muró

品詞
名詞
意味
濁り酒
発音
[muˈro]
読み
ムロー
分野
生活・道具・衣食住

意味

  1. 濁り酒

    雑穀を発酵させた濁った酒。

    níl muró, ende.

    読み:ニール ムロー、エンデ。

    nílmuró,ende.
    飲む<命令法><あなたが>濁り酒どうぞ・頼む

    「濁り酒をどうぞ、飲んでくれ。」

    市の屋台や崖道の休み場で酒を勧めるときの言い方。ende は頼みだけでなく、勧めにも使う。改まった場では ende を使わず、願望法の文で勧める。

    lúin hóines, niléimor muró.

    読み:ルーイン ホイネス、ニレーモル ムロー。

    lúinhóin-es,nil-é-imormuró.
    とき帰る-<あなたが>飲む-<〜だろう>-<我々が>濁り酒<対格>

    「お前が帰ってきたら、濁り酒を飲もう。」

    親しい者どうしの別れぎわの言い方。時制がないので、まだ起きていないことも lúin の節では直説法で言える。主節の未来のことは推量法で言う。1人称複数の前では、推量法の -él- の l が落ちる。

    lúin méira muró torárei, mé krailésa drál.

    読み:ルーイン メーラ ムロー トラーレイ、メー クライレーサ ドラール。

    lúinméir-amurótorár-ei,mékrail-és-adrál.
    とき与える-<(軽いものが)>濁り酒<対格>客-<与格><禁止・願いの打ち消し>持つ-<〜すべし>-<(軽いものが)>器の首<対格>

    「客に濁り酒を注ぐときは、器の首をつかまぬこと。」

    もてなしの作法を述べた文。lúin の節は主節の前に置く。主節は当為法を mé で否定した禁止の形。主語を言わないので「人は」という一般の主語になり、lúin の節の動詞も主節の動詞も軽性の形をとる。

    lúin nélisa ausenár muró, dumaréimor muró.

    読み:ルーイン ネーリサ アウセナール ムロー、ドゥマレーモル ムロー。

    lúinnélis-aau-sen-ármuró,dumar-é-imormuró.
    ときお飲みになる-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人>濁り酒<対格>頂戴して飲む-<〜だろう>-<我々が>濁り酒<対格>

    「目付殿が濁り酒をお飲みになったら、私どもも頂戴いたしましょう。」

    尊敬の nélis- と謙譲の dúmar- を一つの文に並べて、飲む順の上下を示している。段の高い者が先に口をつけるという食事の作法にかなった言い方。推量法の -él- は、1人称の語尾の前で l が落ちて -é- になる(dumaréimor)。

    nélisa aldár áuren muró.

    読み:ネーリサ アルダール アウレン ムロー。

    nélis-aaldáráur-enmuró.
    お飲みになる-<(軽いものが)>座<主格>昇る-<〜した・〜された>濁り酒<対格>

    「高き座は濁り酒をお飲みになる。」

    nélis- は、目上の人が食べることにも飲むことにも使う。aldár áuren「高き座」は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。分詞 áuren は軽性・単数・主格なので一致の語尾がつかない。宮廷の宴を述べる、記録風の文。

    ké néules muró? néulim.

    読み:ケー ネウレス ムロー?ネウリン。

    kénéul-esmuró?néul-im.
    <〜か>好む-<あなたが>濁り酒<対格>好む-<私が>

    「「濁り酒は好きか?」「好きだ。」」

    二人の発話。くだけた場面での問いと答え。高原語には「はい」にあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える。muró は重性o語幹なので、主格と対格が同じ形。

    niléndes muró, séulin.

    読み:ニレンデス ムロー、セウリン。

    nil-énd-esmuró,séulin.
    飲む-<〜しますように>-<あなたが>濁り酒<対格>友

    「まあ一杯やってくれ、友よ。」

    同じ段の相手に酒を勧める「並び」の言い方で、願望法の2人称を使う。muró は強勢のある -ó で終わる重性o語幹で、主格と対格が同じ形。日常では呼格を使わず、呼びかけの名詞を読点で区切って文の終わりに添える。

    kúula líura tambór, bróla muró.

    読み:クーラ リーウラ タンボール、ブローラ ムロー。

    kúul-alíuratambór,bról-amuró.
    煮る-<(軽いものが)>女<主格>雑穀<対格>作る-<(軽いものが)>濁り酒<対格>

    「女は雑穀を煮て、濁り酒を作る。」

    濁り酒の作り方を言う文。後半では主語を言わず、動詞の語尾から前半と同じ女が主語だとわかる。時制がないので、習慣としての営みを表す。

    anórel, níla faronár té muró bróus, esós ésa él murár sórel.

    読み:アノーレル、ニーラ ファロナール テー ムロー ブロース、エソース エーサ エール ムラール ソーレル。

    anórel,níl-afaron-ártémuróbróus,esósés-aélmur-ársórel.
    昨日飲む-<(軽いものが)>荷-<〜する人>あの<軽性>濁り酒<対格>多いだからいる-<(軽いものが)><3人称単数・軽性>濁った-<〜する人>今日

    「昨日、あの運び人は濁り酒をしこたま飲んだ。だから今日のあいつは、まるで酔いどれだ。」

    崖道の宿などで交わす、くだけた噂話。muró「濁り酒」と murár の音が近いことを使った当てこすりで、ここでは「酔ってぼんやりしている者」の意味になる。時の語 anórel は場面の枠に置いて読点で区切る。esós「だから」は二つめの文の頭に置く。主語の代名詞 él をわざわざ言っているので、「あいつときたら」という強調の響きがある。

    mé níl dóulin muró, murár!

    読み:メー ニール ドーリン ムロー、ムラール!

    méníldóulinmuró,mur-ár!
    <禁止・願いの打ち消し>飲む<命令法><あなたが>もう濁り酒<対格>濁った-<〜する人>

    「もう濁り酒は飲むな、この酔っぱらいめ!」

    縁や崖道の炉ばたで、家の者が酔った身内をたしなめる言い方。相の副詞 dóulin「もう」は動詞のすぐ後ろに置き、否定と組んで「もう〜しない」の意味になる。muró と murár を並べた語呂合わせが面白がられ、決まり文句のようにも使われる。都の改まった言葉では、この当てこすりの使い方はしない。

    súla ólmar muró.

    読み:スーラ オルマル ムロー。

    súl-aólmarmuró.
    すする-<(軽いものが)>年長者<主格>濁り酒<対格>

    「年長の方が濁り酒をすすっている。」

    炉ばたで濁り酒をすする場面。muró は重性o語幹なので主格と対格が同じ形になる。主語 ólmar が軽性(人)なので動詞は -a をとる。対格の印が主語にも目的語にも見えない重性名詞どうしの文では、動詞直後の名詞が主語、その次が目的語という語順が意味を決める。

解説

雑穀を発酵させた白く濁った酒。祝いの席や炉ばたでよく飲まれる。濁ったもの・重いものとして重性に属し、飲みすぎて言葉が乱れることは『言葉が下へ落ちる』ことにつながるとして、宮廷では控えめに飲むのがたしなみとされる。

文法

重性・o語幹(-ó に強勢)。属 murós、与 murói。

語源

múr「濁った」+ -ó「〜するもの(重)」。「濁ったもの」の意。

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