lourvirár

品詞
名詞
意味
系譜読み
発音
[lourviˈrar]
読み
ロールビラール
分野
人・親族

意味

  1. 系譜読み

    家の系譜を記録して唱える役の、家の年長の女性。

    lóima lourvirár þeláis an fóndaros.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール セライス アン フォンダロス。

    lóim-alourvirárþel-áisanfóndar-os.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み<主格>名前-<〜たちを>上手源-<属格>

    「系譜読みは、始祖から一瀬ずつ名を唱えていく。」

    婚姻の取り決めや祖先祀りで、系譜読みが家系を唱える場面を述べる文。系譜を言うときは「an fóndaros(源から)」を前に置くのが改まった言い方。この an は、流れの上手(始祖)から下っていく向きを表す。

    lóima lourvirár lóurul némores an fóndaros.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール ロールル ネーモレス アン フォンダロス。

    lóim-alourvirárlóur-ulnémor-esanfóndar-os.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み<主格>瀬-<〜たちを><我々>-<属格>上手源-<属格>

    「系譜読みは、源からの我らの世代を唱える。」

    婚姻や祖先祀りの場で、家の系譜読みが系譜を唱えるようすを言う文。an+属格は「上手から」の意味になり、an fóndaros で「源から」。世代を言うときは、このように源を起点にする。系譜読みは年長の女性で、軽性なので動詞は -a をとる。

    lóima lourvirár þeláis an fóndaros ráimaros.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール セライス アン フォンダロス ライマロス。

    lóim-alourvirárþel-áisanfóndar-osráimar-os.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み名前-<〜たちを>〜から源-<属格>ライマル-<属格>

    「系譜読みが、ライマルの源から名を唱えていく。」

    婚姻や祖先祀りで系譜を唱える場面の文。an+属格は「上手から」の出どころを表す。系譜は源から下へ流れるものなので、始祖からの起点は es ではなく an で言うのが改まった言い方になる。

    lóiman lourvirárai lóurul dáunaun.

    読み:ロイマン ロウルヴィラーライ ロールル ダウナウン。

    lóim-anlourvirár-ailóur-uldáun-aun.
    唱える-<彼らが>系譜読み-<〜たちが>瀬-<〜たちを>二人-<双数の〜の・〜に>

    「系譜読みたちが、二人の瀬を唱え交わす。」

    婚姻の取り決めで、両家の系譜読みが、結ばれる二人の系譜を源から一瀬ずつ読み交わす儀礼を述べた文。dáun の属格は、双数の語尾 -aun を重ねて dáunaun になる。属格は名詞 lóurul の後ろに置く。

    lóima lourvirár ráun míres es fóndaros.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール ラウン ミーレス エス フォンダロス。

    lóim-alourvirárráunmír-esesfóndar-os.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み<主格>流れ<対格>自分-<属格>から源-<属格>

    「系譜読みは、源から自分の流れを唱える。」

    祖先祀りや婚姻の場で、系譜を読み上げる様子を述べた文。属格の míres を名詞の後ろに置き、「主語自身の」という意味を表す。ráun「流れ(家系)」は重性なので、対格も主格と同じ形になる。éles と言うと、ほかの人の流れを唱えることになる。

    lóima lourvirár ráun némores an fóndaros.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール ラウン ネーモレス アン フォンダロス。

    lóim-alourvirárráunném-or-esanfóndar-os.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み<主格>流れ<対格>1-<〜ら(古い母音交替)>-<属格>上手源-<属格>

    「系譜読みが、我々の流れを源から唱える。」

    祖先祀りや婚姻の場で、系譜読みが家系を一瀬ずつ唱えることを言う文。ráun は重性の子音語幹なので、主格と対格が同じ形になる。an+属格は「上手から」で、源から下へたどる向きを表す。

    vóila lourvirár þeláis brélar sélvanes.

    読み:ヴォイラ ロウルヴィラール セライス ブレーラル セルヴァネス。

    vóil-alourvirárþel-áisbrél-arsélvan-es.
    読む-<(軽いものが)>系譜読み<主格>名前-<〜たちを>きょうだい-<〜らの>セルヴァン-<属格>

    「系譜読みが、セルヴァンのきょうだいたちの名を読み上げる。」

    婚姻の取り決めで、系譜の巻を読み交わす場面の文。名詞の後ろに属格を二つ重ねて、「名前・きょうだいたちの・セルヴァンの」の順に並べる。書かれた名前を読むことは禁忌に当たらない。

    lóima lourvirár virán anlóures téir lóurul.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール ヴィラーン アンローレス テール ロールル。

    lóim-alourvirárvir-ánanlóur-estéirlóur-ul.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み<主格>言葉-<対格>上の世代の血族-<属格>三瀬-<〜たちを>

    「系譜読みが、曾祖父(曾祖母)の言葉を唱える。」

    祖先祀りの場面の文。anlóur は属格の anlóures になるが、後ろの téir lóurul は道のりの対格のまま変わらない。

    lóima lourvirár þeláis aursárar an fóndaros.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール セライス アウルサーラル アン フォンダロス。

    lóim-alourvirárþel-áisaursár-aranfóndar-os.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み名前-<〜たちを>祖先-<〜らの>上手源-<属格>

    「系譜読みは、源から祖先たちの名を唱えていく。」

    婚姻の取り決めや祖先祀りで、系譜を読み上げる場面を言う文。lourvirár は lóur「瀬」+vír-「言う」+-ár「〜する人」からできた語で、軽性の子音語幹。an+属格で「上手から」。系譜は源から一瀬ずつ下へ向かって唱えるので、起点を an fóndaros で示す。

    aulisénde aulourvirár þelán dulóures némes sáindarei.

    読み:アウリセンデ アウロウルヴィラール セラーン ドゥローレス ネーメス サインダレイ。

    au-lis-énd-eau-lourvirárþel-ándulóur-esném-essáindar-ei.
    <お〜になる・御〜>-書く-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-系譜読み名前-<対格>瀬下-<属格><私>-<属格>証文-<与格>

    「系譜読みの方に、私の子の名を証文へお書きいただきたく存じます。」

    系譜読みは家の年長の女性で、発言力も強い。そのため頼みごとは上向きの話し方でする。命令法の代わりに願望法の3人称を使い、相手は尊敬の au- をつけた役名で呼ぶ。au- は l の前では形を変えない。sáindar は軽性の子音語幹で、与格は -ei になる。

    ésa aurþelá élaures lísen lourvirárar.

    読み:エーサ アウルセラー エーラウレス リーセン ロウルヴィラーラル。

    és-aaurþeláélaur-eslís-enlourvirár-ar.
    いる-<(軽いものが)>昇名<主格>昇りゆく人-<属格>書く-<〜した・〜された>系譜読み-<〜らの>

    「昇りゆかれた方の昇名は、系譜読みたちの手で書き入れられている。」

    死後一年の禁忌が明けたあとの状態を述べる文。「és-+主語+分詞」で結果の状態を表し、分詞の後ろの属格が書いた人を示す。昇名が系譜に書き入れられると、それ以後は昇名を口にしてよい。

    lóima lourvirár þeláis aursárar fóndelar.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール セライス アウルサーラル フォンデラル。

    lóim-alourvirárþel-áisaursár-arfóndel-ar.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み<主格>名前-<〜たちを>祖先-<〜らの>源に近い-<軽性・〜ら(古い母音交替)・属格>

    「系譜読みは、源に近い祖先たちの名を唱える。」

    祖先祀りで系譜を唱える場面の文。系譜について fóndel と言うと、始祖から下った瀬の数が少ないことを表す。古い詩の言い方で、改まった響きがある。形容詞は aursár の複数属格に合わせて -ar になる。

    lóima lourvirár lóurul an fóndaros ráimaros.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール ロールル アン フォンダロス ライマロス。

    lóim-alourvirárlóur-ulanfóndar-osráimar-os.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み<主格>瀬-<〜たちを>上手源-<属格>ライマル-<属格>

    「系譜読みが、ライマルの源から一瀬ずつ系譜を唱える。」

    婚姻の取り決めの場面。lóurul は重性の複数対格で、唱える世代の連なりを目的語にしている。系譜は十拍の韻律に乗せて唱える。

    ansóina lourvirár þeláis aursárar an fóndaros.

    読み:アンソイナ ロウルヴィラール セライス アウルサーラル アン フォンダロス。

    ansóin-alourvirárþel-áisaursár-aranfóndar-os.
    覚えている<〜し終えた>-<(軽いものが)>系譜読み<主格>名前-<〜たちを>祖先-<〜らの>上手源-<属格>

    「「系譜読みは、源から続く祖先たちの名を覚えている。」」

    ansén- は「思い出す」のほか、「記憶にとどめている」という状態も表す。時制がないので、未完了の形のままで、いつも覚えているという意味になる。系譜読みの務めを説明する文。

    funeléra lourvirár sárvo sóndelei.

    読み:フネレーラ ロウルヴィラール サルヴォ ソンデレイ。

    funelér-alourvirársárvosóndel-ei.
    書き留める-<(軽いものが)>系譜読み<主格>禁じられた名<対格>書物-<与格>

    「系譜読みは、禁じられた名を書物に書き留める。」

    家の記録の作法を述べた文。死後一年は口にできない名前も、書くことは息を使わないので禁じられず、系譜読みは書き入れておく。重性の sárvo は、主格と対格が同じ形になる。語順は「動詞–主語–目的語–与格」の基本の形。

    lóima lourvirár þeláis aursárar trúinar.

    読み:ロイマ ロウルヴィラール セライス アウルサーラル トルーイナル。

    lóim-alourvirárþel-áisaursár-artrúin-ar.
    唱える-<(軽いものが)>系譜読み<主格>名前-<〜たちを>祖先-<〜らの>近しい-<〜らの>

    「系譜読みは、近しい祖先たちの名を唱える。」

    祖先を祀る場の文。trúin は、瀬の数が少ない(世代の近い)祖先を言っている。形容詞は修飾する aursárar(軽性・複数・属格)に一致して trúinar になる。名詞句の語順は「名詞–属格–形容詞」ではなく、「祖先-の・近しい-の」と属格の名詞の後ろに形容詞が続く。

    lísa lourvirár traumbél lourliséi

    読み:リーサ ロウルヴィラール トラウンベール ロウルリセー

    lís-alourvirártraumbéllourlis-éi
    書く-<(軽いものが)>系譜読み<主格>縁組み<対格>系譜巻-<与格>

    「系譜読みは、縁組みを系譜の巻に書く。」

    書物の文。traumbél は婚姻による結びつきを表す。lourliséi は lourlisá の与格で、「系譜の巻に」の意味である。

    ésa andaulóura sé lourvirár.

    読み:エーサ アンダウローラ セー ロウルヴィラール。

    és-aandaulóurasélourvirár.
    いる-<(軽いものが)>祖母<主格>この<軽性>系譜読み<主格>

    「祖母(家のおばあ)は、系譜読みだ。」

    この用例では「祖母」が、家系図を読み預かる家屋の老女を指す呼称として使われている。主語 andaulóura sé は軽性a語幹の名詞句で、指示詞 sé を名詞の後ろに置く。繋辞 és- は軽性単数の主語に合わせて 3SG.LT の -a をとる。述語 lourvirár は名詞のまま、主格の裸形を置く。家では個人名で呼ばず、この呼称そのものが呼び名になる。

    nebrálvoi, gúma tíula lourviráres.

    読み:ネブラルヴォイ、グーマ ティーウラ ロウルヴィラーレス。

    nebrálv-oi,gúm-atíulalourvirár-es
    霧期-<与格>くぐもる-<(軽いものが)>音<主格>系譜読み-<属格>

    「霧の季節には、系譜読みの声がくぐもる。」

    書物や記録の記述に近い、季節を場面とする文。nebrálvo「霧期」の与格が場面を示す。系譜読み lourvirár は人の語で軽性。tíula lourvirár で「系譜読みが唱える声」という読みになる。

解説

家々の系譜を記録し、守り、源から一瀬ずつ唱える者。ふつう各家の年長の女性がこの役を担う。結婚の取り決めや遺産の相続で強い発言力をもち、祖先祀りの中心でもある。系譜を唱えるときは十拍の句の韻律に乗せ、呼格を使う。

文法

名詞(軽性・子音語幹、-ár に強勢)。対 lourviráran、複 lourvirárai

語源

lóur「瀬」+ vír-「言う」+ -ár「〜する人」。「瀬を言う人」の意。複合で lóur の強勢は失われる。

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