þúnd-

品詞
動詞
意味
裁く
辞書形
þúnda
発音
[ˈθunda]
読み
スンダ
分野
社会・信仰・儀礼

意味

  1. 裁く

    法と証文に照らして揉め事を裁定する。

    þúnda senár lúdro vándos.

    読み:スンダ セナール ルードロ ヴァンドス。

    þúnd-asen-árlúdrovánd-os.
    裁く-<(軽いものが)>見る-<〜する人>偽り<対格>秤-<属格>

    「市の目付は秤の偽りを裁く。」

    縁の市で、秤の不正のような揉め事を言うときの言い方。lúdro は口にした嘘だけでなく、秤や印のごまかしにも使う。属格 vándos「秤の」は名詞の後ろに置く。vándo「秤」は強勢が語根にある例外的な o語幹名詞。

    þundésa senár grúndo kéndoros orénos.

    読み:スンデーサ セナール グルンド ケンドロス オレーノス。

    þund-és-asenárgrúndokéndor-osorén-os.
    裁く-<〜すべし>-<(軽いものが)>目付<主格>掛け<対格>縁の市-<属格>縁-<属格>

    「目付は縁の市の掛け(の揉め事)を裁くべし。」

    碑文の文体の当為法。碑文や法典では、役職を au- をつけずに一般の名として書く。senár は軽性なので、当為法の動詞も軽性の -a をとる。

    auþundénde ausenár es sáindares sé.

    読み:アウスンデンデ アウセナール エス サインダレス セー。

    au-þund-énd-eau-sen-áressáindar-essé.
    <お〜になる・御〜>-裁く-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人>から証文-<属格>この<軽性>

    「目付殿に、この証文に照らしてお裁きいただきたく存じます。」

    目上の役人に裁きを願い出るときの上向きの話し方。命令法を使わず、願望法の3人称で言い、目の前の相手を役職名に au- をつけて呼ぶ。es+属格は出どころを表し、ここでは裁きのよりどころを示す。

    þúnda senár grúndo faronárar.

    読み:スンダ セナール グルンド ファロナーラル。

    þúnd-asen-árgrúndofaron-ár-ar.
    裁く-<(軽いものが)>見る-<〜する人・主格>掛け<対格>荷-<〜する人>-<〜らの>

    「目付は運び人たちの掛けをめぐる揉め事を裁く。」

    縁の市の慣行を述べる文。grúndo「掛け」は重性の o語幹なので、対格も主格と同じ形になる。属格 faronárar は名詞の後ろに置く。

    þúnda þundár þondán.

    読み:スンダ スンダール ソンダーン。

    þúnd-aþund-árþond-án.
    裁く-<(軽いものが)>裁く-<〜する人・主格>誓い-<対格>

    「法官が約束を裁く。」

  2. 決着をつける

    市で、秤で量って言い争いを収める。

    auþundénde ausenár grúndo.

    読み:アウスンデンデ アウセナール グルンド。

    au-þund-énd-eau-sen-árgrúndo.
    <お〜になる・御〜>-決着をつける-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人・主格>掛け<対格>

    「目付殿に、掛けの決着をつけていただきたく存じます。」

    市で揉め事が起きたとき、都の手代が目付に頼む上向きの言い方。命令の代わりに願望法の3人称を使い、目の前の相手を役職名+au- の主語として扱う。

    þundéla senár grúndo, na gruunéimor.

    読み:スンデーラ セナール グルンド、ナ グルーネーモル。

    þund-él-asen-árgrúndo,nagruun-é-imor.
    決着をつける-<〜だろう>-<(軽いものが)>見る-<〜する人・主格>掛け<対格><〜ない>怒る-<〜だろう>-<我々が>

    「目付が掛けの決着をつけてくれよう。そうなれば我々も腹を立てずにすむ。」

    市で言い争う二人をなだめるときの、並びの話し方。senár は軽性なので、動詞は軽性の -a をとる。後半の推量法は na で否定し、1人称の語尾の前では -él- の l が落ちる。

解説

揉め事や訴えを裁く。書の司の法官や市の目付が、書かれた法と証文に照らして行う。対格で裁く事柄や人をとる。市では、秤で量って決着をつけることもこの語で言う。

そのほかの用例

þúndim lirkrunó.

読み:スンディン リルクルノー。

þúnd-imlirkrunó.
削る-<私が>糸巻き<対格>

「私は糸巻きの小棒を削る。」

道具作り・職人の場面。sense 2 の「糸巻き用の小棒」を、硬木ではなく軽い木などから削って作る意味。語尾が付く形では語根 þúnd- の nd を保ち、þúndim となる。lirkrunó は単数対格で無標。

flóra þundár dulfáron.

読み:フローラ スンダール ドゥルファーロン。

flór-aþund-árdulfáron.
裁定する-<(軽いものが)>法官-<〜する人>下ろし荷<対格>

「法官が下ろし荷について裁定する。」

揉め事や争いに対して結論を出す用法。主語 þundár「法官」、目的語 dulfáron「下ろし荷」。重性の単数対象で、対格は主格と同形。

文法

他動詞。完了語根 þóund-(u→ou)。命令形2単は語末の nd が n に削られて þún!。尊敬形 auþúnd-、謙譲形 duþúnd-。

語源

語源未詳。日本語話者は語頭の þ を「ス」と聞きやすい。

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