小説
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字
文字の一つ一つ、また書かれた字そのもの。
ésa lisá sé gléin.
読み:エーサ リサー セー グレーン。
| és-a | lisá | sé | gléin. |
| いる-<(軽いものが)> | 字<主格> | この<軽性> | 清い |
「この字は清い(美しく整っている)。」
字の美しさをほめる言い方。繋辞 és- を文頭に置き、「és-–主語–述語」の順にする。字 lisá は言葉を載せて昇るものなので軽性で、繋辞は -a、述語の gléin も軽性・主格の形になる。
lúin tóro nébro, dúla lisá du dálor.
読み:ルーイン トーロ ネーブロ、ドゥーラ リサー ドゥ ダーロル。
| lúin | tór-o | nébro, | dúl-a | lisá | du | dálor. |
| とき | 来る-<(重いものが)> | 霧<主格> | 下る-<(軽いものが)> | 字<主格> | 下手 | 下の国<対格> |
「「霧が来ると、字は下の国へ流れ落ちる。」」
霧の中で書いた字は墨がにじんで下へ流れる、という言い伝えを述べた文。霧期に大事な書きものを避ける理由になる。霧 nébro は重性なので動詞は -o、字 lisá は軽性なので -a をとる。「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。
文面
複数 lisái で「字々」から転じて、書かれた文面を指す。
ésa lisá sáindares sé gléin.
読み:エーサ リサー サインダレス セー グレーン。
| és-a | lisá | sáindar-es | sé | gléin. |
| いる-<(軽いものが)> | 文面<主格> | 証文-<属格> | この<軽性> | 清い |
「この証文の文面は清い(書き換えの跡がない)。」
lisá は「字」から転じて、書かれた文面全体を指すことがある。名詞句の並びは「名詞–属格–指示詞」。gléin「清い」は、文面について言うと、改ざんがなく正しいという含みになる。
selvána ausenár ré ésa lisá sáindares gléin.
読み:セルヴァーナ アウセナール レー エーサ リサー サインダレス グレーン。
| selván-a | au-sen-ár | ré | és-a | lisá | sáindar-es | gléin. |
| おっしゃる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | <〜と(節)> | いる-<(軽いものが)> | 文面<主格> | 証文-<属格> | 清い |
「目付殿は、証文の文面に誤りはないとおっしゃる。」
縁の市で揉め事を裁く場面の言い方。王国では書かれたものが正しいとされるので、目付は証文の文面を確かめる。ré は「〜と」の節を導き、その節は主節の後ろに置く。
高原の曲線的な文字を指す軽性名詞。言葉を載せて昇るものなので軽性。lísa「書く(3人称単数)」とは強勢の位置だけが違い、lisár「書記」、lisím「書法」とも響きが近い。日本語話者にはどれも「リサ」に聞こえやすい。
lísa lisár virán pélsei kélenoi.
読み:リーサ リサール ヴィラーン ペルセイ ケーレノイ。
| lís-a | lis-ár | vir-án | péls-ei | kél-en-oi |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 言葉-<対格> | 脂の木-<与格> | 伐る-<〜した・〜された>-<重性・与格> |
「書記は伐った脂の木(の札)に字を書く。」
pélsa「脂の木」は、名詞としては軽性の語形(与格 -ei)のまま。けれども伐られた材なので、分詞は重性の与格 -oi で一致する。荷札が重性になるのは、この規則による。
lísa lisár sáindaran senárei.
読み:リーサ リサール サインダラン セナーレイ。
| lís-a | lis-ár | sáindar-an | sen-ár-ei. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 証文-<対格> | 見る-<〜する人>-<与格> |
「書記が目付に証文を書く。」
基本の語順:動詞–主語–目的語–与格(受け手)。lisár は動詞 lís- に -ár「〜する人」がついた語、senár は sén- に -ár がついた語。
lísa lisár sáindaran si lúuma ausenár.
読み:リーサ リサール サインダラン シ ルーマ アウセナール。
| lís-a | lis-ár | sáindar-an | si | lúum-a | au-sen-ár. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 証文-<対格> | と | ご覧になる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> |
「書記が証文を書き、目付殿がご覧になる。」
si で文と文を並べる。二つめの文は、同じ目的語を受けるので目的語の枠を空けてよい(1.2節)。
ké lísa lisár sáindaran, orvél lísa fléilan?
読み:ケー リーサ リサール サインダラン、オルヴェール リーサ フレーラン?
| ké | lís-a | lis-ár | sáindar-an, | orvél | lís-a | fléil-an? |
| <〜か> | 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 証文-<対格> | または | 書く-<(軽いものが)> | 手紙-<対格> |
「書記は証文を書くのか、それとも手紙を書くのか。」
orvél「日の出側か日の入り側か」は選択。問いでは ké を一つめの文にだけ置く。
vándin fáron, lísa lisár plánan.
読み:ヴァンディン ファーロン、リーサ リサール プラーナン。
| vánd-in | fáron, | lís-a | lis-ár | plán-an. |
| 量る-<〜して・〜く> | 荷<対格> | 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 帳簿-<対格> |
「荷を量りながら、書記は帳簿を書く。」
未完了の語根+-in で「〜しながら」。量るのも書くのも書記。
lísa lisár plánan, vándin fáron.
読み:リーサ リサール プラーナン、ヴァンディン ファーロン。
| lís-a | lis-ár | plán-an, | vánd-in | fáron. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 帳簿-<対格> | 量る-<〜して・〜く> | 荷<対格> |
「書記は荷を量りながら、帳簿を書く。」
未完了の -in は文の後ろに置くのが基本。読点で区切るので、枠には数えない。
na vándin fáron, lísa lisár plánan.
読み:ナ ヴァンディン ファーロン、リーサ リサール プラーナン。
| na | vánd-in | fáron, | lís-a | lis-ár | plán-an. |
| <〜ない> | 量る-<〜して・〜く> | 荷<対格> | 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 帳簿-<対格> |
「荷を量らずに、書記は帳簿を書く。」
「〜せずに」は -in の動詞の前に na を置く。量らないのも書くのも書記。
lísa lisár plánan gléinin.
読み:リーサ リサール プラーナン グレーニン。
| lís-a | lis-ár | plán-an | gléin-in. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 帳簿-<対格> | 清い-<〜して・〜く> |
「書記は帳簿を清く書く。」
形容詞+-in で副詞「〜く」。
lísa sáindaran lisár te séna senár.
読み:リーサ サインダラン リサール テ セーナ セナール。
| lís-a | sáindar-an | lis-ár | te | sén-a | sen-ár. |
| 書く-<(軽いものが)> | 証文-<対格> | 書く-<〜する人・主格> | <関係節> | 見る-<(軽いものが)> | 見る-<〜する人> |
「目付が見る書記が、証文を書く。」
都の言葉。関係節つきの主語は目的語の後ろへ回す。目的語は対格の形でわかる。
lísa lisár te séna senár, sáindaran.
読み:リーサ リサール テ セーナ セナール、サインダラン。
| lís-a | lis-ár | te | sén-a | sen-ár, | sáindar-an. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | <関係節> | 見る-<(軽いものが)> | 見る-<〜する人> | 証文-<対格> |
「目付が見る書記が、証文を書く。」
崖道の言葉。読点で関係節を閉じ、読点の後ろは主節の残りの枠(ここでは目的語)に戻る。
①型:lisá/lisán/lisés/liséi、複 lisái
lís-「書く」+-á「〜するもの(軽)」。もとは「書かれるもの」。
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