lúdro

品詞
名詞(重性・o語幹)
意味
嘘
発音
[ˈludro]
読み
ルードロ
分野
知覚・感情・思考・発話

意味

  1. 嘘

    事実でない、偽りの言葉。

    mé vír lúdro! dúla virá gróm du dálor.

    読み:メー ヴィール ルードロ!ドゥーラ ヴィラー グローン ドゥ ダーロル。

    mévírlúdro!dúl-avirágrómdudálor.
    <禁止・願いの打ち消し>言う<命令法><あなたが>嘘<対格>下る-<(軽いものが)>言葉<主格>重い下手地の底<対格>

    「嘘をつくな。重い言葉は地の底へ沈むぞ。」

    親が子をたしなめるときの言い方。lúdro「嘘」は重性o語幹なので、対格は主格と同じ形。言葉は本来軽性で上へ昇るものだが、崩れた言葉は「重く」なって下へ落ちる、という考えを表す。virá は軽性なので、形容詞 gróm は語尾なし、動詞は -a をとる。

    éso lúdro þérno nourés.

    読み:エーソ ルードロ セルノ ノウレース。

    és-olúdroþérnonour-és.
    いる-<(重いものが)>嘘<主格>陰で害する者<主格>心-<属格>

    「嘘は、心を蝕む毒きのこである。」

    教えの書や戒めの言葉に見られる比喩の言い方。見た目は無害でも内側から人を害する言葉を þérno にたとえる。lúdro「嘘」は重性なので、繋辞は éso。nourés は nourá「心」の属格。

    þóndim aursárail ré na vírim lúdro.

    読み:ソンディン アウルサーライル レー ナ ヴィーリン ルードロ。

    þónd-imaursár-ailrénavír-imlúdro.
    誓う-<私が>祖先-<〜らに><〜と(節)><〜ない>言う-<私が>嘘<対格>

    「私は祖先に、嘘は言わないと誓う。」

    星の見える晴れた夜に立てる誓いの基本の形。誓う相手は与格で示し(aursárail「祖先たちに」)、誓う中身は ré の節で後ろに置く。ré の節は元の文の法をそのまま保つので、ここでは直説法の否定 na vírim になる。時制はないので、「言わない」は文脈から未来のことと読む。

    mé vír lúdro!

    読み:メー ヴィール ルードロ!

    mévírlúdro!
    <禁止・願いの打ち消し>言う<命令法><あなたが>嘘<対格>

    「嘘を言うな。」

    親が子どもを叱るときなどに使う、ごく日常的な禁止の言い方。「mé+命令法」で作る。lúdro は重性o語幹なので、主格と対格が同じ形になる。嘘は「下へ落ちる言葉」とされ、炉の前ではとくに嫌われる。

    ké víres lúdro? na vírim lúdro.

    読み:ケー ヴィーレス ルードロ?ナ ヴィーリン ルードロ。

    kévír-eslúdro?navír-imlúdro.
    <〜か>言う-<あなたが>嘘<対格><〜ない>言う-<私が>嘘<対格>

    「「嘘をついているのか?」「嘘などついていない。」」

    二人の発話。はい・いいえで答える問いは、文頭に ké を置いて作る。高原語には「いいえ」にあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて na をつけ、繰り返して答える。2人称を使っているので、同じ段か下向きの話し方になる。

    viríres lúdro, gruunélan aursárai tásei.

    読み:ヴィリーレス ルードロ、グルーネーラン アウルサーライ ターセイ。

    vir-ír-eslúdro,gruun-él-anaursár-aitás-ei.
    言う-<もし〜なら>-<あなたが>嘘<対格>怒る-<〜だろう>-<彼らが>祖先-<〜たちが><あなた>-<与格>

    「嘘をつけば、ご先祖様がお前にお怒りになるだろう。」

    年長者が子どもを戒めるときの言い方。条件は接続詞を使わず、仮定法で表す。帰結の部分は推量法になる。法の接尾辞 -ír-・-él- は強勢をもつので、語根の ´ は消える(grúun- → gruunélan)。

    duhémbrim. léunim lúdro.

    読み:ドゥヘンブリン。レウニン ルードロ。

    duhémbrim.léun-imlúdro.
    恥じ入ります申す-<私が>嘘<対格>

    「恥じ入ります。偽りを申し上げました。」

    宮廷や役所で、目上の人に偽りを詫びるときの言い方。léun- は「言う」の謙譲の補充形。duhémbrim は謙譲の du- と hémbro「恥」から来た決まった形で、自分を低めて詫びる。lúdro は重性o語幹なので、対格も主格と同じ形になる。

    vérin na léunim lúdro.

    読み:ヴェーリン ナ レウニン ルードロ。

    vérinnaléun-imlúdro.
    まことに<〜ない>申す-<私が>嘘<対格>

    「まことに、嘘は申しません。」

    目上の人に向けて、自分の言葉が偽りでないことを強く請け合う言い方。文頭の vérin は続く文全体を請け合う副詞で、否定の小辞 na より前に置く。léun- は「言う」の謙譲の補充形。lúdro は重性o語幹で、主格と対格が同じ形。

    na víro þurán lúdro

    読み:ナ ヴィーロ スラーン ルードロ

    navír-oþuránlúdro
    <〜ない>言う-<(重いものが)>唇<主格>嘘<対格>

    「唇は嘘を言わない。」

    法や書物の文章に立てそうな、倫理的な格言。na による直説法の否定。þurán も lúdro も重性で、名詞の単数では主格と対格が同形なため、VSO語順が主語と目的語を分ける。

  2. 偽り

    見せかけ、ごまかし。偽の印や秤の不正にも言う。

    þúnda senár lúdro vándos.

    読み:スンダ セナール ルードロ ヴァンドス。

    þúnd-asen-árlúdrovánd-os.
    裁く-<(軽いものが)>見る-<〜する人>偽り<対格>秤-<属格>

    「市の目付は秤の偽りを裁く。」

    縁の市で、秤の不正のような揉め事を言うときの言い方。lúdro は口にした嘘だけでなく、秤や印のごまかしにも使う。属格 vándos「秤の」は名詞の後ろに置く。vándo「秤」は強勢が語根にある例外的な o語幹名詞。

    mé lisésa lúdro sáindarei.

    読み:メー リセーサ ルードロ サインダレイ。

    mélis-és-alúdrosáindar-ei.
    <禁止・願いの打ち消し>書く-<〜すべし>-<(軽いものが)>偽り<対格>証文-<与格>

    「証文に偽りを書かぬこと。」

    書の司が定めた、証文の書き方の決まりにある一句。書かれた言葉が重んじられる王国では、証文のごまかしは重い罪になる。場所「〜に」は前置詞なしの与格で言う。sáindar「証文」は軽性の子音語幹なので、与格は -ei になる。

解説

嘘・偽り。言葉は本来軽く昇るものだが、偽りの言葉は重く、下へ沈むものとして重性に分類される。霧期には嘘が増えると信じられている。「嘘を言う」は vír- lúdro。縁の市の悪口では、干潟語の言葉を lúdro になぞらえることもある。

文法

重性・o語幹(lúdro/lúdros/lúdroi…)。複数 lúdrul。

語源

古高原語 *lúdro から

語幹の異形

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