小説
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名知らぬ
名を差し受けていない。互いに名を交わしていない人物を指す。
ké ésa torár sé þelvéun?
読み:ケー エーサ トラール セー セルヴェウン?
| ké | és-a | torár | sé | þelvéun? |
| <〜か> | いる-<(軽いものが)> | 客<主格> | この<軽性> | 名知らぬ |
「この客は、名知らぬ方でしょうか。」
日常で、客がまだ名を告げていないことを、名なしと断じずに確認する言い方。torár は軽性単数なので動詞は és-a。指示詞 sé が名詞の直後に置かれ、その後の þelvéun は修飾語ではなく述語として読む。ké を使うのは同等・目下への問いで、客そのものではなく、同伴者や主人へ向けた確認とする。
字義は「名が空いている」。高原語では名は息の形とされ、まだその息を差し受けていない人物を、直接「名なし」と断じずに指す婉曲な形容詞になる。改まった礼法では、名を告げていない客人や贈り手の存在に席や座を空ける場面で、名を既知としないことを丁寧に示す。
þel- と véun の複合形容詞語幹。後語 véun に一致語尾が付く。名詞の性・数・格に一致する。
þelá「名」+véun「空の」。
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