séndo

品詞
指示詞
意味
ここ
発音
[ˈsendo]
読み
センド
分野
代名詞・指示詞・疑問詞

意味

  1. ここ

    話し手のいる場所。

    ésim séndoi du nébro.

    読み:エーシン センドイ ドゥ ネーブロ。

    és-imsénd-oidunébro.
    いる-<私が>ここ-<与格>下手霧<対格>

    「私は霧の季節までここにいる。」

    du+対格「〜の下手へ」は、時の名詞では「〜まで」。

    lís þelán táses séndoi!

    読み:リース セラーン ターセス センドイ!

    lísþel-ántás-essénd-oi!
    書く<命令法><あなたが>名前-<対格><あなた>-<属格>ここ-<与格>

    「「ここにお前の名を書け。」」

    下向きの命令。命令法の2人称単数はむき出しの語幹 lís。目上の人には使えず、目上には願望法3人称(aulisénde …)で頼む。名前を書くことは息を使わないので、名の禁忌には当たらない。

    léim fáron séndo, ende.

    読み:レーン ファーロン センド、エンデ。

    léimfáronséndo,ende.
    置く<命令法><あなたが>荷<対格>ここどうぞ

    「荷はここに置いてくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹 léim で、末尾の ende「どうぞ」が添えてある。市は段に乗らない場なので、この形でも無礼にはならない。fáron は重性名詞なので、主格と対格が同じ形になる。

    léimim fáron séndoi ré luuménde ausenár ó.

    読み:レーミン ファーロン センドイ レー ルーメンデ アウセナール オー。

    léim-imfáronsénd-oiréluum-énd-eau-sen-áró.
    置く-<私が>荷<対格>ここ-<与格>ようにご覧になる-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人><3人称単数・重性>

    「「目付殿がご覧になれるよう、荷をここに置きます。」」

    縁の市で荷を検めてもらうときの言い方。ré と願望法を組み合わせると目的を表す。ここでの願望法は丁寧さではなく、「そうなってほしい」という意味を表す。ó は荷を受ける重性の代名詞で、主格と対格が同じ形。

    ké dúlo fáron du séndo?

    読み:ケー ドゥーロ ファーロン ドゥ センド?

    kédúl-ofáronduséndo?
    <〜か>下る-<(重いものが)>荷<主格>下手ここ<対格>

    「荷はここへ下りてくるのか。」

    店先で荷の行き先を確かめる、くだけた問い。séndo は重性o語幹の名詞として変化し、主格と対格が同じ形になる。du+対格で「(下手の)ここへ」を表す。動詞は主語の fáron(重性)に一致して dúlo になる。答えは dúlo(来る)か na dúlo(来ない)。

    tóra faronár an séndo es orénos.

    読み:トーラ ファロナール アン センド エス オレーノス。

    tór-afaronáranséndoesorén-os.
    来る-<(軽いものが)>運び人<主格>上手ここ<対格>から縁-<属格>

    「運び人が縁からここへ上ってくる。」

    道筋を言う文。行き先は an+対格で「上手のここへ」と、高さを決めて言う。出どころは、方向を問わない es に属格を組み合わせて言う。時制がないので「上ってくる」とも「上ってきた」とも訳せる。

    na ésa páin séndoi.

    読み:ナ エーサ パイン センドイ。

    naés-apáinsénd-oi.
    <〜ない>いる-<(軽いものが)>誰も<主格>ここ-<与格>

    「「ここには誰もいない。」」

    呼びかけに返事がないときなどの、日常の言い方。存在の és- が先頭に来て、主語 páin は軽性なので ésa になる。人が一人もいないことを言うのに数詞は使わず、na と páin だけで言う。

    lúin glǘno véinor, tóran faronárai snírai séndo.

    読み:ルーイン グリューノ ヴェーノル、トーラン ファロナーライ スニーライ センド。

    lúinglǘn-ovéinor,tór-anfaronár-aisnír-aiséndo.
    とき凍る-<(重いものが)>湖<主格>来る-<彼らが>運び人-<〜たちが>少ない-<〜たちが>ここ

    「湖が凍るころには、ここへ来る運び人は少なくなる。」

    lúin の節は主節の前に置く。湖 véinor は地の上の水なので重性で、動詞は -o をとる。主節の主語 faronárai は軽性・複数・主格で、snírai はそれに一致する。運び人のような働き手は数えてよいので、snír で多い少ないを言ってもかまわない。凍りの頃の崖道を言う文。

    nóira endríña séndoi.

    読み:ノイラ エンドリーニャ センドイ。

    nóir-aendríñasénd-oi.
    眠る-<(軽いものが)>子ども<主格>ここ-<与格>

    「「ここで子どもが眠っている。」」

    家の中で声を落とさせるときの、日常の一言。endríña は éndra「人」に指小の -íña がついてできた語で、軽性の a 語幹として変化する。

    éso þúumo séndoi, na sénim tásan.

    読み:エーソ スーモ センドイ、ナ セーニン ターサン。

    és-oþúumosénd-oi,nasén-imtás-an.
    いる-<(重いものが)>濃霧<主格>ここ-<与格><〜ない>見る-<私が><あなた>-<対格>

    「「ここは濃霧だ。お前が見えない。」」

    霧期に、すぐそばの相手に話しかける日常の言い方。þúumo は重性なので、存在の動詞は éso になる。読点で区切って主節を二つ並べている。後半は直説法なので na で否定する。2人称の tás を使っているので、同輩か目下の相手への話し方になる。

    ésa hervíña séndoi.

    読み:エーサ ヘルヴィーニャ センドイ。

    és-ahervíñasénd-oi.
    いる-<(軽いものが)>小鹿<主格>ここ-<与格>

    「「ここに小鹿がいる。」」

    狩り場で、獲物の気配を仲間に知らせる言い方。存在は「és-+主語+場所」で表す。hervíña は軽性なので、és- は3人称単数・軽性の ésa になる。

    ké ésa orenvandár séndoi? na ésa, válsa.

    読み:ケー エーサ オレンヴァンダール センドイ?ナ エーサ、ヴァルサ。

    kéés-aorenvandársénd-oi?naés-a,váls-a.
    <〜か>いる-<(軽いものが)>縁商人<主格>ここ-<与格><〜ない>いる-<(軽いものが)>行く<〜し終えた>-<(軽いものが)>

    「「縁商人はここにいるか?」「いない。もう行ってしまった。」」

    gél- を、行き先を言わずに使うと「立ち去る・いなくなる」の意味になる。時制の形がないので、géla だけで「行ってしまった」と訳せる。答えは問いの動詞を繰り返して na ésa とする。

    léim fáron séndo, ende.

    読み:レーン ファーロン センド、エンデ。

    léimfáronséndo,ende.
    置く<命令法><あなたが>荷ここどうぞ

    「荷はここに置いてくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹 léim で言い、ende を添える。séndo「ここ」は格変化をしない場所の語。荷解きの場でよく聞かれる言い方である。

    ésau þovríl si kailó séndoi.

    読み:エーサウ ソヴリール シ カイロー センドイ。

    és-auþovrílsikailósénd-oi.
    いる-<双数>茶<主格>と乾酪<主格>ここ-<与格>

    「「ここに茶と乾酪がある。」」

    客を炉端に迎えて、茶と乾酪を出すときの言い方。存在の文で、繋辞 és- が先頭に来る。単数の名詞が si で二つ並んでいるので、動詞は双数 ésau になる。双数の動詞は性を区別しないので、この文からは þovríl の性はわからない。

    pórin eséla tróval séndos?

    読み:ポーリン エセーラ トローヴァル センドス?

    pórines-él-atróvalsénd-os?
    どのようにいる-<〜だろう>-<(軽いものが)>しきたり<主格>ここ-<属格>

    「「こちらのしきたりは、どのようなものでございましょうか。」」

    よその土地の年長者に、儀式のやり方を尋ねる言い方。目上の人には問いの小辞 ké を使わず、推量法で推し量る形にする。疑問詞 pórin は動詞の前に出る。推量法の -él- が強勢をとるので、és- は eséla になる。

    glóira aurél séndo anlúin.

    読み:グロイラ アウレール センド アンルーイン。

    glóir-aaurélséndoanlúin.
    お越しになる-<(軽いものが)>あの方<主格>ここ以前に

    「あの方は、以前にもここへお越しになった。」

    目上の人のことを第三者に話す文。主語の aurél「あの方」に合わせて、動詞は尊敬の補充形 glóir- を使う。副詞の anlúin も séndo「ここ」も、格語尾をつけずに文の後ろに並べる。

    aurénde, séulin! séirim séndoi dórel.

    読み:アウレンデ、セウリン!セーリン センドイ ドーレル。

    aurénde,séulin!séir-imsénd-oidórel.
    さようなら友待つ-<私が>ここ-<与格>明日

    「「さようなら、友よ。明日ここで待っている。」」

    親しい者どうしの別れ際。別れの aurénde にも「相手の息が無事に昇るように」という願いがこもるが、日常ではただの「さようなら」として使う。séir- は直説法で、時制がないので、「明日待つ」という未来の予定もこの形で言える。

    léimim fáron séndoi. fláinim.

    読み:レーミン ファーロン センドイ。フライニン。

    léim-imfáronsénd-oi.fláinim.
    置く-<私が>荷<対格>ここ-<与格>軽くなった

    「「ここに荷を置くぞ。ああ、軽くなった。」」

    背負った荷を下ろしたときの、文字どおりの言い方。感謝の fláinim は、この「肩が軽くなった」という言い方から広がったとされる。重い荷を下ろすことは、信仰の上でも「軽くなる」ことと結びついている。

    ké éso fenlapúl séndoi?

    読み:ケー エーソ フェンラプール センドイ?

    kéés-ofenlapúlsénd-oi?
    <〜か>いる-<(重いものが)>蒸し枝<主格>ここ-<与格>

    「ここに蒸し枝があるか。」

    汗蒸し小屋や道具場で、蒸し枝の有無を尋ねる口語的な文。存在の動詞 és- は、主語 fenlapúl が重性なので語尾が -o で受け取る。séndoi は séndo「ここ」の与格形。

    éso lúuko séndoi.

    読み:エーソ ルーコ センドイ。

    és-olúukosénd-oi.
    いる-<(重いものが)>熱石<主格>ここ-<与格>

    「ここに熱石がある。」

    肯定の存在文。lúuko は主格として引用形そのものを用いる。

    ké éso lúuko séndoi?

    読み:ケー エーソ ルーコ センドイ?

    kéés-olúukosénd-oi?
    <〜か>いる-<(重いものが)>熱石<主格>ここ-<与格>

    「ここに熱石があるのか。」

    存在文のはい/いいえの問い。ké は文頭に置く。

    tína torár séndoi.

    読み:ティーナ トラール センドイ。

    tín-atorársénd-oi
    落ち着く-<(軽いものが)>客<主格>ここ-<与格>

    「客はここに落ち着く。」

    書物・地の文のような場面。人の身や心が、動揺・緊張・違和感を失ってその場に自然に立てるようになる意。tín- は慣れる対象を裸の与格で示す。séndo は副詞ではなく、sénd- の与格 séndoi を使う。

    tinénde endríña séndoi.

    読み:ティネンデ エンドリーニャ センドイ。

    tin-énd-eendríñasénd-oi
    落ち着く-<〜しますように>-<(軽いものが)>子ども<主格>ここ-<与格>

    「子どもがここに落ち着いてくれますように。」

    祝福・儀礼の定型。願望法では接尾辞 -énd- が強勢を取り、語根の強勢は消えるので tinénde となる。改まった祝福では、目の前の人を3人称として受ける。tín- は慣れる対象を裸の与格で示すので、séndoi を使う。

    séndoi sénim kruléndran

    読み:センドイ セーニン クルレンドラン

    sénd-oisén-imkruléndr-an
    ここ-<与格>見る-<私が>人壁-<対格>

    「ここで人壁が見える。」

    狭い所や広場で、人々が密集して固まっている様子を表す日常の言い方。séndoi は「ここ」の与格で、知覚文の場所を示す。krúlendra は「人壁」を表す軽性a語幹の一語で、目的語としては単数対格 krúlendran になる。

  2. この世(中の世界)

    詩や祈りで、上でも下でもない、人の生きる高原の世界を指す。

    na lúuman aursárai séndo, lúin tóro nébro es orénos.

    読み:ナ ルーマン アウルサーライ センド、ルーイン トーロ ネーブロ エス オレーノス。

    nalúum-anaursár-aiséndo,lúintór-onébroesorén-os.
    <〜ない>ご覧になる-<彼らが>祖先-<〜たちが>この世<対格>とき来る-<(重いものが)>霧<主格>から縁-<属格>

    「縁から霧が上がってくるとき、祖先はこの世をご覧にならない。」

    霧期を恐れる理由を語る言い方。ここでの séndo は話し手のいる場所ではなく、上(天)と下(干潟・地の底)のあいだにある、人の生きる「中の世界」を指す。祖先には「見る」の尊敬の補充形 lúum- を使う。祖先は数えないので、複数はひとまとまりの「方々」の意味になる。

    lúuman aursárai séndo es élvares.

    読み:ルーマン アウルサーライ センド エス エルヴァレス。

    lúum-anaursár-aiséndoesélvar-es.
    ご覧になる-<彼らが>祖先-<〜たちが>この世<対格>から天-<属格>

    「祖先は天からこの世をご覧になる。」

    祖先祀りの詞の一句。上の世界 élvar と、中の世界 séndo が対になる。祖先の行いには尊敬の補充形 lúum- を使う。séndo は重性なので、対格も主格と同じ形になる。

解説

話し手のいる場所を指す場所の指示詞。名詞として格変化し、与格 séndoi で「ここで」、属格 es séndos で「ここから」となる。方向を決めない「どこへ」はないが、séndo は場所そのものが方向を決めるので、前置詞なしの対格で「ここへ」と言える(tór séndo!「ここへ来い」)。場所は地に属するので重性。

文法

重性・o語幹。主・対 séndo、属 séndos、与 séndoi。複数はない。

語源

近称の指示詞 sé +場所名詞を作る -ándo「〜する所」。*sé-ándo が縮んだ形。

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