小説
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高原語の文は、まず動詞が来て、そのあとに「誰が」「何を」「誰に」「どこで」が続きます(VSO)。文の種類と身分の差は、最初の動詞と、その前に置かれる小辞でわかります。小辞は否定の na・mé、問いの ké、節の頭の lúin・te・ré などです。動詞の語形を見れば、その文が言い切りか、推し量りか、願いか、命令かがわかります。話し手と聞き手の身分の差も、そこで伝わります。日本語では文の終わりで敬語や文の種類が決まりますが、高原語では文の頭で決まります。
名詞句の中では、中心の名詞が先に来て、飾りの語はすべてその後ろに並びます。「高き座」は aldár áuren、つまり「座・高き」の順です。時間は「川の流れ」として言い表し、前は上手(an)、後は下手(du)です(→ 7.7)。比べるときは「〜より上(an)」「〜より下(du)」と言います(→ 6.9)。高原語の文法は、最後まで縦の軸でできています。
この章と次の章の規則をまとめると、一つの節は左から次の順に並びます。
[ké] [時] [場所] [完了の -in 句] [主題] [疑問詞・対比] [na・mé] 動詞 [相の副詞] 主語 目的語 [与格] [前置詞句・場所・時] [, 未完了の -in 句]
| 位置 | 入るもの | 決まり | 節 |
|---|---|---|---|
| ké | 問いの小辞 | 文のいちばん前 | 6.7.2 |
| 時・場所・-in 句(場面の枠) | anórel、an kórvoi、léisin sáindaran | 外から内へこの順。種類ごとに一つずつ、あわせて三つまで。それぞれ読点で区切る | 6.3.4 |
| 主題 | gandér te sénim, | 読点で区切った名詞句。他動詞の文では既定で目的語、主語なら ó を残す。繋辞の文では主語 | 6.3.5 |
| 疑問詞・対比 | pó・pón、強く対比する語句 | 一つだけ。他動詞の文で前に出した、主格と対格が同じ形の語は既定で目的語 | 6.3.3・6.7.3 |
| na・mé | 否定の小辞 | 動詞の直前 | 6.7.1 |
| 動詞 | 法・人称・性の語尾 | 6.5・第5章 | |
| 相の副詞 | dóulin「もう」、unlóur「まだ」 | 動詞のすぐ後ろ。主語・目的語の枠に数えない | 7.7.3 |
| 主語の枠 | 空けてよい(動詞の語尾でわかる)。前に出した、主格と対格が同じ形の主語は ó を残す | 6.2・6.3.2 | |
| 目的語の枠 | 空けてはいけない(前置き・答えの形・並べた文・目の前の物の命令を除く。目的語を特定しない使い方には枠がない) | 6.3.2 | |
| 与格 | 受け手・持ち主 | 裸の与格は一つだけ | 6.2.1・6.6.2 |
| 前置詞句・場所・時 | an・du・or・vel・un・es・sal+格 | 述語の形容詞のすぐ後ろの an・du+与格は比較 | 6.6.1・6.9 |
| 未完了の -in 句 | vándin fáron | 読点で区切って文の後ろに。背景として場面の枠に置いてもよい | 6.10.3 |
| (関係節のついた名詞句) | lisár te séna senár | 節のいちばん最後に置く。閉じずに伸ばすものは一節に一つだけ。与格・前置詞句はその前に出る。読点は開いている関係節をすべて閉じる | 7.4.5 |
例文の逐語訳では、文をつなぐ次の二つの小辞を < > の呼び名で示します(略号の一覧 → 付録C)。
どちらも接辞ではなく、独立した小さな語です。
存在の「〜がある・いる」と、「AはBだ」の繋辞は同じ動詞 és- なので、逐語訳ではどちらも「いる」と書きます。直説法には法の印がないので、直説法の動詞には人称の語尾の呼び名だけがつきます。
ふつうの語順は V – S – O – 与格(受け手)– 前置詞句・場所・時です。
lísa lisár sáindaran senárei.
読み:リーサ リサール サインダラン セナーレイ。
| lís-a | lis-ár | sáindar-an | sen-ár-ei. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | 証文-<対格> | 見る-<〜する人>-<与格> |
「書記が目付に証文を書く。」
dúlo gandér du dálor
読み:ドゥーロ ガンデール ドゥ ダーロル
| dúl-o | gandér | du | dálor |
| 下る-<(重いものが)> | 硬木<主格> | 下手 | 下の国<対格> |
「硬木が下の国へ下りていく。」
áura selvá an ilánais
読み:アウラ セルヴァー アン イラーナイス
| áur-a | selvá | an | ilán-ais |
| 昇る-<(軽いものが)> | 息<主格> | 上手 | 灯-<〜たちを> |
「息は星々のもとへ昇る。」
lisár は動詞 lís-「書く」に -ár「〜する人」がついた語、senár は sén-「見る」に -ár がついた語です。
双数の動詞(-au)は人称を区別しません。そのため、主語を言わないと誰のことかわかりません。双数では代名詞 dáun や名詞の主語を必ず言い、言っても強調にはなりません。人称をはっきりさせたいときは、複数の代名詞を dáun の前に添えます(némor dáun「我ら二人」、társ dáun「お前たち二人」、élai dáun「あの二人」)。
gélau némor dáun du orén.
読み:ゲーラウ ネーモル ダウン ドゥ オレーン。
| gél-au | némor | dáun | du | orén. |
| 行く-<双数> | <我々> | 二人 | 下手 | 縁<対格> |
「我ら二人は縁へ行く。」
崖道の言葉では双数が衰えていて、双数の主語を人称つきの複数の動詞で受けます。動詞から人称がわかるので、dáun を省けます。都の言葉では、双数の主語には双数の動詞を使います。
áurau sílarau an ilánais.
読み:アウラウ シーララウ アン イラーナイス。
| áur-au | sílar-au | an | ilán-ais. |
| 昇る-<双数> | 月-<双数> | 上手 | 灯-<〜たちを> |
「二つの月が、星々のほうへ昇る。」
áuran sílarau an ilánais.
読み:アウラン シーララウ アン イラーナイス。
| áur-an | sílar-au | an | ilán-ais. |
| 昇る-<彼らが> | 月-<双数> | 上手 | 灯-<〜たちを> |
「二つの月が、星々のほうへ昇る。」
gélimor du orén.
読み:ゲーリモル ドゥ オレーン。
| gél-imor | du | orén. |
| 行く-<我々が> | 下手 | 縁<対格> |
「我ら(二人)は縁へ行く。」
一つめは都の言葉、二つめと三つめは崖道の言葉です。二つめでは名詞は双数のまま、動詞は複数で受けています。
長くて重い成分は、文の後ろへ回します。 重い成分とは、関係節つきの名詞句や「〜と」の節のことです。関係節つきの主語なら、前置詞句を先に出して、主語を文末に置きます。
dúlo du dálor gandér te kéelan kelárai.
読み:ドゥーロ ドゥ ダーロル ガンデール テ ケーラン ケラーライ。
| dúl-o | du | dálor | gandér | te | kéel-an | kel-ár-ai. |
| 下る-<(重いものが)> | 下手 | 下の国<対格> | 硬木<主格> | <関係節> | 伐る<〜し終えた>-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> |
「樵たちが伐り終えた硬木が、下の国へ下りていく。」
関係節は文の終わりか読点まで続くので、du dálor を後ろに置くと関係節の中に入ってしまいます(→ 7.4.7)。
詩では語順がかなり自由になり、主語が動詞の前に出たり、動詞が落ちたりします。会話の中に詩句を引くと、そこだけ語順が「ひっくり返って」聞こえるので、聞き手は引用だと気づきます(詩の韻律と語順 → 第10章)。
動詞の前に置けるのは、次のものだけです。
na・mé は動詞の直前、ké は文のいちばん前に置きます。前に出る語句(疑問詞・対比の語句・節の小辞)がないときは、どちらも文頭に来ます。疑問詞・対比の語句と na・mé の順は 〔疑問詞・対比〕–〔na/mé〕–動詞 です。たとえば「何を量らないのか」は pón na vándes? になります。
動詞の前の並びをまとめると、次のとおりです。
[ké] [場面の枠] [主題] [疑問詞・対比] [na・mé] 動詞 主語 目的語 …
他動詞の文では、動詞の後ろにいつも [主語の枠][目的語の枠] があると考えます。
dulíþo ó.
読み:ドゥリーソ オー。
| dul-íþ-o | ó. |
| 下る-<〜させる>-<(重いものが)> | <3人称単数・重性・対格> |
「(それが)それを下ろす。」
他動詞の文では3人称の目的語を省かないので、単独の ó は目的語です。主語は動詞の語尾 -o でわかるので言いません。自動詞の後ろの ó は、目的語の枠がないので主語です(→ 4.2.4)。
目的語の枠を空けてよいのは、次の場合だけです。
ké líses sáindaran? lísim.
読み:ケー リーセス サインダラン?リーシン。
| ké | lís-es | sáindar-an? | lís-im. |
| <〜か> | 書く-<あなたが> | 証文-<対格> | 書く-<私が> |
「「証文を書くか」「書く」」
lísa lisár sáindaran si lúuma ausenár.
読み:リーサ リサール サインダラン シ ルーマ アウセナール。
| lís-a | lis-ár | sáindar-an | si | lúum-a | au-sen-ár. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | 証文-<対格> | と | ご覧になる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人・主格> |
「書記が証文を書き、目付殿がご覧になる。」
重性の名詞・代名詞・疑問詞のように主格と対格が同じ形の語は、動詞の前に出すと語順の手がかりがなくなります。枠の考え方で、次のように決まります。
fáron dulíþo ílmo.
読み:ファーロン ドゥリーソ イルモ。
| fáron | dul-íþ-o | ílmo. |
| 荷<対格> | 下る-<〜させる>-<(重いものが)> | 水<主格> |
「荷をこそ、水が下ろす。」
gandér dulíþo ó.
読み:ガンデール ドゥリーソ オー。
| gandér | dul-íþ-o | ó. |
| 硬木<対格> | 下る-<〜させる>-<(重いものが)> | <3人称単数・重性・主格> |
「硬木をこそ、それが下ろす。」
ílmo dulíþo ó fáron.
読み:イルモ ドゥリーソ オー ファーロン。
| ílmo | dul-íþ-o | ó | fáron. |
| 水<主格> | 下る-<〜させる>-<(重いものが)> | <3人称単数・重性・主格> | 荷<対格> |
「水こそが、荷を下ろす。」
ó dúlo.
読み:オー ドゥーロ。
| ó | dúl-o. |
| <3人称単数・重性・主格> | 下る-<(重いものが)> |
「ほかでもなく、それが下りていく。」
ó が二つ続くとき。 重性の主語を前に出し、目的語も ó で受けると、主語の枠の ó と目的語の枠の ó が並びます(gandér dulíþo ó ó「硬木こそが、それを下ろす」)。文法上は正しい形ですが、都の人はとくに嫌い、目的語を名詞で言い直します。縁の言葉では一語に縮めて óo と言います。póso「これは何だ」と同じ種類の縮約です。
gandér dulíþo óo.
読み:ガンデール ドゥリーソ オー。
| gandér | dul-íþ-o | óo. |
| 硬木<主格> | 下る-<〜させる>-<(重いものが)> | <3人称単数・重性・NOM+ACC> |
「硬木こそが、それを下ろす。」
疑問詞の既定の読みは方言によって違います。 疑問詞も同じ規則に従いますが、都の言葉では「何を」を pón で言い分けるので、pó は主格です。崖道や縁の言葉では pón を使わないので、pó は既定で目的語として読みます。そのため、pó dulíþo gandér? は、都では「何が硬木を下ろすのか」、崖道では「硬木は何を下ろすのか」と、逆の意味になります。崖道で主語を尋ねるときは、主語の枠に ó を残します(pó dulíþo ó gandér?)。都の役人と崖道の運び人の問答がすれ違う、よくある種です(→ 6.7.3)。
場面の枠には、文全体の場所や時を置きます(an kórvoi「倉の北側では」、anórel「昨日」)。対比ではなく、これから話す場面を示すだけです。後ろに短い切れ目(書き言葉では読点)を入れます。強勢を置いて切れ目なく続ける対比の語句とは、この切れ目で区別します。
an kórvoi, pó éso?
読み:アン コルヴォイ、ポー エーソ?
| an | kórv-oi, | pó | és-o? |
| 上手 | 倉-<与格> | 何<主格> | いる-<(重いものが)> |
「倉の北側には、何があるか。」
ké an kórvoi, éso ílmo klér?
読み:ケー アン コルヴォイ、エーソ イルモ クレール?
| ké | an | kórv-oi, | és-o | ílmo | klér? |
| <〜か> | 上手 | 倉-<与格> | いる-<(重いものが)> | 水<主格> | 冷たい |
「倉の北側では、水は冷たいか。」
anórel, léisa lisár plánan.
読み:アノーレル、レーサ リサール プラーナン。
| anórel, | léis-a | lis-ár | plán-an. |
| 昨日 | 書く<〜し終えた>-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | 帳簿-<対格> |
「昨日、書記は帳簿を書き終えた。」
場面の枠に複数の要素を置くときは、外から内へ、時 → 場所 → -in の句の順に並べます。広い場面から始めて、直前の出来事を経て、動詞にたどり着く順です。それぞれ読点で区切ります。場面の枠に置けるのは、時・場所・-in の句を一つずつ、あわせて三つまでです。
anórel, an kórvoi, léisin sáindaran, méira lisár élan senárei.
読み:アノーレル、アン コルヴォイ、レーシン サインダラン、メーラ リサール エーラン セナーレイ。
| anórel, | an | kórv-oi, | léis-in | sáindar-an, | méir-a | lis-ár | él-an | sen-ár-ei. |
| 昨日 | 上手 | 倉-<与格> | 書く<〜し終えた>-<〜して・〜く> | 証文-<対格> | 与える-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | <3人称単数・軽性>-<対格> | 見る-<〜する人>-<与格> |
「昨日、倉の北側で、証文を書き終えて、書記はそれを目付に渡した。」
「それを」は軽性の証文を受けるので élan です。
名詞句(とくに関係節のついた名詞句)を、読点で区切って前に出すことができます。これから話す「〜は」にあたり、場面の枠の後ろ、疑問詞・対比の前に置きます。
gandér te sénim, dulíþo ílmo.
読み:ガンデール テ セーニン、ドゥリーソ イルモ。
| gandér | te | sén-im, | dul-íþ-o | ílmo. |
| 硬木<対格> | <関係節> | 見る-<私が> | 下る-<〜させる>-<(重いものが)> | 水<主格> |
「私が見た硬木を、水が下ろす。」
gandér te sénim, dulíþo ó ílmo.
読み:ガンデール テ セーニン、ドゥリーソ オー イルモ。
| gandér | te | sén-im, | dul-íþ-o | ó | ílmo. |
| 硬木<主格> | <関係節> | 見る-<私が> | 下る-<〜させる>-<(重いものが)> | <3人称単数・重性・主格> | 水<対格> |
「私が見た硬木が、水を下ろす。」
ké gandér te sénim, dulíþo ílmo?
読み:ケー ガンデール テ セーニン、ドゥリーソ イルモ?
| ké | gandér | te | sén-im, | dul-íþ-o | ílmo? |
| <〜か> | 硬木<対格> | <関係節> | 見る-<私が> | 下る-<〜させる>-<(重いものが)> | 水<主格> |
「私が見た硬木を、水が下ろすのか。」
対比の語句は一つだけ置けます。場面の枠と対比の語句は、同じ文に両方置けます。対比の語句はふつう切れ目なく動詞に続けますが、前に出した名詞句が指示詞 té「あの」で終わるときだけは、té の後ろに区切りの印を打ちます。区切りがないと、関係節の te と読まれるからです(→ 7.4.8)。
lisáran té, séna senár.
読み:リサーラン テー、セーナ セナール。
| lis-ár-an | té, | sén-a | sen-ár. |
| 書く-<〜する人>-<対格> | あの<軽性> | 見る-<(軽いものが)> | 見る-<〜する人・主格> |
「あの書記をこそ、目付が見る。」
名詞句の内部の詳しい規則は第4章で扱います(→ 第4章)。ここでは、文の組み立てにかかわる並び順と、その読み分けをまとめます。
〔数詞・量の名詞〕+ 名詞 + 形容詞・分詞 + 属格 + 指示詞・不定の ín + 関係節
dúlo gandér kélen kelárar só du orén.
読み:ドゥーロ ガンデール ケーレン ケラーラル ソー ドゥ オレーン。
| dúl-o | gandér | kél-en | kel-ár-ar | só | du | orén. |
| 下る-<(重いものが)> | 硬木<主格> | 伐る-<〜した・〜された> | 伐る-<〜する人>-<〜らの> | この<重性> | 下手 | 縁<対格> |
「樵たちが伐ったこの硬木が、縁へ下りていく。」
分詞は重性・単数・主格なので一致の語尾がありません。分詞の後ろの属格 kelárar は「樵たちによって」の意味です。関係節がないので、重性の指示詞 só が名詞句の終わりの目印になり、du orén は主節にかかります。
sénim plíndo lísen lisáres senáres só.
読み:セーニン プリンド リーセン リサーレス セナーレス ソー。
| sén-im | plíndo | lís-en | lis-ár-es | sen-ár-es | só. |
| 見る-<私が> | 荷札<対格> | 書く-<〜した・〜された> | 書く-<〜する人>-<属格> | 見る-<〜する人>-<属格> | この<重性> |
「私は、書記が書いた目付のこの荷札を見る。」
sénim lónan áurenan sélvanes.
読み:セーニン ローナン アウレナン セルヴァネス。
| sén-im | lón-an | áur-en-an | sélvan-es. |
| 見る-<私が> | 柱の木-<対格> | 昇る-<〜した・〜された>-<対格> | セルヴァン-<属格> |
「私はセルヴァンの高い柱の木を見る。」
éso fáron némes gróm.
読み:エーソ ファーロン ネーメス グローン。
| és-o | fáron | ném-es | gróm. |
| いる-<(重いものが)> | 荷<主格> | <私>-<属格> | 重い |
「私の荷は重い。」
éso fáron gróm némes só.
読み:エーソ ファーロン グローン ネーメス ソー。
| és-o | fáron | gróm | ném-es | só. |
| いる-<(重いものが)> | 荷<主格> | 重い | <私>-<属格> | この<重性> |
「この、私の重い荷がある。」
éso ílmo klér ín an kórvoi.
読み:エーソ イルモ クレール イーン アン コルヴォイ。
| és-o | ílmo | klér | ín | an | kórv-oi. |
| いる-<(重いものが)> | 水<主格> | 冷たい | 一 | 上手 | 倉-<与格> |
「倉の北側に、冷たい水がある。」
sán fáronul grómul ín an kórvoi.
読み:サーン ファーロヌル グロームル イーン アン コルヴォイ。
| sán | fáron-ul | gróm-ul | ín | an | kórv-oi. |
| いる<彼らが> | 荷-<〜たちが> | 重い-<〜たちが> | 一 | 上手 | 倉-<与格> |
「倉の北側に、重い荷がいくつかある。」
éso ín fáron gróm ín an kórvoi.
読み:エーソ イーン ファーロン グローン イーン アン コルヴォイ。
| és-o | ín | fáron | gróm | ín | an | kórv-oi. |
| いる-<(重いものが)> | 一 | 荷<主格> | 重い | 一 | 上手 | 倉-<与格> |
「倉の北側に、重い荷が一つある。」
動詞は一つの語の中に、法(言い切り・推量・願望・命令・当為・仮定)と、人称・数・性をまとめて持っています。法を表す助動詞は使いません。法はすべて動詞の語形そのもので表します(法の形 → 第5章)。
時制を表す語形はないので、確かでない未来のことは推量法で言います。決まった予定や、必ず起こると話し手が請け合えることは、直説法のままで言います(dórel gélim du orén.「明日、縁へ行く」)。過ぎたことは直説法か完了相で言います(→ 5.1.2)。
「AはBだ」「Aは〜い」も動詞 és- で始めます。順序は és- + 主語 + 述語 です。述語の形容詞は主語に一致します。
ésa lisím sélvanes gléin.
読み:エーサ リシーン セルヴァネス グレーン。
| és-a | lis-ím | sélvan-es | gléin. |
| いる-<(軽いものが)> | 書く-<〜の技・〜さ・主格> | セルヴァン-<属格> | 清い |
「セルヴァンの書法は清い。」
主語の lisím「書法」が軽性なので、繋辞は -a、述語の形容詞 gléin も軽性・主格の形(語尾なし)になります。
諺と詩では és- を落とし、述語を先に置きます:gléin selvá, áuren virá「清きは息、高きは言葉」。ふだんの名詞句は「名詞+形容詞」の順なので、形容詞が先頭に来ると、それだけで「これは格言だ」と伝わります。
述語が名詞のときは、その名詞を自分の性・主格のまま置きます。主語に一致させるのは形容詞だけで、名詞は形を変えません。動詞は主語に一致します。
na éso nébro fléura.
読み:ナ エーソ ネーブロ フレウラ。
| na | és-o | nébro | fléura. |
| <〜ない> | いる-<(重いものが)> | 霧<主格> | 雲 |
「霧は雲ではない。」
動詞は霧に合わせて重性の -o で、雲 fléura は軽性の名詞のままです。
「〜になる」 は wéin- で言い、なったものは対格に置きます。変化を「行き着く先への移動」と見るからです。また、és- の完了 wéir- は「〜であるようになった」で、なった結果の今の状態に重きがあります。
wéinsa ólmar ilánan.
読み:ウェーンサ オルマル イラーナン。
| wéins-a | ólmar | ilán-an. |
| なる<〜し終えた>-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 灯-<対格> |
「年長の方は星になった。」
wéira ólmar senár.
読み:ウェーラ オルマル セナール。
| wéir-a | ólmar | sen-ár. |
| いる<〜し終えた>-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 見る-<〜する人・主格> |
「年長の方は目付になった(今は目付である)。」
一つめは、死後一年が過ぎて昇名が定まった死者について言う言い方です。二つめの述語 senár は主格のまま置かれています。
主語が名詞一語だけだと、名詞を飾る形容詞と述語の形容詞が同じ並びになります。そこで、次の順に読み分けます。
与格を手がかりにするのは 2 の場合だけです。比較の基準や、名詞句の中の与格(ormároi némes「私の左に」の与格など)は、節の与格には数えません。
éso fáron gróm némei.
読み:エーソ ファーロン グローン ネーメイ。
| és-o | fáron | gróm | ném-ei. |
| いる-<(重いものが)> | 荷<主格> | 重い | <私>-<与格> |
「私には重い荷がある。」
éso fáron gróm só némei.
読み:エーソ ファーロン グローン ソー ネーメイ。
| és-o | fáron | gróm | só | ném-ei. |
| いる-<(重いものが)> | 荷<主格> | 重い | この<重性> | <私>-<与格> |
「私には、この重い荷がある。」
éso ílmo klér un kórvoi.
読み:エーソ イルモ クレール ウン コルヴォイ。
| és-o | ílmo | klér | un | kórv-oi. |
| いる-<(重いものが)> | 水<主格> | 冷たい | 内に | 倉-<与格> |
「倉の中に冷たい水がある。」
un kórvoi, éso ílmo klér.
読み:ウン コルヴォイ、エーソ イルモ クレール。
| un | kórv-oi, | és-o | ílmo | klér. |
| 内に | 倉-<与格> | いる-<(重いものが)> | 水<主格> | 冷たい |
「倉の中では、水は冷たい。」
受け身の専用の形はありません。「és- + 主語 + 分詞」で結果の状態を言います(éso gandér kélen「硬木は伐られている」)。誰がしたかを言いたいときは、属格を添えます(kélen kelárar「樵たちに伐られた」)。
「〜できる」を表す語尾はありません。する動詞を副動詞 -in にして、そのすぐ後ろに vúur-「届く」 か þíl-「分かる」 を置きます。
dulíþin vúurimor gandér.
読み:ドゥリーシン ヴーリモル ガンデール。
| dul-íþ-in | vúur-imor | gandér. |
| 下る-<〜させる>-<〜して・〜く> | 届く-<我々が> | 硬木<対格> |
「我々は硬木を下ろせる。」
二つの動詞は意味で使い分けます。
na dulíþin vúuro fúnel gandér du dálor.
読み:ナ ドゥリーシン ヴーロ フーネル ガンデール ドゥ ダーロル。
| na | dul-íþ-in | vúur-o | fúnel | gandér | du | dálor. |
| <〜ない> | 下る-<〜させる>-<〜して・〜く> | 届く-<(重いものが)> | 綱<主格> | 硬木<対格> | 下手 | 下の国<対格> |
「綱は硬木を下の国まで下ろせない。」
lísin þíla endríña lisáis.
読み:リーシン シーラ エンドリーニャ リサイス。
| lís-in | þíl-a | endríña | lis-áis. |
| 書く-<〜して・〜く> | 分かる-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | 字-<〜たちを> |
「その子は字が書ける。」
ké rímbin þíles?
読み:ケー リンビン シーレス?
| ké | rímb-in | þíl-es? |
| <〜か> | 数える-<〜して・〜く> | 分かる-<あなたが> |
「お前は数えられるのか。」
rímbin þílim, salóur na rímbin vúurim sórel.
読み:リンビン シーリン、サロール ナ リンビン ヴーリン ソーレル。
| rímb-in | þíl-im, | salóur | na | rímb-in | vúur-im | sórel. |
| 数える-<〜して・〜く> | 分かる-<私が> | しかし | <〜ない> | 数える-<〜して・〜く> | 届く-<私が> | 今日 |
「数え方は知っているが、今日は数えられない。」
| 形 | 完了を置く動詞 | 意味 |
|---|---|---|
| dulíþin vúursimor | 後ろ(vúur-) | 下ろせた(実際に下ろすことができた。手が届いた) |
| dulíþin vúurimor dóulin | なし(相の副詞) | もう下ろせる(下ろせるようになった) |
| doulíþin vúurimor | 前(dulíþ- の完了 doulíþ-) | 下ろし終えることができる |
「és- + 主語 + 場所」で言います。場所は与格か、前置詞+与格で表します(éso nébro an orénoi.「縁の上手に霧がある」)。動詞の後ろに与格があるので、形容詞があってもそれは名詞を飾るものと読みます(→ 6.5.3)。
場所も持ち主も言わない存在文は、閉じの目印があればそのままで成り立ちます。éso fáron gróm némes só.「この、私の重い荷がある」では、só が名詞句を閉じているので、gróm は名詞を飾るものと決まり、文は存在の文になります(→ 6.5.3 の 1)。閉じの目印も場所もなく、述語の形容詞の文と紛れるときだけ、un méndalei「中の世界に(この世に)」を添えます。éso fáron gróm. のままでは「荷は重い」としか読めないからです。生きている人の住む世界を「中」と呼ぶ高原の世界観から来た言い方です。くだけた言葉では séndoi「ここに」で代えます。
éso fáron gróm un méndalei.
読み:エーソ ファーロン グローン ウン メンダレイ。
| és-o | fáron | gróm | un | méndal-ei. |
| いる-<(重いものが)> | 荷<主格> | 重い | 内に | 中-<与格> |
「重い荷がある(この世にある)。」
新しいものを紹介する存在の文では、名詞句を不定の ín で閉じます(→ 6.4)。
前置詞は組む格で意味が変わります。 対格なら「〜へ」、与格なら「〜で」、属格なら「〜から」です(前置詞の一覧 → 第4章)。an(上手)・du(下手)・or(日の出側)・vel(日の入り側)と同じく、un「〜の中」も、対格なら「〜の中へ」、与格なら「〜の中で」(un kórvoi)、属格なら「〜の中から」になります。sal「〜の外に」も同じです。es「〜から」だけは属格としか組みません。
gélim un kórvo.
読み:ゲーリン ウン コルヴォ。
| gél-im | un | kórvo. |
| 行く-<私が> | 内に | 倉<対格> |
「私は倉の中へ行く。」
tóra éndra un kórvos.
読み:トーラ エンドラ ウン コルヴォス。
| tór-a | éndra | un | kórv-os. |
| 来る-<(軽いものが)> | 人<主格> | 内に | 倉-<属格> |
「人が倉の中から来る。」
an は北か、高い方か。 高原はふつう北ほど高いので、二つは重なります。ずれるのは、北へ下る斜面のような場所です。
dúlim an dún.
読み:ドゥーリン アン ドゥーン。
| dúl-im | an | dún. |
| 下る-<私が> | 上手 | 丘<対格> |
「私は丘の北側へ下る。」
方角と左右。 地形や道案内は絶対方位(an 上手・du 下手・or 日の出側・vel 日の入り側)で言います。いっぽう、体・家の中・宮廷の並び・書き物の上では、左右 ormár「左(日の出の手)」・velmár「右(日の入りの手)」を使います。北の上座から南を見下ろす姿勢を基準に生まれた語で、今はどちらを向いていても体の左右を指します。「〜の左に」は与格の後ろに持ち主の属格を置きます。左のほうが尊い側とされ、位の高い人を左に置きます。
ésa endríña ormároi némes.
読み:エーサ エンドリーニャ オルマーロイ ネーメス。
| és-a | endríña | ormár-oi | ném-es. |
| いる-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | 左-<与格> | <私>-<属格> |
「子どもは私の左にいる。」
高原語には「持つ」という動詞がありません。持ち主は与格で言います。
éso fáron némei.「私には荷がある」(逐語訳:ある・荷が・私に)
éso sáko némei un kórvoi.
読み:エーソ サーコ ネーメイ ウン コルヴォイ。
| és-o | sáko | ném-ei | un | kórv-oi. |
| いる-<(重いものが)> | 塩<主格> | <私>-<与格> | 内に | 倉-<与格> |
「私には倉の中に塩がある。」
所有の問いと答えでは、動詞が物に一致しているので、答えの動詞は人称を変えません(→ 6.7.2)。
mé vír sélvanan nébroi!
読み:メー ヴィール セルヴァナン ネーブロイ!
| mé | vír | sélvan-an | nébr-oi! |
| <禁止・願いの打ち消し> | 言う<命令法><あなたが> | セルヴァン-<対格> | 霧-<与格> |
「霧の中で、セルヴァンの名を呼ぶな。」
名前を vír-「言う」の目的語にすると、「名を呼ぶ」の意味になります。霧の中で名前を呼んではいけない、という禁忌の言い方です。
éso dún náuren.
読み:エーソ ドゥーン ナウレン。
| és-o | dún | n-áur-en. |
| いる-<(重いものが)> | 丘<主格> | <〜ない>-昇る-<〜した・〜された> |
「丘は高からぬ(低い)。」
na éso ílmo nagléin.
読み:ナ エーソ イルモ ナグレーン。
| na | és-o | ílmo | na-gléin. |
| <〜ない> | いる-<(重いものが)> | 水<主格> | <〜ない>-清い |
「水は清からぬものではない(悪くない水だ)。」
ké éso tambór tásei? na éso tambór némei.
読み:ケー エーソ タンボール ターセイ?ナ エーソ タンボール ネーメイ。
| ké | és-o | tambór | tás-ei? | na | és-o | tambór | ném-ei. |
| <〜か> | いる-<(重いものが)> | 雑穀<主格> | <あなた>-<与格> | <〜ない> | いる-<(重いものが)> | 雑穀<主格> | <私>-<与格> |
「「お前、雑穀はあるか?」「私には雑穀はない。」」
ké gélau társ dáun du orén? gélau.
読み:ケー ゲーラウ タルス ダウン ドゥ オレーン?ゲーラウ。
| ké | gél-au | társ | dáun | du | orén? | gél-au. |
| <〜か> | 行く-<双数> | <あなたがた> | 二人 | 下手 | 縁<対格> | 行く-<双数> |
「「お前たち二人は縁へ行くのか」「行く」」
ké an kórvoi, éso ílmo klér? éso.
読み:ケー アン コルヴォイ、エーソ イルモ クレール?エーソ。
| ké | an | kórv-oi, | és-o | ílmo | klér? | és-o. |
| <〜か> | 上手 | 倉-<与格> | いる-<(重いものが)> | 水<主格> | 冷たい | いる-<(重いものが)> |
「「倉の北側では、水は冷たいか」「冷たい」」
双数の動詞は人称で形が変わらないので、「お前たち二人」と聞かれて「我ら二人」と答えるときも gélau のままです。所有の問いの éso と同じく、動詞の形が変わらない答えの例です。
疑問詞も名詞と同じように格で形が変わり、文の先頭(場面の枠と主題の後ろ)に出ます。
| 主格 | 対格 | 属格 | 与格 | |
|---|---|---|---|---|
| pá「誰」(軽性) | pá | pán | pés | péi |
| pó「何」(重性) | pó | pón(前置詞の後ろでは pó) | pós | pói |
pá éses? es pós tóres?
読み:パー エーセス?エス ポース トーレス?
| pá | és-es? | es | pós | tór-es? |
| 誰<述語><主格> | いる-<あなたが> | から | 何<属格> | 来る-<あなたが> |
「お前は誰だ。どこから来た?(なぜ来た?)」
pán þéles? þélim sélvanan.
読み:パーン セーレス?セーリン セルヴァナン。
| pán | þél-es? | þél-im | sélvan-an. |
| 誰<対格> | 名乗る-<あなたが> | 名乗る-<私が> | セルヴァン-<対格> |
「「何と名乗る?」「セルヴァンと名乗る。」」
どちらも2人称を使っているので、下向きの問いです。一つめの pá は、主語(2人称の「お前」。動詞の語尾 -es が示す)ではなく、「お前は誰だ」の「誰」にあたる述語の名詞です。述語の名詞は主格で置くので(→ 6.5.2)、逐語訳では <述語> を添えて主語と区別します。名は軽性なので、目的語では対格 -an がつきます。
「何が」と「何を」は pó と pón で言い分けます。 重性の名詞は主格と対格が同じ形なので、疑問詞が前に出ると、残った名詞が主語か目的語かを語順では決められません。そこで目的語を尋ねるときは対格 pón を使います。
pón dulíþo gandér?
読み:ポーン ドゥリーソ ガンデール?
| pón | dul-íþ-o | gandér? |
| 何<対格> | 下る-<〜させる>-<(重いものが)> | 硬木<主格> |
「硬木は何を下ろすのか。」
pó dulíþo gandér?
読み:ポー ドゥリーソ ガンデール?
| pó | dul-íþ-o | gandér? |
| 何<主格> | 下る-<〜させる>-<(重いものが)> | 硬木<対格> |
「何が硬木を下ろすのか。」
目上の人がからむ問いでは、話し手・聞き手・話題の人の三者の関係で言い方が決まります。
| 聞き手 | 話題の人 | 言い方 |
|---|---|---|
| 目上の人本人 | 聞き手その人 | ké を使わず、推量法の動詞で事柄を推し量る。疑問詞は使わない |
| 同輩・目下 | 目上の人 | 話題の人を au- の3人称で言い、推量法にする。疑問詞を使ってよい |
| 目上の人 | さらに別の目上の人 | 謙譲の dupovér-「お尋ねいたします」+ré で、問いを包んで差し出す |
gloiréla aulisár es orénos
読み:グロイレーラ アウリサール エス オレーノス
| gloir-él-a | au-lis-ár | es | orén-os |
| お越しになる-<〜だろう>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-書く-<〜する人・主格> | から | 縁-<属格> |
「書記の方は縁からお越しになったのでしょうか。」
du pó fleiréla ausenár?
読み:ドゥ ポー フレイレーラ アウセナール?
| du | pó | fleir-él-a | au-sen-ár? |
| 下手 | 何<対格> | お出ましになる-<〜だろう>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人・主格> |
「目付殿は、下手のどちらへお出ましになるのでしょうか。」
二つめの例は、目付殿本人に向けた問いではありません。目付殿の行き先を、同輩や目下の者に尋ねる文です。話題の目付殿には au- と尊敬の補充動詞で敬意を払い、聞き手が目上ではないので、疑問詞 du pó を使えます。
目上の人に「なぜ」と尋ねるのは子どもっぽく、失礼とされます。そこで es pós は目上の人には使わず、推量法で事柄だけを尋ねます。
目上の人には、疑問詞で直接は尋ねません。 「なぜ」に限らず、「何を」「どこへ」も、目上の人にじかに向けると詰問に聞こえます。目上の人本人には、推量法の動詞で事柄を推し量る形で尋ねます。
目上の聞き手に、さらに別の目上の人のことを疑問詞で尋ねなければならないときは、謙譲の「お尋ねいたします」dupovér- の後ろに ré で問いを置き、問いを「お尋ねしたい事柄」として差し出します(dupovérim aulisárei ré du pó fleiréla ausenár「書記の方にお尋ねいたします。目付殿は下手のどちらへお出ましになったのでしょうか」)。
否定の範囲。 na は、原則として、その節の述語の内容を打ち消します。後ろにある時や場所の語句まで打ち消すわけではありません(na lísa lisár plánan anórel. は「書記は昨日、帳簿を書かなかった」で、「昨日ではない」ではありません)。数量の語と組み合わせたときは、語によって打ち消し方が決まります。
| 言いたいこと | 言い方 | 例 |
|---|---|---|
| 人の全部の否定(誰も〜ない) | na + 動詞 … páin「誰か」 | na tóra páin kelárar.「樵は誰も来なかった」 |
| 物の全部の否定(何も〜ない) | na + 動詞 … póin「何か」 | na éso póin un kórvoi.「倉の中には何もない」 |
| 部分の否定(みなが〜したわけではない) | na + 動詞 … ómbra「みな」 | na tóran ómbra kelárar.「樵がみな来たわけではない」 |
| 全部の否定を強く言う | 対比の位置に ómbra を出してから na | ómbra kelárar na tóran.「樵はみな、来なかった」 |
na tóra páin kelárar.
読み:ナ トーラ パイン ケラーラル。
| na | tór-a | páin | kel-ár-ar. |
| <〜ない> | 来る-<(軽いものが)> | 誰も<主格> | 伐る-<〜する人>-<〜らの> |
「樵は誰も来なかった。」
na tóran ómbra kelárar.
読み:ナ トーラン オンブラ ケラーラル。
| na | tór-an | ómbra | kel-ár-ar. |
| <〜ない> | 来る-<彼らが> | みな<主格> | 伐る-<〜する人>-<〜らの> |
「樵がみな来たわけではない。」
páin・póin は na と組むと全部の否定に、ómbra は na と組むと部分の否定(「来なかった者もいる」)になります。ómbra を動詞の前の対比の位置に出すと、「みなについて、来なかった」という全部の否定を強く言う形になります。
取り立ての小辞。 「だけ」「も」は、名詞句のすぐ後ろに小辞を置いて言います。どちらも名詞句の格を変えません。主語を取り立てるときは、主語を必ず言います。
| 小辞 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| inlóur | 〜だけ(ほかを除く。字義「一つの瀬に」) | tóra lisár inlóur.「書記だけが来た」 |
| silóur | 〜も(ほかと並べる。字義「同じ瀬に並んで」) | tóra lisár silóur.「書記も来た」 |
| 対比の位置 + silóur | 〜さえ(いちばんありそうにないものまで並べる) | lisár silóur tóra.「書記さえ来た」 |
tóra lisár inlóur.
読み:トーラ リサール インロール。
| tór-a | lis-ár | inlóur. |
| 来る-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | だけ |
「書記だけが来た。」
lísa lisár sáindaran inlóur.
読み:リーサ リサール サインダラン インロール。
| lís-a | lis-ár | sáindar-an | inlóur. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | 証文-<対格> | だけ |
「書記は証文だけを書いた。」
lisár silóur tóra.
読み:リサール シロール トーラ。
| lis-ár | silóur | tór-a. |
| 書く-<〜する人・主格> | も | 来る-<(軽いものが)> |
「書記さえ来た。」
同じ「この帳簿を見て」という頼みでも、相手との段の差によって、言い方が四通りに分かれます。
| 場 | 形 | 例 |
|---|---|---|
| 下向き(相手が下) | 命令法・2人称 | sén plánan sé! |
| 並び(同じ段) | 願望法・2人称 | senéndes plánan sé.「見てくれぬか」 |
| 上向き(相手が上) | 願望法・3人称。相手は役職名+au-、動詞は補充形 | luuménde ausenár plánan sé. |
| 縁の市 | むき出しの語幹+格語尾なし+ende | sén plána, ende. |
luuménde ausenár plánan sé.
読み:ルーメンデ アウセナール プラーナン セー。
| luum-énd-e | au-sen-ár | plán-an | sé. |
| ご覧になる-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人・主格> | 帳簿-<対格> | この<軽性> |
「目付殿に、この帳簿をご覧いただきたく存じます。」
aulisénde aulisár sáindaran
読み:アウリセンデ アウリサール サインダラン
| au-lis-énd-e | au-lis-ár | sáindar-an |
| <お〜になる・御〜>-書く-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-書く-<〜する人・主格> | 証文-<対格> |
「書記の方に、証文をお書きいただきたく存じます。」
同じ用件を、縁の市の言葉と都の手代の改まった言葉で言い比べると、次のようになります。
ván fáron, ende
読み:ヴァーン ファーロン、エンデ
| ván | fáron, | ende |
| 量る<命令法><あなたが> | 荷<対格> | どうぞ |
「荷を量ってくれ、頼む。」
aubandénde ausenár fáron
読み:アウバンデンデ アウセナール ファーロン
| au-band-énd-e | au-sen-ár | fáron |
| <お〜になる・御〜>-量る-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人・主格> | 荷<対格> |
「目付殿に、荷をお量りいただきたく存じます。」
vánd- をむき出しの語幹で言うと、語末の nd が n に削られて ván になります。au- と v- がくっつくと aub- になります(→ 第8章・第10章)。
sén, senéndes plánan sé.
読み:セーン、セネンデス プラーナン セー。
| sén, | sen-énd-es | plán-an | sé. |
| 見る<命令法><あなたが> | 見る-<〜しますように>-<あなたが> | 帳簿-<対格> | この<軽性> |
「見ろ……いや、この帳簿を見てくれぬか。」
最初の sén は市のむき出しの語幹と同じ形ですが、格語尾つきの plánan と指示詞 sé が続き、ende がないので、市の言葉ではなく命令法だとわかります。
比べるときも高さで言います。
ésa lóna áuren an pélsei.
読み:エーサ ローナ アウレン アン ペルセイ。
| és-a | lóna | áur-en | an | péls-ei. |
| いる-<(軽いものが)> | 柱の木<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | 上手 | 脂の木-<与格> |
「柱の木は脂の木より高い。」
立っている木なので、柱の木は軽性です。
éso ílmo klér an kórvoi.
読み:エーソ イルモ クレール アン コルヴォイ。
| és-o | ílmo | klér | an | kórv-oi. |
| いる-<(重いものが)> | 水<主格> | 冷たい | 上手 | 倉-<与格> |
「水は倉より冷たい。」
an kórvoi, éso ílmo klér.
読み:アン コルヴォイ、エーソ イルモ クレール。
| an | kórv-oi, | és-o | ílmo | klér. |
| 上手 | 倉-<与格> | いる-<(重いものが)> | 水<主格> | 冷たい |
「倉の北側では、水は冷たい。」
名詞を飾る形容詞の比較。 比較の句は、それがかかる形容詞のすぐ後ろに置きます。名詞を飾る形容詞の比較なら、比較の句も名詞句の中に入り、その後ろで指示詞か ín が名詞句を閉じます。閉じの目印を越えて形容詞と結びつくことはできないので、閉じの後ろの an・du+与格は、もう比較ではありません(→ 4.6.3)。
| 並び | 比較の句がかかるもの | 例 |
|---|---|---|
| 名詞+形容詞+比較+閉じ | 名詞を飾る形容詞 | lónan áurenan an pélsei ín「脂の木より高い、ある柱の木を」 |
| 名詞+形容詞+閉じ+an・du+与格 | (比較ではない)文の場所 | ílmo klér ín an kórvoi「倉の北側に、冷たい水が」 |
| 名詞+述語の形容詞+比較 | 述語の形容詞 | ésa lóna áuren an pélsei.「柱の木は脂の木より高い」 |
sénim lónan áurenan an pélsei ín.
読み:セーニン ローナン アウレナン アン ペルセイ イーン。
| sén-im | lón-an | áur-en-an | an | péls-ei | ín. |
| 見る-<私が> | 柱の木-<対格> | 昇る-<〜した・〜された>-<対格> | 上手 | 脂の木-<与格> | 一 |
「脂の木より高い柱の木が見える。」
時の句(an nébroi「霧の前に」)は場面の枠か文の後ろに置き、述語の形容詞のすぐ後ろには置かないので、比較の読みとはぶつかりません(→ 7.7)。
文法の規則は一つです。その性質の程度がまさるなら an、劣るなら du です。「より重い」は、重さの程度がまさるので an で言います。
éso gandér gróm an lónei.「硬木は柱の木より重い」
ただし、an には「上へ」という、ほめる響きがつきまといます。そのため、「重い」「濁った」のような下向きの性質を an で比べると、「上手に重い」と、ちぐはぐで皮肉な響きになります。
「AとB」は A si B と言います。si には強勢がなく、後ろの語に寄りかかって発音されます。
動詞の数。
並べた主語の人称。 三つ以上を並べて複数で受けるとき(崖道では二つでも)、動詞の人称は 1人称>2人称>3人称 の順に優先します。
gélimor ném si sélvan si silára du orén.
読み:ゲーリモル ネーン シ セルヴァン シ シラーラ ドゥ オレーン。
| gél-imor | ném | si | sélvan | si | silára | du | orén. |
| 行く-<我々が> | <私> | と | セルヴァン<主格> | と | シラーラ<主格> | 下手 | 縁<対格> |
「私とセルヴァンとシラーラは縁へ行く。」
gélers tás si sélvan si silára du orén.
読み:ゲーレルス タース シ セルヴァン シ シラーラ ドゥ オレーン。
| gél-ers | tás | si | sélvan | si | silára | du | orén. |
| 行く-<あなたがたが> | <あなた> | と | セルヴァン<主格> | と | シラーラ<主格> | 下手 | 縁<対格> |
「お前とセルヴァンとシラーラは縁へ行く。」
並べた主語の性。 形容詞・分詞・指示詞・代名詞は、人が一人でも含まれれば軽性、物どうしならいちばん近い語の性に合わせます(→ 第3章)。動詞は双数・複数とも性を区別しません。
ésau éndra si fáron káilau.
読み:エーサウ エンドラ シ ファーロン カイラウ。
| és-au | éndra | si | fáron | káil-au. |
| いる-<双数> | 人<主格> | と | 荷<主格> | 乾いた-<双数> |
「人と荷は乾いている。」
目上の人を並べるとき。
fléira aulisár si tóra faronár.
読み:フレーラ アウリサール シ トーラ ファロナール。
| fléir-a | au-lis-ár | si | tór-a | faron-ár. |
| お出ましになる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-書く-<〜する人・主格> | と | 来る-<(軽いものが)> | 荷-<〜する人・主格> |
「書記の方がお出ましになり、運び人も来る。」
文と文をつなぐ小辞は、二つめの文の頭に置きます(文1, 小辞 文2)。疑問の ké、疑問詞、前に出した対比の語句、na・mé は、すべてその後ろに来ます。
| 小辞 | 意味 | 字義・成り立ち | 強勢 |
|---|---|---|---|
| si | そして(並列) | 名詞の「と」と同じ語 | なし |
| duói | それから(継起) | du「下手」+ ói「それに」:「それの下手で」 | あり |
| salóur | しかし(逆接) | sal「〜の外に」+ lóur「瀬」:「瀬の外に」 | あり |
| orvél | または(選択) | or「日の出側」+ vel「日の入り側」 | あり |
| esós | だから(理由・結果) | es「から」+ ós「それの」:「それから」 | あり |
si は二つの出来事を同じ高さに並べます。強勢がなく、前に切れ目も入りません。同じ目的語を受ける二つめの文では、目的語の枠を空けてかまいません(→ 6.3.2)。
lísa lisár sáindaran si lúuma ausenár.
読み:リーサ リサール サインダラン シ ルーマ アウセナール。
| lís-a | lis-ár | sáindar-an | si | lúum-a | au-sen-ár. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | 証文-<対格> | と | ご覧になる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人・主格> |
「書記が証文を書き、目付殿がご覧になる。」
duói は、前の出来事を上手、後の出来事を下手に置いて、順序をはっきりさせます。時の流れを重いものと見るので、前の文全体を重性の ó で受けています。年代記を読み上げるときや、系譜を唱えるときの改まった響きもあります。くだけた言葉では dói と縮みます。
léisa lisár plánan, duói dúlo fáron du orén.
読み:レーサ リサール プラーナン、ドゥオイ ドゥーロ ファーロン ドゥ オレーン。
| léis-a | lis-ár | plán-an, | duói | dúl-o | fáron | du | orén. |
| 書く<〜し終えた>-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | 帳簿-<対格> | それから | 下る-<(重いものが)> | 荷<主格> | 下手 | 縁<対格> |
「書記が帳簿を書き終え、それから荷が縁へ下りていく。」
salóur は、前の文と同じ流れの内にとどまらず、別の流れへ移ることを表します。「まだ」unlóur「同じ瀬の内に」と裏返しの作りです。強勢があり、後ろに短い切れ目が入ります。
áura selvá, salóur dúlo ílmo.
読み:アウラ セルヴァー、サロール ドゥーロ イルモ。
| áur-a | selvá, | salóur | dúl-o | ílmo. |
| 昇る-<(軽いものが)> | 息<主格> | しかし | 下る-<(重いものが)> | 水<主格> |
「息は昇る。しかし、水は下る。」
orvél は、上下をつけずに二つを並べる選択です。上手・下手で言うと片方を低く見る響きになるので、東西の語で言います。
ké lísa lisár sáindaran, orvél lísa fléilan?
読み:ケー リーサ リサール サインダラン、オルヴェール リーサ フレーラン?
| ké | lís-a | lis-ár | sáindar-an, | orvél | lís-a | fléil-an? |
| <〜か> | 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | 証文-<対格> | または | 書く-<(軽いものが)> | 手紙-<対格> |
「書記は証文を書くのか、それとも手紙を書くのか。」
esós は、前の文を源(理由)として、後ろの文が流れ下って出てくる結果を言います。問いの es pós「なぜ(何から)」と答えの esós が対になります。目上の人の行いの理由を esós で言い切るのは無礼なので、後ろの文を推量法にします。
éso nébro an orénoi, esós na sénimor ilánais.
読み:エーソ ネーブロ アン オレーノイ、エソース ナ セーニモル イラーナイス。
| és-o | nébro | an | orén-oi, | esós | na | sén-imor | ilán-ais. |
| いる-<(重いものが)> | 霧<主格> | 上手 | 縁-<与格> | だから | <〜ない> | 見る-<我々が> | 灯-<〜たちを> |
「縁の上手に霧がある。だから、我々には星が見えない。」
二つの文の主語が同じときは、前の文の動詞を副動詞 -in にしてつなげます(副動詞の形 → 第5章)。
léisin sáindaran, méirim élan senárei.
読み:レーシン サインダラン、メーリン エーラン セナーレイ。
| léis-in | sáindar-an, | méir-im | él-an | sen-ár-ei. |
| 書く<〜し終えた>-<〜して・〜く> | 証文-<対格> | 与える-<私が> | <3人称単数・軽性>-<対格> | 見る-<〜する人>-<与格> |
「証文を書き終えて、それを目付に渡す。」
vándin fáron, lísa lisár plánan.
読み:ヴァンディン ファーロン、リーサ リサール プラーナン。
| vánd-in | fáron, | lís-a | lis-ár | plán-an. |
| 量る-<〜して・〜く> | 荷<対格> | 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | 帳簿-<対格> |
「荷を量りながら、書記は帳簿を書く。」
置き場所。 完了の -in は場面の枠に置きます。先に起きたことを先に言う順です。未完了の -in は文の後ろに置くのが基本で、同時に起きていることの説明になります。背景として場面の枠に置いてもかまいません。どちらの場合も読点で区切り、-in の句の目的語はその句の中に置きます。そのため、-in の句は主語・目的語の枠には数えません。
lísa lisár plánan, vándin fáron.
読み:リーサ リサール プラーナン、ヴァンディン ファーロン。
| lís-a | lis-ár | plán-an, | vánd-in | fáron. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | 帳簿-<対格> | 量る-<〜して・〜く> | 荷<対格> |
「書記は荷を量りながら、帳簿を書く。」
否定。 「〜せずに」は、-in の動詞の前に na を置きます。
na vándin fáron, lísa lisár plánan.
読み:ナ ヴァンディン ファーロン、リーサ リサール プラーナン。
| na | vánd-in | fáron, | lís-a | lis-ár | plán-an. |
| <〜ない> | 量る-<〜して・〜く> | 荷<対格> | 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | 帳簿-<対格> |
「荷を量らずに、書記は帳簿を書く。」
同じ主語は、文法上の主語で数えます。 所有の文の文法上の主語は持たれている物なので、その後に「私が〜する」を -in でつなぐことはできず、duói を使います。縁のくだけた言葉では、持ち主も主語として数えて -in でつなぐことがありますが、都では誤りとされます。
wéiro sáko némei, duói méirim ó endríñei.
読み:ウェーロ サーコ ネーメイ、ドゥオイ メーリン オー エンドリーニェイ。
| wéir-o | sáko | ném-ei, | duói | méir-im | ó | endríñ-ei. |
| いる<〜し終えた>-<(重いものが)> | 塩<主格> | <私>-<与格> | それから | 与える-<私が> | <3人称単数・重性・対格> | 子ども-<与格> |
「私は塩を手に入れ、それから子どもにそれをやる。」
主語が違うときは、lúin「〜とき」(→ 7.5)や duói でつなぎます。
形容詞に -in をつけると、文を飾る副詞になります。
lísa lisár plánan gléinin.
読み:リーサ リサール プラーナン グレーニン。
| lís-a | lis-ár | plán-an | gléin-in. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | 帳簿-<対格> | 清い-<〜して・〜く> |
「書記は帳簿を清く書く。」
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