þrak-

品詞
動詞
意味
舌打ちする
発音
[θrak]
読み
スラク
分野
知覚・感情・思考・発話

意味

  1. 舌打ちする

    舌の先を上歯に当てて弾き、「tsk」のような短く尖った無言の音を出す。苛立ち・呆れ・急かしの合図。

    þráka ólmar.

    読み:スラーカ オルマル。

    þrak-aólmar.
    舌打ちする-<(軽いものが)>年長者<主格>

    「年長者が舌打ちをした。」

    日常の平叙。炉ばたや帳場など、改まりの薄い場で、無言のまま短く苛立ちや急かしを示す行為を述べる。主語は人のため、動詞は3人称単数軽性で一致する。

    mé þrákir un aurándoi!

    読み:メー スラーキル ウン アウランドイ!

    méþrak-irunauránd-oi!
    <禁止・願いの打ち消し>舌打ちする-<皆で〜せよ>内に社-<与格>

    「社の中では、舌打ちをしてはならない。」

    祀りや社の場での禁止表現。命令法の2複語尾 -ir を用いて、複数人に発された制約を示す。無言でも尖った音は「沈む」ものとして嫌われ、改まった詞や朗唱の間では避ける。

  2. 呆れる・あきれる

    音を出す行為そのものより、それを含む感情表現として「呆れる・あきれる」という意味で使う。くだけた言葉ではこの比喩義が優勢になる。

    na þrakim unlóur sórel.

    読み:ナ スラキン ウンロール ソーレル。

    naþrak-imunlóursórel.
    <〜ない>呆れる-<私が>まだ今日

    「私は今日、まだ呆れていない。」

    くだけた日常会話での一人称の否定文。否定の na は動詞の直前に置き、相の副詞 unlóur は動詞の直後に置く。主語代名詞は人称語尾 -im で省略できる。呆れる義では、実際には舌打ちを出さないで、表情や態度だけを示すことも多い。

    þraka endríña sé.

    読み:スラカ エンドリーニャ セー。

    þrak-aendríñasé.
    呆れる-<(軽いものが)>子ども<主格>この<軽性>

    「この子は呆れている。」

    家庭や暮らしの場面での三人称文。主語の endríña は人で軽性なので、動詞は軽性の語尾 -a をとる。指示詞 sé は名詞の後ろに置かれ、名詞句を閉じる。呆れる義では、ため息や眉をひそめる表情を含んだ無言の態度を指すことがある。

解説

舌の先を上歯に当てて弾き、短く尖った音を出す行為。声(発話)ではなく無言の音として、苛立ち・呆れ・急かしの合図に使う。炉の前では粗野な音とされ、改まった場では避けられる。森の言葉や崖道のくだけた言葉では日常的に発されるが、宮廷の詩の朗唱や祀りの詞の間では、音そのものが「沈む」ものとして嫌われる。運び人の荷担ぎ歌の間、荷を置く拍子に無意識に出ることがあり、これは市の言葉の域と通じるとされる。

文法

自動詞。擬音の語根。完了語幹は þráik-(a→ai)。

語源

古高原語 *þrák- から。舌が歯に当たって弾ける短く尖った音を写した擬音語。þの歯摩擦音と r の舌の動き、-k の閉鎖が、音の三つの特徴(息の漏れ・舌の接触・閉鎖の解放)に対応する。

語幹の異形

説明に出てくる語

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