sárvo

品詞
名詞
意味
禁忌
発音
[ˈsarvo]
読み
サールボ
分野
社会・信仰・儀礼

意味

  1. 禁忌

    してはならない行い、口にしてはならない言葉。

    léimsan aursárai sárvo ré mé duliþésa fáron du dálor.

    読み:レーンサン アウルサーライ サルヴォ レー メー ドゥリセーサ ファーロン ドゥ ダーロル。

    léims-anaursár-aisárvorémédul-iþ-és-afárondudálor.
    据える<〜し終えた>-<彼らが>祖先-<〜たちが>禁忌<対格><〜と(節)><禁止・願いの打ち消し>下る-<〜させる>-<〜すべし>-<(軽いものが)>荷<対格>下手下の国<対格>

    「祖先たちは、下の国へ荷を落としてはならぬという禁忌を定めた。」

    ré の後ろの節は当為法を保ち、mé で否定している。主語を言わない当為法は「人は〜すべし」の意味で、軽性の -a をとる。強勢は -és- に移る。崖から物を落としてはいけない、という禁忌のいわれを語る文。

    na ráina dalorár sárvo némores.

    読み:ナ ライナ ダロラール サルヴォ ネーモレス。

    naráin-adalorársárvonémor-es.
    <〜ない>知る-<(軽いものが)>下の国の者<主格>禁忌<対格><我々>-<属格>

    「下の国の者は、我々の禁忌を知らない。」

    干潟の人について、高原の人が言う決まり文句。どこか見下す響きがある。sárvo は重性o語幹なので、主格と対格が同じ形になる。ここでは単数で「禁忌というもの」を総称している。「我々の」は代名詞 némor の属格 némores で表し、名詞の後ろに置く。

    lúin tóro nébro, mé virésa éndran. éso sárvo.

    読み:ルーイン トーロ ネーブロ、メー ヴィレーサ エンドラン。エーソ サルヴォ。

    lúintór-onébro,mévir-és-aéndr-an.és-osárvo.
    とき来る-<(重いものが)>霧<主格><禁止・願いの打ち消し>言う-<〜すべし>-<(軽いものが)>人-<対格>いる-<(重いものが)>禁忌<主格>

    「霧が来たら、人の名を呼ばぬこと。これは禁忌である。」

    季節の言い習わし。霧の中で名前を呼ぶと、下の国にその名前を聞かれるとされる。霧 nébro は重性なので、動詞は -o をとる。当為法は mé で否定し、主語を言わないときは一般の人が主語になるので、軽性の形をとる。vír-「言う」は人の対格をとると「名を呼ぶ」の意味になる。最後の文は、存在の és- と重性の sárvo で「禁忌である」と言う。

    éso flóndo só sárvo

    読み:エーソ フロンド ソー サルヴォ

    és-oflóndosósárvo
    いる-<(重いものが)>岩間道<主格>この<重性>禁忌<主格>

    「この岩間道は禁忌である」

    名詞述語文。動詞の直後の flóndo só が主語、末尾の sárvo が述語名詞。述語名詞は主語に一致せず、名詞としての主格の形のまま置く。儀礼や法文で、その通路が人の通行・使用の禁じられた所であることを告げる言い方。

    na éso þíndel sárvo.

    読み:ナ エーソ シンデル サルヴォ。

    naés-oþíndelsárvo.
    <〜ない>いる-<(重いものが)>星盤<主格>禁忌<主格>

    「星盤は禁忌ではない。」

    作法書や儀礼の説明で用いる名詞述語文。否定の直説法は na を動詞の前に置く。動詞 és- は主語 þíndel の重性単数に合わせて -o を取り、述語名詞 sárvo は主格のまま後に置く。

  2. 禁じられた名

    婉曲に、口にしてはならない名前そのもの。王の名や喪中の死者の名など。

    na vírimor sárvo, lísimor ó.

    読み:ナ ヴィーリモル サルヴォ、リーシモル オー。

    navír-imorsárvo,lís-imoró.
    <〜ない>言う-<我々が>禁じられた名<対格>書く-<我々が><3人称単数・重性>

    「禁じられた名は口にしない。書き記すだけだ。」

    名前の禁忌について説明する文。名前は息の形そのものとされるので、口にしてはならないが、書くのは息を使わないので禁じられない。sárvo はここで、王の名や喪中の死者の名を遠回しに指している。sárvo が重性なので、受ける代名詞も重性の ó になる。

    funeléra lourvirár sárvo sóndelei.

    読み:フネレーラ ロウルヴィラール サルヴォ ソンデレイ。

    funelér-alourvirársárvosóndel-ei.
    書き留める-<(軽いものが)>系譜読み<主格>禁じられた名<対格>書物-<与格>

    「系譜読みは、禁じられた名を書物に書き留める。」

    家の記録の作法を述べた文。死後一年は口にできない名前も、書くことは息を使わないので禁じられず、系譜読みは書き入れておく。重性の sárvo は、主格と対格が同じ形になる。語順は「動詞–主語–目的語–与格」の基本の形。

解説

してはならないこと、口にしてはならないこと。崖から物を投げ落とすこと、星を指さしたり数えたりすること、人をまたぐこと、霧の中で名前を呼ぶこと、死後一年の死者の名前を口にすることなどが sárvo に当たる。破ると「重くなり」、下へ引かれると考えられている。婉曲に、口にしてはならない名前そのものを指すこともある。

文法

重性・o語幹(④型)。主対 sárvo、属 sárvos、与 sárvoi、複 sárvul。

語源

古高原語 *sárv-「触れる」に由来すると考えられる。「触れると下へ引くもの」の意味。

語幹の異形

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