárai gandér, loimésa ráuvan loimán téir fréimais.

    読み:ルーイン ケーラン ケラーライ ガンデール、ロイメーサ ラウヴァン ロイマーン テール フレーマイス。

    lúinkél-ankel-ár-aigandér,loim-és-aráuvanloim-ántéirfréim-ais.
    とき伐る-<彼らが>伐る-<〜する人>-<〜たちが>硬木<対格>唱える-<〜すべし>-<(軽いものが)>森の巫<主格>詞-<対格>三度回-<〜たちを>

    「樵たちが硬木を伐るときは、森の巫が詞を三度唱えるべし。」

    降ろし場の碑に刻まれるような、儀礼の作法を定める当為法の文。「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。主節では主語を言っているので、それに一致して3人称単数・軽性になる。強勢は当為法の -és- に移り、語根の ´ は消える。三度は téir fréimais(複数対格)。

    táula ráuvan gleinó es drálos faronáres.

    読み:タウラ ラウヴァン グレイノー エス ドラーロス ファロナーレス。

    tául-aráuvangleinóesdrál-osfaronár-es.
    取る-<(軽いものが)>森の巫<主格>護符<対格>から首-<属格>運び人-<属格>

    「森の巫が、運び人の首から護符を外す。」

    まじないの場面の文。es+属格で「〜から」を表す。首 drál は体の部分なので重性で、属格は -os。gleinó は重性o語幹で、主格と対格が同じ形になる。

    tóra hervíña té, tául élan ré brolénde ráuvan gleinó.

    読み:トーラ ヘルヴィーニャ テー、タウル エーラン レー ブロレンデ ラウヴァン グレイノー。

    tór-ahervíñaté,táulél-anrébrol-énd-eráuvangleinó.
    来る-<(軽いものが)>麝香鹿<主格>あの<軽性>取る<命令法><あなたが><3人称単数・軽性>-<対格><〜と(節)>作る-<〜しますように>-<(軽いものが)>森の巫<主格>護符<対格>

    「あの麝香鹿が来る。森の巫が護符を作れるよう、あれを獲れ。」

    森の氏族の長が狩人に命じる、下向きの言い方。hervíña は軽性なので、指示詞は軽性の té になる。té には強勢を置き、読点で区切るので、関係節ではないとわかる。目的は「ré+願望法」で表す。この願望法は丁寧さではなく、「そうなってほしいこと」を表す。護符 gleinó は重性の o 語幹なので、対格も主格と同じ形になる。

    mána kelár þérno! hál ráuvanan!

    読み:マーナ ケラール セルノ!ハール ラウヴァナン!

    mán-akel-árþérno!hálráuvan-an!
    食べる-<(軽いものが)>伐る-<〜する人・主格>毒きのこ<対格>呼ぶ<命令法><あなたが>森の巫-<対格>

    「樵が毒きのこを食べた!森の巫を呼べ!」

    急を告げるくだけた言い方。動詞に時制の形がないので、mána だけで「食べた」の意味になる。重性名詞の þérno は、対格でも形が変わらない。命令法の2人称単数は、むき出しの語幹 hál。森の村では、毒や葬送のことは森の巫に任される。

    dróuma ráuvan es gandéros kélenos.

    読み:ドローマ ラウヴァン エス ガンデーロス ケーレノス。

    dróum-aráuvanesgandér-oskél-en-os.
    悼む-<(軽いものが)>森の巫<主格>から硬木-<属格>伐る-<〜した・〜された>-<重性・属格>

    「森の巫は、伐られた硬木を悼む。」

    硬木を伐るときに、上へ伸びてきた木をねぎらう詞の場面。分詞 kélen は gandér(重性)の属格に一致して -os をとる。

    lúin kélan kelárai gandér, lóima ráuvan loimán.

    読み:ルーイン ケーラン ケラーライ ガンデール、ロイマ ラウヴァン ロイマーン。

    lúinkél-ankel-ár-aigandér,lóim-aráuvanloim-án.
    とき伐る-<彼らが>伐る-<〜する人>-<〜たちが>硬木<対格>唱える-<(軽いものが)>森の巫<主格>詞-<対格>

    「樵たちが硬木を伐るとき、森の巫が詞を唱える。」

    硬木を伐るときの儀礼を説明する文。loimá「詞」は lóim- に -á「〜するもの」がついた派生語で、動詞の目的語に同じ語根の名詞をとっている。

    kráila ráuvan gleinó ál.

    読み:クライラ ラウヴァン グレイノー アール。

    kráil-aráuvangleinóál.
    手に持つ-<(軽いものが)>森の巫<主格>護符<対格>白い

    「森の巫は白い護符を手にしている。」

    白い石英の護符を言う文。石である gleinó は重性o語幹なので、対格も主格と同じ形になり、形容詞にも語尾がつかない。白は聖なる石英の色でもある。

    émbelau ráuvan si kelár aursárais.

    読み:エンベラウ ラウヴァン シ ケラール アウルサーライス。

    émbel-auráuvansikel-áraursár-ais.
    祀る-<双数>森の巫<主格>と伐る-<〜する人・主格>祖先-<〜たちを>

    「森の巫と樵が祖先を祀る。」

    祖先を祀る祭祀を述べる文。単数の名詞を si で二つ並べているので、動詞は双数の -au になる。双数の動詞は人称も性も区別しない。

    lúin kélan kelárai gandér, áura aurvirá ráuvanes.

    読み:ルーイン ケーラン ケラーライ ガンデール、アウラ アウルヴィラー ラウヴァネス。

    lúinkél-ankel-ár-aigandér,áur-aaurviráráuvan-es.
    とき伐る-<彼らが>伐る-<〜する人>-<〜たちが>硬木<対格>昇る-<(軽いものが)>祈り<主格>森の巫-<属格>

    「樵たちが硬木を伐るとき、森の巫の祈りが昇る。」

    硬木を伐るときの儀式を述べる文。「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。属格 ráuvanes は名詞の後ろに置く。

    léima ráuvan gleinó an dún.

    読み:レーマ ラウヴァン グレイノー アン ドゥーン。

    léim-aráuvangleinóandún.
    置く-<(軽いものが)>森の巫<主格>境石<対格>上手丘<対格>

    「森の巫が、丘の上手へ境石を据える。」

    境を定める儀式を述べる文。an+対格で「上手へ」。重性の dún は、対格も主格と同じ形になる。

    lóiman ráuvanai loimán sérin, ésa tróval fóndel.

    読み:ロイマン ラウヴァナイ ロイマーン セーリン、エーサ トローヴァル フォンデル。

    lóim-anráuvan-ailoim-ánsérin,és-atróvalfóndel.
    唱える-<彼らが>森の巫-<〜たちが>詞-<対格>このようにいる-<(軽いものが)>しきたり<主格>古い

    「森の巫たちはこのように詞を唱える。それが由緒あるしきたりなのだ。」

    儀式の手順を説明する文。接続詞なしで節を二つ並べ、読点で区切っている。fóndel は「由緒ある古さ」を表す形容詞で、主語の tróval(軽性・主格)に一致し、語尾はつかない。

    lúin élþa hóurna, loimésa ráuvan loimáis bróusais.

    読み:ルーイン エルサ ホールナ、ロイメーサ ラウヴァン ロイマイス ブローサイス。

    lúinélþ-ahóurna,loim-és-aráuvanloim-áisbróus-ais.
    とき燃える-<(軽いものが)>弔い<主格>唱える-<〜すべし>-<(軽いものが)>森の巫<主格>詞-<〜たちを>多い-<軽性・〜ら(古い母音交替)・対格>

    「「弔いの火が焚かれるときは、森の巫は多くの詞を唱えるべし。」」

    葬送の作法を定めた書の文。魂を上へ送るために詞を唱える。霧期の火葬では、煙が霧に閉じこめられるので、とくに念入りに唱える。lúin の節は主節の前に置く。詞は軽性なので、形容詞は -ais で一致する。

    ái, dúla hóurna du orén! hálimor ráuvanan.

    読み:アイ、ドゥーラ ホールナ ドゥ オレーン!ハーリモル ラウヴァナン。

    ái,dúl-ahóurnaduorén!hál-imorráuvan-an.
    おや下る-<(軽いものが)>送りの煙<主格>下手縁<対格>呼ぶ-<我々が>森の巫-<対格>

    「おや、送りの煙が縁のほうへ下りていく!森の巫を呼ぼう。」

    風で煙が南(下)へ流れたときの驚きの声。これは不吉なこととされ、魂を上へ引き上げる詞を唱えてもらうために祭司を呼ぶ。du+対格で「下手へ」。

    ké tóra ráuvan? na tóra. séiran kelárai.

    読み:ケー トーラ ラウヴァン?ナ トーラ。セーラン ケラーライ。

    kétór-aráuvan?natór-a.séir-ankel-ár-ai.
    <〜か>来る-<(軽いものが)>森の巫<主格><〜ない>来る-<(軽いものが)>待つ-<彼らが>伐る-<〜する人>-<〜たちが>

    「「巫は来たか?」「まだ来ていない。樵たちが待っている。」」

    伐り出しの前の、森の村での日常のやりとり。二人の発話を一つにまとめている。儀式の詞を唱えずには硬木を伐れないので、樵たちは森の巫の到着を待つ。「はい/いいえ」にあたる語はなく、問いの動詞を繰り返して答える(否定なら na tóra)。時制がないので、tóra は「来た」とも「来ている」とも訳せる。

    lóima ráuvan, ré aurénde selvá.

    読み:ロイマ ラウヴァン、レー アウレンデ セルヴァー。

    lóim-aráuvan,réaur-énd-eselvá.
    唱える-<(軽いものが)>森の巫<主格><〜と(節)>昇る-<〜しますように>-<(軽いものが)>息<主格>

    「森の巫は、死者の息が昇るよう詞を唱える。」

    葬送の場面を述べた文。ráuvan は人を指すので軽性で、動詞は -a で一致する。「ré+願望法」は目的の「〜するように」を表す。この願望法は丁寧さではなく、そうなってほしいことを表している。selvá(息)は、ここでは死者の魂を指す。

    lúin kélan kelárai gandér, áura loimá ráuvanes.

    読み:ルーイン ケーラン ケラーライ ガンデール、アウラ ロイマー ラウヴァネス。

    lúinkél-ankel-ár-aigandér,áur-aloimáráuvan-es.
    とき伐る-<彼らが>伐る-<〜する人>-<〜たちが>硬木<対格>昇る-<(軽いものが)>詞<主格>森の巫-<属格>

    「樵たちが硬木を伐るときには、森の巫の詞が立ちのぼる。」

    硬木を伐る作法を述べた文。詞は息なので、煙のように上へ昇るものとされ、動詞 áur-「昇る」の主語になる。loimá は軽性なので、動詞は軽性の -a をとる。硬木 gandér は重性なので、主格と対格が同じ形になる。

    ésa loimá ráuvanes gléin.

    読み:エーサ ロイマー ラウヴァネス グレーン。

    és-aloimáráuvan-esgléin.
    いる-<(軽いものが)>詞<主格>森の巫-<属格>清い

    「森の巫の詞は清い。」

    「AはBだ」の文も、繋辞 és- を文頭に置く。順序は「és-–主語–述語」。主語 loimá は軽性なので、繋辞は -a、述語の形容詞 gléin は軽性・主格の語尾のない形になる。属格 ráuvanes は名詞の後ろに置く。

    ké ésa loimá kéumos só ráuvanes?

    読み:ケー エーサ ロイマー ケウモス ソー ラウヴァネス?

    kéés-aloimákéum-ossóráuvan-es?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>碑の詞<主格>碑-<属格>この<重性>森の巫-<属格>

    「この碑の詞は、森の巫のものか?」

    古い碑の前で交わす問い。降ろし場の碑のように、森の巫の詞をそのまま刻んだ碑がある。名詞句の終わりの指示詞 só は重性の形なので、軽性の loimá ではなく、重性の kéumo(碑)にかかる。そのため「この碑の」と読む。答えは動詞を繰り返して ésa、または na ésa と言う。

    lóima ráuvan loimán anlúines.

    読み:ロイマ ラウヴァン ロイマーン アンルーイネス。

    lóim-aráuvanloim-ánanlúin-es.
    唱える-<(軽いものが)>森の巫<主格>詞-<対格>昔-<属格>

    「森の巫が、昔の詞を唱える。」

    伐り出しや葬送の儀礼の場面。属格 anlúines を名詞の後ろに置いて「昔の〜」と言う。an-「上手」を含む語で、時を源から流れ下る川と見るので、古い時代ほど「上手」、つまり源に近い時とされる。

    toríþa ráuvan kelárais un krévan, salóur na kélan kelárai árnelan.

    読み:トリーサ ラウヴァン ケラーライス ウン クレーヴァン、サロール ナ ケーラン ケラーライ アルネラン。

    tor-íþ-aráuvankel-ár-aisunkréva-n,salóurnakél-ankel-ár-aiárnel-an.
    来る-<〜させる>-<(軽いものが)>森の巫<主格>伐る-<〜する人>-<〜たちを>内に練習の場-<対格>しかし<〜ない>伐る-<彼らが>伐る-<〜する人>-<〜たちが>木-<対格>

    「森の巫は樵たちを稽古の場へ呼び寄せるが、樵たちは木を伐らない。」

    un と対格を組み合わせると「〜の中へ」の意味になり、un krévan は「稽古の場へ」となる。伐り出しの詞を稽古で唱えても本番の儀式にはならず、樵はそこでは斧を入れない。そのことを言った文である。使役の toríþ-「呼び寄せる」は、後ろに強勢のある接辞がないので、-íþ- が強勢をとる。逆接の salóur は二つめの文の頭に置く。立っている木 árnel は軽性なので、対格は -an になる。

    sarénei, loimésa ráuvan loimán gandéroi.

    読み:サレーネイ、ロイメーサ ラウヴァン ロイマーン ガンデーロイ。

    sarén-ei,loim-és-aráuvanloim-ángandér-oi.
    本番-<与格>唱える-<〜すべし>-<(軽いものが)>森の巫<主格>詞-<対格>硬木-<与格>

    「本番には、森の巫が硬木に向かって詞を唱えるべし。」

    伐り出しの作法を書き記した文で、碑文や作法書の当為法。主語の ráuvan は人なので、当為法は軽性の -ésa になる。強勢は -és- に移るので、語根 lóim- の強勢は消える。下詠みや練習で詞を唱えても数に入らず、木の前で唱える本番の詞だけが儀式として成り立つ、という含みがある。

    dulpovéra ráuvan dálor.

    読み:ドゥルポヴェーラ ラウヴァン ダーロル。

    dulpovér-aráuvandálor.
    下手を問うように見下ろす-<(軽いものが)>森の巫<主格>下の国<対格>

    「森の巫が、下の国を下手を問うように見下ろす。」

    儀礼や祀りの場での言い方。下界へまっすぐ見下ろす禁忌を避け、下にあるものに配慮しながら、問いかけるような視線で気配を探る含みがある。dálor は重性で、対格も同名。

    flúuna ráuvan frumó.

    読み:フルーナ ラウヴァン フルモー。

    flúun-aráuvanfrumó.
    洗う-<(軽いものが)>森の巫<主格>傷<対格>

    「森の巫が傷を洗う。」

    治癒儀礼の手当て。動詞 flúun- の語尾は軽性の主語 ráuvan に合わせて -a。対象の傷 frumó は重性名詞で、対格は主格と同形。

    senkríla ráuvan es faronáres.

    読み:センクリーラ ラウヴァン エス ファロナーレス。

    senkríl-aráuvanesfaronár-es.
    視線を断つ-<(軽いものが)>森の巫<主格>から運び人-<属格>

    「森の巫は運び人から視線を断つ。」

    儀礼的な場面で、続いていた視線の接触を切る意。単に「相手を見ない」のではなく、交わされていた視線を形式的に絶つニュアンス。`faronár` は人なので、文法上の扱いも軽性。

    marléuma ráuvan an aurándo.

    読み:マルレウマ ラウヴァン アン アウランド。

    marléum-aráuvananaurándo
    手を振る-<(軽いものが)>森の巫<主格>上手社<対格>

    「森の巫は社へ向かって手を振る。」

    儀礼の場面。主語 ráuvan は軽性。前置詞 an に社 aurándo を対格で受け、「上手(北)の社へ」という方向を表す。aurándo は -ando 系の場所名詞で、重性o語幹、単数対格は主格と同じ形。

    auliníþa ráuvan sléumo.

    読み:アウリニーサ ラウヴァン スレウモ。

    au-liníþ-aráuvansléumo
    <お〜になる・御〜>-塗る-<(軽いものが)>森の巫<主格>油<対格>

    「森の巫が(灯のために)油を塗っていらっしゃる。」

    儀礼・書面的な場面の文。尊敬の接頭辞 au- を動詞に付けて、話題の高位者を高める。主語 ráuvan は人なので軽性で、動詞は 3人称単数 -a を受ける。

    rímba ráuvan traimfiláis sé

    読み:リンバ ラウヴァン トラインフィライス セー

    rímb-aráuvantraimfil-áissé
    数える-<(軽いものが)>森の巫<主格>年輪-<〜たちを>この<軽性>

    「森の巫がこれらの年輪を数えている」

    森の巫が年輪を数える場面を示す文。主語 ráuvan は人なので軽性とし、動詞は軽性3人称単数 -a で受ける。目的語が複数なので traimfiláis を使い、指示詞 sé は名詞句の末尾に置く。

    síl-a ráuvan elþíñan es máros.

    読み:シーラ ラウヴァン エルシーニャン エス マーロス。

    síl-aráuvanelþíñ-anesmár-os
    払う(弾いて落とす)-<(軽いものが)>巫<主格>火の粉-<対格>から手-<属格>

    「森の巫が手から火の粉を払う。」

    elþíña「火の粉」を目的語とする。炉仕事や儀礼のあと、手についていた小さな火の粉を軽く弾いて落とす場面。拭くのではなく、何回か軽く叩いて外へ落とす動作である。

解説

森の氏族ごとにいる祭司。木の伐り出し、狩り、葬送の詞を受け持ち、古い歌や古高原語の詞を伝えている。硬木を伐るときには木の前で決まった韻律の詞を唱える。年輪読みの占いもこの祭司の技である。都の星読みとは系統が違い、宮廷からは少し田舎びた存在と見られている。

文法

軽性・子音語幹(②型)。対 ráuvanan、複 ráuvanai。

語源

語源未詳。森の氏族の古い語で、森の言葉から都の語彙に入った。

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