小説
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兄・姉
年上の同じ流れ・同じ瀬の親族。
ésa ambrél némes faronár.
読み:エーサ アンブレール ネーメス ファロナール。
| és-a | ambrél | ném-es | faronár. |
| いる-<(軽いものが)> | 兄・姉<主格> | <私>-<属格> | 運び人 |
「私の兄(姉)は運び人だ。」
繋辞の文。ambrél は男女を区別せず、同じ流れ・同じ瀬で年上の者を指す。崖道の家族などの日常の言い方。
lúin hóina ambrél némes, mánimor tambór.
読み:ルーイン ホイナ アンブレール ネーメス、マーニモル タンボール。
| lúin | hóin-a | ambrél | ném-es, | mán-imor | tambór. |
| とき | 帰る-<(軽いものが)> | 兄・姉<主格> | <私>-<属格> | 食べる-<我々が> | 雑穀<対格> |
「兄(姉)が帰ってきたら、みんなで雑穀を食べよう。」
家の中の会話の文。時を表す lúin の節を前に置いている。主節の動詞は1人称複数の直説法で、時制がないので、これからの予定としても読める。家の中のくだけた言い方なので、mán- を敬語の補充形にしていない。tambór は重性なので、対格でも語尾がつかない。
tóra ambrél éul némes sórel.
読み:トーラ アンブレール エウル ネーメス ソーレル。
| tór-a | ambrél | éul | ném-es | sórel. |
| 来る-<(軽いものが)> | 兄・姉 | 別の流れの | <私>-<属格> | 今日 |
「今日、義理の兄(姉)が来る。」
ambrél éul「別の流れの兄・姉」は、配偶者の兄・姉と、兄・姉の配偶者のどちらも指す。自分と同じ家系かどうかを重んじ、どういうつながりで別の流れになったのかは区別しない。名詞句は「名詞–形容詞–属格」の順で、éul は軽性・単数・主格なので語尾がつかない。
ésau ambrél dórin si dubrél dórin némei.
読み:エーサウ アンブレール ドーリン シ ドゥブレール ドーリン ネーメイ。
| és-au | ambrél | dórin | si | dubrél | dórin | ném-ei. |
| いる-<双数> | 兄・姉<主格> | 男<主格> | と | 弟・妹<主格> | 男<主格> | <私>-<与格> |
「私には兄と弟が一人ずついる。」
親族名称は性別を区別しないので、dórin を後ろに添えて「男の」であることを示す。添えた dórin も、親族名称と同じ格になる。単数のものを si で二つ並べたので、動詞は双数の ésau になる。
ésa þelíña némes ráinen ambrélar.
読み:エーサ セリーニャ ネーメス ライネン アンブレーラル。
| és-a | þelíña | ném-es | ráin-en | ambrél-ar. |
| いる-<(軽いものが)> | 幼名<主格> | <私>-<属格> | 知る-<〜した・〜された> | 兄・姉-<〜らの> |
「私の幼名は、兄や姉たちが知っている。」
幼名は家族とごく親しい者しか知らない名なので、それを知っていることが近しさのしるしになる。分詞の後ろの属格 ambrélar は「〜によって」の意味。ambrél は同じ流れの年上のきょうだいを指し、男女を区別しない。
vóilsim viráis fóumais ambréles.
読み:ヴォイルシン ヴィライス フォーマイス アンブレーレス。
| vóils-im | vir-áis | fóum-ais | ambrél-es. |
| 読む<〜し終えた>-<私が> | 言葉-<〜たちを> | 親身な-<軽性・〜ら(古い母音交替)・対格> | 兄・姉-<属格> |
「兄(姉)の心のこもった言葉を読み終えた。」
手紙に書かれた言葉について言う文。語根 vóil- は二重母音をもつので、完了相は母音を変えず、-s- を足して vóils- にする。言葉は軽性なので、形容詞も軽性・複数・対格になる。
ésa ambrél némes krán, na fínda viráis némes.
読み:エーサ アンブレール ネーメス クラーン、ナ フィンダ ヴィライス ネーメス。
| és-a | ambrél | ném-es | krán, | na | fínd-a | vir-áis | ném-es. |
| いる-<(軽いものが)> | 兄姉<主格> | <私>-<属格> | 頑固な | <〜ない> | 聞く-<(軽いものが)> | 言葉-<〜たちを> | <私>-<属格> |
「兄は頑固で、私の言うことを聞かない。」
家族についての愚痴。人について言うときは軽性の一致になり、繋辞は éisa をとる。ambrél は年上のきょうだいを指し、性別は区別しない。属格 némes は名詞の後ろに置く。
lúin éso nébro, ténda ambrél.
読み:ルーイン エーソ ネーブロ、テンダ アンブレール。
| lúin | és-o | nébro, | ténd-a | ambrél |
| とき | いる-<(重いものが)> | 霧<主格> | 織る-<(軽いものが)> | 姉<主格> |
「霧が出ているあいだ、姉は機を織る。」
霧期には外仕事が減り、家の中で機を織る。「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。霧 nébro は重性なので繋辞は -o をとり、姉 ambrél は人なので軽性で、織る動詞は -a をとる。ここでは目的語を言わず、「機を織る」という行い自体を表している。
ké ténda ambrél?
読み:ケー テンダ アンブレール?
| ké | ténd-a | ambrél |
| <〜か> | 織る-<(軽いものが)> | 姉<主格> |
「姉さんは機を織っているか。」
家族の中で交わすくだけた問い。はい・いいえの問いは、文のいちばん前に ké を置いて作る。答えは動詞を繰り返して言い、「はい」なら ténda、「いいえ」なら na ténda となる。時制がないので、「織ったか」とも訳せる。
tendéra dóulin ambrél endríñan.
読み:テンデーラ ドーリン アンブレール エンドリーニャン。
| tendér-a | dóulin | ambrél | endríñ-an. |
| 寝かしつける-<(軽いものが)> | もう | 兄・姉<主格> | 子-<対格> |
「兄姉はもう子どもを寝かしつけた。」
寝かしつける意味ではdóulin「もう」を添えて完了に近づける。相の副詞は動詞の直後、主語の前に置く。
同じ流れで同じ瀬の親族のうち、自分より年上の者。兄・姉、および年上の同じ流れのいとこ。家の中では年上のきょうだいが先に箸をつけ、炉の上手寄りに座る。ambrél に呼びかけるとき、年下の者は名前(幼名)を口にせず ambrél と呼ぶのが礼儀とされる。
名詞(軽性・子音語幹)。複 ambrélai
an「上手」+ brél「きょうだい」。唇音 b の前で n が m になり、綴りも m で書く。
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