小説
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ほつれる
布や綱の端・表面で、糸が擦れや老朽化により少しずつほどける。
bríno filó só.
読み:ブリーノ フィロー ソー。
| brín-o | filó | só |
| ほつれる-<(重いものが)> | 縫い目<主格> | この<重性> |
「この縫い目がほどけた。」
日常会話。修理前の状態。brín は自動詞で、糸筋が布面からほつれる意。filó は「ほどけた糸筋」の対象として使える。
vrunþála líura fúnel te bríno.
読み:ヴルンサーラ リーウラ フーネル テ ブリーノ。
| vrunþál-a | líura | fúnel | te | brín-o. |
| 結ぶ-<(軽いものが)> | 女<主格> | 綱<対格> | <関係節> | ほつれる-<(重いものが)> |
「女は、ほつれかけている綱を結び直す。」
ほどけ止めにする意味。関係節 te bríno は fúnel を修飾し、抜けた主語の位置は空けたままにする。関係節の動詞は修飾される名詞に一致し、fúnel が重性なので brín- に -o が付く。
bríno térno, duói na snámim.
読み:ブリーノ テルノ、ドゥオイ ナ スナーミン。
| brín-o | térno, | duói | na | snám-im |
| ほつれる-<(重いものが)> | 弦<主格> | それから | <〜ない> | 射る-<私が> |
「弦がほつれ、それからは射らない。」
普通文はVSOなので、動詞 brín- に -o がついた bríno を前に出し、主語 térno を後ろに置く。duói は継起の接続小辞で、二文目の頭に来る。na が否定小辞として動詞に前接し、主語の「私」は語尾 -im で示される。
bríno snóimo ráses.
読み:ブリーノ スノイモ ラーセス。
| brín-o | snóimo | rás-es |
| ほつれる-<(重いものが)> | 肩ぐち<主格> | 衣-<属格> |
「衣の肩ぐちがほつれている。」
《肩ぐち》は衣の肩部の縫い目・開きを指す用法。《衣》の単数属格を名詞に後置して、物の一部を示す。主語節は重性で、動詞語尾は HV。
ゆるむ
織り目や撚りが使用によりしまりを失い、布地・編み品・綱などが緩んでくる。
ké brínau síndra si fúnel?
読み:ケー ブリーナウ シンドラ シ フーネル?
| ké | brín-au | síndra | si | fúnel? |
| <〜か> | ゆるむ-<双数> | 帯<主格> | と | 綱<主格> |
「帯と綱はゆるんでいるか。」
日常で、手元の帯や綱のしまりを確かめる場面の単純疑問。動詞 brín- は二つの主格単数名詞を si で並べた主語を受けて双数 brínau になる。双数の動詞は性を区別しない。
brínau unlóur rása si síndra.
読み:ブリーナウ ウンロール ラーサ シ シンドラ。
| brín-au | unlóur | rása | si | síndra |
| ゆるむ-<双数> | まだ | 衣<主格> | と | 帯<主格> |
「衣と帯が、まだゆるんでいる。」
衣類の手入れや寸法書きのような、記述的な一文。unlóur は動詞の直後に置き、事態が変わる瀬がまだ来ていない「まだ」を示す。brín- の sense 2、つまり布地や帯が使い古されて全体がしまりを失う意味で使う。
布・糸・綱・編み品などが、摩擦・使用・経年によって、糸の交わりを少しずつほどいていくこと。突然切れて裂けることとは区別し、織りや撚りのしまりがどの程度保たれているかを判断する語として使う。衣では、布端や表面から糸が飛び出す状態、布地・帯・綱では、使い古して全体がしまりを失う状態を表す。
動詞語根。完了語根は bréin-(語根母音 i → ei)。
古高原語 *brina-「糸・紐がゆるむ」から。
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