小説
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頭巾(婉曲・改まった表現)
頭と首を包む装具を、名(息の形)を覆う布にたとえて呼ぶ表現。宮廷・改まった場・詩に用いる。
na pléla sélvan þelasnélan sé.
読み:ナ プレーラ セルヴァン セラスネーラン セー。
| na | plél-a | sélvan | þelasnél-an | sé. |
| <〜ない> | 着る-<(軽いものが)> | セルヴァン<主格> | 頭巾-<対格> | この<軽性> |
「セルヴァンはこの頭巾を身につけない。」
記録や叙述のような中立的な文。否定は動詞の直前に na を置く。plél- は自動詞なので、目的語を伴う他動詞用法は使役 -íþ- で作る。改まった婉曲語 þelasnéla は、礼装を記録する文脈でも用いられる。
名布(比喩)
息の形(名)を覆う布。頭巾そのものを指すだけでなく、「その人の息を守るもの」という含みをもつ。
sléva þelasnéla selván.
読み:スレーヴァ セラスネーラ セルヴァーン。
| slév-a | þelasnéla | selv-án. |
| 守る-<(軽いものが)> | 名布<主格> | 息-<対格> |
「名布は息を守る。」
比喩用法。頭巾を「息を守る布」として名布と呼ぶ言い方。動詞 slév- の主語 þelasnéla が軽性なので sléva、目的語 selvá は対格 selván。selván は selv-án の形。
sénim þelasnélan te sléva selván.
読み:セーニン セラスネーラン テ スレーヴァ セルヴァーン。
| sén-im | þelasnél-an | te | slév-a | selv-án. |
| 見る-<私が> | 名布-<対格> | <関係節> | 守る-<(軽いものが)> | 息-<対格> |
「私は息を守る名布を見る。」
関係節 te を用いた比喩的な言い表し。関係節内の動詞 sléva は、先行詞 þelasnéla が軽性であることから軽性の語尾をとる。この用法は「名布=その人の息を守るもの」という含みを明示する。selván は selv-án の形。
頭巾を指す婉曲表現で、字義は「名の布」。名(þelá)は息(selvá)の形として頭の中に宿るとされ、頭を包む布は「名を覆う布」と呼ばれる。宮廷や改まった場、詩の挨拶の場面ではこの語が用いられ、くだけた場ではふつうの頭巾の語が使われる。凍りの頃の外出装束として不可欠なもので、毛皮・布・フェルトの素材で作られる。目上の人に「頭巾をお召しください」と言うときはこの語を用いるのが礼法である。
軽性・a語幹
þelá「名前・息の形」+snéla「布」。複合語。比喩的な複合で、頭を包む布を「名(息の形)を覆う布」と呼んだ婉曲表現が定着したもの。
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