小説
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粗い
手ざわりが粗いこと、作りが雑なこと。
ésa virá táses rúgal.
読み:エーサ ヴィラー ターセス ルーガル。
| és-a | virá | tás-es | rúgal. |
| いる-<(軽いものが)> | 言葉<主格> | <あなた>-<属格> | 粗い |
「お前の言葉は粗い。」
相手の言葉づかいをとがめる、くだけた言い方。2人称の代名詞 tás を使うので、目上の人には使えない。言葉は息であり上へ昇るべきものとされるので、「粗い」と言われるのは強い非難になる。
áura virá gléin, dúla virá rúgal.
読み:アウラ ヴィラー グレーン、ドゥーラ ヴィラー ルーガル。
| áur-a | virá | gléin, | dúl-a | virá | rúgal. |
| 昇る-<(軽いものが)> | 言葉<主格> | 清い | 下る-<(軽いものが)> | 言葉<主格> | 粗い |
「清い言葉は昇り、粗い言葉は下る。」
言葉は息であり上へ昇る、という信仰を述べた言い習わし。粗い言葉は下へ沈むとされるが、virá は文法上つねに軽性なので、動詞 dúl- も重性の -o ではなく軽性の -a をとる。
mé vír virán rúgalan, éso hóum!
読み:メー ヴィール ヴィラーン ルーガラン、エーソ ホーン!
| mé | vír | vir-án | rúgal-an, | és-o | hóum! |
| <禁止・願いの打ち消し> | 言う<命令法><あなたが> | 言葉-<対格> | 粗い-<軽性・対格> | いる-<(重いものが)> | 炉<主格> |
「粗い言葉を言うな。炉の前だぞ。」
家の中で、親が子をたしなめる言い方。炉の前で粗野な言葉を口にしてはいけない、という禁忌を表す。禁止は「mé+命令法」で言う。後半の éso hóum は「炉がある(のだ)」で、場所を示さない存在文。hóum は重性なので、繋辞は -o をとる。
na pánda pandá rúgal lisáis séurilais.
読み:ナ パンダ パンダー ルーガル リサイス セウリライス。
| na | pánd-a | pand-á | rúgal | lis-áis | séuril-ais. |
| <〜ない> | 刷る-<(軽いものが)> | 刷る-<〜するもの(重)・主格> | 粗い | 字-<〜たちを> | 整った-<軽性・〜ら(古い母音交替)・対格> |
「粗い版木では、整った字は刷れない。」
彫り師の仲間で言われる言い回しで、作りの雑な版木を戒める。pandá「版木」は版の木で作られ、伐ったあとも軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。
éso gandér só rúgal.
読み:エーソ ガンデール ソー ルーガル。
| és-o | gandér | só | rúgal. |
| いる-<(重いものが)> | 硬木<主格> | この<重性> | 粗い |
「この硬木は手ざわりが粗い。」
材木の表面の様子を言う、日常の文。gandér「硬木」は重性なので、繋辞は -o の形(éso)、指示詞は重性の só になる。述語の形容詞 rúgal は重性・単数・主格の形で、語尾がつかない。
na éso ó ombríl, ésa virá rúgal.
読み:ナ エーソ オー オンブリール、エーサ ヴィラー ルーガル。
| na | és-o | ó | ombríl, | és-a | virá | rúgal. |
| <〜ない> | いる-<(重いものが)> | それ<重性> | 十拍の句<主格> | いる-<(軽いものが)> | 言葉<主格> | 粗い |
「それは十拍の句ではない。粗い言葉だ。」
詩合わせで、拍の数や重さの並びが定型から外れた句を退けるときの言い方。読み上げられた句を重性の代名詞 ó で受け、繋辞も重性の éso にしている。後半の virá は軽性なので、繋辞は ésa になる。主節を二つ並べるので、あいだに区切りを入れる。
flélo fleló rúgal só
読み:フレーロ フレロー ルーガル ソー
| flél-o | fleló | rúgal | só |
| 漏れる-<(重いものが)> | 素焼き<主格> | 粗い | この<重性> |
「この粗い素焼きは漏れる。」
吸い込みの強い土器の等級を指す用法。名詞句は「名詞 fleló+形容詞 rúgal+指示詞 só」の順で、指示詞 só が名詞句の重性を示す。主語は重性o語幹なので動詞は 3人称単数・重性。
ésa gláur sé rúgal.
読み:エーサ グラウル セー ルーガル。
| és-a | gláur | sé | rúgal |
| いる-<(軽いものが)> | 笑い声<主格> | この<軽性> | 粗い |
「この笑い声は粗い。」
笑い声の声質を評す文。gláur は軽性なので、存在・繋辞 ésa は軽性単数。指示詞 sé は軽性単数。述語形容詞 rúgal は主語に一致して軽性単数主格の無語尾形。
éso þárno pímes rúgal.
読み:エーソ サルノ ピーメス ルーガル。
| és-o | þárno | pím-es | rúgal. |
| いる-<(重いものが)> | 端<主格> | 紙-<属格> | 粗い |
「紙の端は粗い。」
存在動詞 éso は主語 þárno に合わせて重性単数の形をとる。pímes は語幹 pím- に属格 -es が接した形。述語形容詞 rúgal は主語 þárno に一致し、重性単数主格では語尾がつかない。
粗野な
人のふるまいや言葉が品のないこと。
mé vír virán rúgalan ólmarei!
読み:メー ヴィール ヴィラーン ルーガラン オルマレイ!
| mé | vír | vir-án | rúgal-an | ólmar-ei! |
| <禁止・願いの打ち消し> | 言う<命令法><あなたが> | 言葉-<対格> | 粗野な-<軽性・対格> | 年長者-<与格> |
「年長者に粗野な言葉を口にするな。」
家の戒め。禁止は「mé+命令法」で言う。rúgal を言葉に使うと、品のない、粗野な言い方を指す。炉の前で下品な言葉を言ってはならない、という禁忌とも結びついた言い方。
dróuma ólmar ré víran faronárai viráis rúgalais.
読み:ドローマ オルマル レー ヴィーラン ファロナーライ ヴィライス ルーガライス。
| dróum-a | ólmar | ré | vír-an | faron-ár-ai | vir-áis | rúgal-ais. |
| 嘆く-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | <〜と(節)> | 言う-<彼らが> | 荷-<〜する人>-<〜たちが> | 言葉-<〜たちを> | 粗野な-<軽性・〜ら(古い母音交替)・対格> |
「年長者は、運び人たちが粗野な言葉を使うと嘆く。」
都でよく聞く嘆き。ré の後ろの節も、主節と同じく動詞で始まる。形容詞は軽性・複数・対格の rúgalais の形で viráis に一致している。
手ざわりが粗いこと、作りが雑なことを言う語。粗く織った布、削っていない木、ごつごつした岩に使う。人や言葉について言うと「粗野な」の意味になり、séuril の反対の語として使われる。口汚い言葉は重く下へ落ちると考えられているので、rúgal な人は「言葉が下へ落ちる人」とも言われる。
形容詞。名詞の後ろに置き、性・数・格に一致する。
古高原語 *rúgal- から。基本の形容詞で、派生・複合の構造は確認できない。
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