小説
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系譜の巻
家系を書き記した巻物。
dúla lourlisá an fóndaros ráimaros dáumbar téir lóurul.
読み:ドゥーラ ロウルリサー アン フォンダロス ライマロス ダウンバル テール ロールル。
| dúl-a | lourlisá | an | fóndar-os | ráimar-os | dáumbar | téir | lóur-ul. |
| 下る-<(軽いものが)> | 系譜の巻<主格> | 上手 | 源-<属格> | ライマル-<属格> | 二十 | 三 | 瀬-<〜たちを> |
「系譜の巻は、ライマルの源から二十三瀬を下っていく。」
系譜の巻に書かれた流れが、源から一瀬ずつ下っていくことを言う文。系譜読みが唱えはじめるときの言い方でもある。an+属格で「上手から」。lóurul は道のりの対格で、自動詞 dul- もこの格をとれる。巻は紙なので軽性で、動詞は -a をとる。
lúin éso nébro, na ésa lourlisá trálen.
読み:ルーイン エーソ ネーブロ、ナ エーサ ロウルリサー トラーレン。
| lúin | és-o | nébro, | na | és-a | lourlisá | trál-en. |
| とき | いる-<(重いものが)> | 霧<主格> | <〜ない> | いる-<(軽いものが)> | 系譜の巻<主格> | 写す-<〜した・〜された> |
「霧の出ているあいだは、系譜の巻を写さない。」
霧期の書きものの慣わしを言う文。霧の中で書いた字は、墨がにじんで下へ流れるとされる。lúin の節では、動詞が重性の霧 nébro に一致して -o をとる。主節は「éis-+主語+分詞」で結果の状態を言う、受け身にあたる形で、na で否定している。
pláinim es lourlisés.
読み:プライニン エス ロウルリセース。
| pláin-im | es | lourlis-és |
| 気づく-<私が> | から | 系譜の巻-<属格> |
「私は系譜の巻の意味に思い至った。」
lourlisán が対格でなく属格なので lourlisés とする。pláin は es+属格。独立した完了相語尾 -s は用いない。
lísa lourvirár traumbél lourliséi
読み:リーサ ロウルヴィラール トラウンベール ロウルリセー
| lís-a | lourvirár | traumbél | lourlis-éi |
| 書く-<(軽いものが)> | 系譜読み<主格> | 縁組み<対格> | 系譜巻-<与格> |
「系譜読みは、縁組みを系譜の巻に書く。」
書物の文。traumbél は婚姻による結びつきを表す。lourliséi は lourlisá の与格で、「系譜の巻に」の意味である。
loiménde andaulóura sé lourlisán.
読み:ロイメンデ アンダウローラ セー ロウルリサーン。
| loim-énd-e | andaulóura | sé | lourlis-án. |
| 唱える-<〜しますように>-<(軽いものが)> | 祖母<主格> | この<軽性> | 系譜の巻-<対格> |
「この祖母(家のおばあ)に、系譜の巻を唱えていただきたい。」
年長者に直接命令せず、願望法・3人称単数・軽形の loiménde で上向きの依頼を表す。主語 andaulóura sé は軽性a語幹で、指示詞 sé を伴う。対象 lourlisá も軽性a語幹で、対格は lourlisán になる。家系の老女として系譜を預かる年長の女性を、敬意と親しみをこめてこの語で呼ぶ。
lóimo mérvo lourlisán.
読み:ロイモ メルヴォ ロウルリサーン。
| lóim-o | mérvo | lourlis-án. |
| 唱える-<(重いものが)> | 村の人々<主格> | 系譜の巻-ACC. |
「村の人々は系譜の巻を唱える。」
系譜や儀礼を記す文脈でも、mérvo は村の住人全体を指す語として使える。動詞は grammatical に重性の単数で受ける。語順は動詞—主語—目的語。
kréima lourlisá ráun endríñei.
読み:クレーマ ロウルリサー ラウン エンドリーニェイ。
| kréim-a | lourlisá | ráun | endríñ-ei. |
| 述べる-<(軽いものが)> | 系譜の巻<主格> | 家系<対格> | 子ども-<与格> |
「系譜の巻は子どもに家系について述べる。」
書物・教育での用い方。家系の流れを詳しく叙述する書き言葉寄りの意味。主語 lourlisá が軽性なので動詞は軽性の -a。 ráun は重性単数で、対格は主格と同形だが、動詞の直接目的語として機能する。
家系を源から一瀬ずつ書き記した巻物。系譜読みが守り、婚姻や相続の取り決めで照らし合わせる。死者は一年が過ぎると昇名でここに書き入れられる。王家のものは「王統の巻」と呼ばれる。
①型
lóur「瀬」+lisá「字」。「瀬ごとの字」。
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