sílar

品詞
名詞
意味
月
発音
[ˈsilar]
読み
シーラル
分野
自然・天体・天候・地形

意味

  1. 月

    天体の月。二つの月を双数で言う。

    áurau dáu sílarau.

    読み:アウラウ ダウ シーララウ。

    áur-audáusílar-au
    昇る-<双数>二月-<双数>

    「二つの月が昇る。」

    dáu「二」の後ろの名詞は双数になる。双数の動詞は、人称も性も区別しない。月は星ではないので、数えても双数にしてもかまわない。

    du dálor gandér, sílarau áurau.

    読み:ドゥ ダーロル ガンデール、シーララウ アウラウ。

    dudálorgandér,sílar-auáur-au.
    下手下の国<対格>硬木<主格>月-<双数>昇る-<双数>

    「硬木は下の国へ、二つの月は昇る。」

    詩の一句で、十拍(du-dá-lor-gan-dér-sí-la-rau-áu-rau)。前半では動詞を落とし、後半では主語が動詞の前に出ている。会話の中でこの語順を聞くと、高原の人は「詩句の引用だ」とわかる。

    áurau sílarau an ilánais.

    読み:アウラウ シーララウ アン イラーナイス。

    áur-ausílar-auanilán-ais.
    昇る-<双数>月-<双数>上手灯-<〜たちを>

    「二つの月が、星々のほうへ昇る。」

    都の言葉。双数の主語には双数の動詞。

    áuran sílarau an ilánais.

    読み:アウラン シーララウ アン イラーナイス。

    áur-ansílar-auanilán-ais.
    昇る-<彼らが>月-<双数>上手灯-<〜たちを>

    「二つの月が、星々のほうへ昇る。」

    崖道の言葉。名詞は双数のまま、動詞は複数で受ける。

    éso nébro an sílarail.

    読み:エーソ ネーブロ アン シーラライル。

    és-onébroansílar-ail.
    いる-<(重いものが)>霧<主格>上手月-<〜らに>

    「二つの月の上手(北側)に霧がある。」

    前置詞の後ろの双数は、都でも複数の形で代える(双数の属格と与格は同じ形で、前置詞の意味が決まらないため)。

    tóra éndra es sílaraun.

    読み:トーラ エンドラ エス シーララウン。

    tór-aéndraessílar-aun.
    来る-<(軽いものが)>人<主格>から月-<双数の〜の・〜に>

    「人が二つの月のほうから来る。」

    es は属格としか組まないので、双数の属格のままでよい。

    áuran slúun sílarar, na tóra lisár.

    読み:アウラン スルーン シーララル、ナ トーラ リサール。

    áur-anslúunsílar-ar,natór-alis-ár.
    昇る-<彼らが>数えきれぬ月-<〜らの><〜ない>来る-<(軽いものが)>書く-<〜する人>

    「数えきれぬほど月が昇ったが、書記は来ない。」

    詩や改まった語りの言い方。slúun sílarar「千の月」は数えた結果ではなく、「数えきれないほど長い時が過ぎた」という意味の決まり文句。月は星ではないので、数の言い方をしても禁忌には当たらない。時制がないので、áuran は「昇った」とも訳せる。

    ésa virá sílares sé gléin.

    読み:エーサ ヴィラー シーラレス セー グレーン。

    és-avirásílar-ességléin.
    いる-<(軽いものが)>詩句<主格>月-<属格>この<軽性>清い

    「この月の句は清い。」

    詩の挨拶で返された句をほめる言い方。名詞句は「名詞–属格–指示詞」の順に並ぶ。指示詞 sé は格で形が変わらず、名詞句の終わりの目印になる。

    sénimor sílarau es orénos.

    読み:セーニモル シーララウ エス オレーノス。

    sén-imorsílar-auesorén-os.
    見る-<我々が>月-<双数>から縁-<属格>

    「縁から二つの月が見える。」

    白月と赤月の二つを、双数でひと組として言う。月は星ではないので、双数にしても数えても禁忌にならない。es+属格で、方向を問わない「〜から」を表す。

    lúin tóro nébro, na sénimor sílaran.

    読み:ルーイン トーロ ネーブロ、ナ セーニモル シーララン。

    lúintór-onébro,nasén-imorsílar-an.
    とき来る-<(重いものが)>霧<主格><〜ない>見る-<我々が>月-<対格>

    「霧が来ると、月が見えなくなる。」

    霧期の不安を言う文。霧 nébro は重性なので、動詞は3人称単数・重性の -o をとる。主節は直説法なので、否定には na を使う。

    séirim tásan, lúin áura sílar.

    読み:セーリン ターサン、ルーイン アウラ シーラル。

    séir-imtás-an,lúináur-asílar.
    待つ-<私が><あなた>-<対格>とき昇る-<(軽いものが)>月<主格>

    「月が昇るころ、お前を待っている。」

    同じ段の者どうしの、くだけた言い方。tás は②型の語尾で格変化し、対格は tásan になる。lúin は「〜とき」の節を導き、節の中も動詞で始まる。目上の人には tás を使わず、役職名などを3人称で言う。

    áurau dáu sílarau, sénim dáun.

    読み:アウラウ ダウ シーララウ、セーニン ダウン。

    áur-audáusílar-au,sén-imdáun.
    昇る-<双数>二月-<双数>見る-<私が>ふたつ

    「二つの月が昇る。私にはふたつとも見える。」

    dáun は人だけでなく、そろいの二つのものも受ける。ここでは前の節の「二つの月」を受けて、目的語になっている。dáun は主格と対格が同じ形。月は星ではないので、数詞をつけても双数で受けてもかまわない。星をこの形で受けるのは禁忌にあたる。

    lúin tóro nébro, na séno senó dáu sílarau.

    読み:ルーイン トーロ ネーブロ、ナ セーノ セノー ダウ シーララウ。

    lúintór-onébro,nasén-osenódáusílar-au.
    とき来る-<(重いものが)>霧<主格><〜ない>見る-<(重いものが)>目<主格>二月-<双数>

    「霧が来れば、目には二つの月も見えない。」

    霧期の不安を言う、言い習わしのような文。senó は sén-「見る」に重性のもの名詞の接辞 -ó がついた語で、重性なので動詞は -o をとる。月は星ではないので、dáu「二」で数えて双数にしてよい。

    ésa élvar þáil sórel, aurélau dáu sílarau.

    読み:エーサ エルヴァル サイル ソーレル、アウレーラウ ダウ シーララウ。

    és-aélvarþáilsórel,aur-él-audáusílar-au.
    いる-<(軽いものが)>天<主格>澄んだ今日昇る-<〜だろう>-<双数>二月-<双数>

    「今日は天が澄んでいる。二つの月も昇るだろう。」

    乾風期の晴れた日によく交わす言葉。述語の形容詞 þáil は軽性・単数・主格なので語尾がつかない。未来のことは推量法で言い、強勢は -él- に移る。dáu「二」の後ろの名詞は双数になり、双数の動詞は人称も性も区別しない。月は星ではないので、数えて双数にしてもかまわない。

    dúla órel, áurau dáu sílarau.

    読み:ドゥーラ オーレル、アウラウ ダウ シーララウ。

    dúl-aórel,áur-audáusílar-au.
    下る-<(軽いものが)>日<主格>昇る-<双数>二月-<双数>

    「日が沈み、二つの月が昇る。」

    夕暮れを言う決まった言い方で、詩にもよく使われる。日の入りは dúl-「下る」で言う。órel は軽性なので dúla になる。月は星ではないので、dáu「二」と双数で言える。双数の動詞は人称も性も区別しない。

    lúin hála húula, áura sílar.

    読み:ルーイン ハーラ フーラ、アウラ シーラル。

    lúinhál-ahúula,áur-asílar
    とき呼ぶ-<(軽いものが)>ふくろう<主格>昇る-<(軽いものが)>月<主格>

    「ふくろうが呼ぶと、月が昇る。」

    ふくろうを夜と星読みの使いとみる考えにもとづく言い習わし。lúin の節は主節の前に置く。月 sílar も軽性なので、主節の動詞も軽性の -a をとる。

    gélo nébro; sénimor dáu sílarau.

    読み:ゲーロ ネーブロ、セーニモル ダウ シーララウ。

    gél-onébro;sén-imordáusílar-au.
    去る-<(重いものが)>霧<主格>見る-<我々が>二月-<双数>

    「霧が去った。二つの月が見える。」

    霧期の途中で霧が晴れたときの、安堵の言葉。nébro「霧」は重性なので、動詞は重性の -o をとる。月は星ではないので、数詞 dáu をつけて双数で言ってよい。

    lúin áurau sílarau, fluunésa kumbór.

    読み:ルーイン アウラウ シーララウ、フルーネーサ クンボール。

    lúináur-ausílar-au,fluun-és-akumbór.
    とき昇る-<双数>月-<双数>清める-<〜すべし>-<(軽いものが)>青銅<対格>

    「二つの月が昇るときには、青銅を清めるべし。」

    作法書や詞に見られる当為法の文。強勢は -és- に移り、語根の ´ は消える。主語を言わないので「人は〜すべし」の意味で、軽性の -a をとる。月は星ではないので双数で言える。二つの月が重なる夜は秩序が乱れる夜とされ、祀りの器を清める。

    élþan elþái aursárar élvarei, áurau dáu sílarau.

    読み:エルサン エルサイ アウルサーラル エルヴァレイ、アウラウ ダウ シーララウ。

    élþ-anelþ-áiaursár-arélvar-ei,áur-audáusílar-au.
    灯る-<彼らが>火-<〜たちが>祖先-<〜らの>天-<与格>昇る-<双数>二月-<双数>

    「天に祖先たちの火が灯り、二つの月が昇る。」

    詩の言い回し。星を祖先の炉の火と見る考え方から、星を「祖先たちの火」と言い換え、élþ-「灯る」を使っている。星を数えない言い方なので禁忌には当たらない。月は星ではないので、数詞 dáu をつけて双数で言える。

    hóinau dáu sílarau élvarei.

    読み:ホイナウ ダウ シーララウ エルヴァレイ。

    hóin-audáusílar-auélvar-ei.
    巡ってくる-<双数>二月-<双数>天-<与格>

    「二つの月が、また天に巡ってくる。」

    天体が一巡りしてまた現れることに hóin- を使う。dáu「二」の後ろの名詞は双数になり、双数の動詞は人称も性も区別しない。場所は前置詞なしの与格で言う。

    lúin hóina sílar, lísimor viráis aursárail.

    読み:ルーイン ホイナ シーラル、リーシモル ヴィライス アウルサーライル。

    lúinhóin-asílar,lís-imorvir-áisaursár-ail.
    とき巡ってくる-<(軽いものが)>月<主格>書く-<我々が>言葉-<〜たちを>祖先-<〜らに>

    「白月がまた巡ってくると、我々は祖先たちに言葉を書く。」

    白月の満月の夜に祖先を祀る習わしを言う文。白月が一巡りしてまた満ちることに hóin- を使う。lúin の節は主節の前に置く。受け手の祖先たちは複数与格 -ail で示す。

    lúin áura sílar, nóurimor aursárais.

    読み:ルーイン アウラ シーラル、ノーリモル アウルサーライス。

    lúináur-asílar,nóur-imoraursár-ais.
    とき昇る-<(軽いものが)>月<主格>思い慕う-<我々が>祖先-<〜たちを>

    「月が昇るとき、我々は祖先を偲ぶ。」

    祖先祀りの場の言い方。白月は見守る祖先のまなざしの象徴とされ、満月の夜には祖先を祀る。

    lúin sénan éndrai sílarau, gréman aursárar.

    読み:ルーイン セーナン エンドライ シーララウ、グレーマン アウルサーラル。

    lúinsén-anéndr-aisílar-au,grém-anaursár-ar.
    とき見る-<彼らが>人-<〜たちが>月-<双数>畏れる-<彼らが>祖先-<〜らの>

    「人は二つの月を仰ぐとき、祖先を畏れかしこむ。」

    lúin の節は主節の前に置く。月は星ではないので双数で言える。後半の主節では主語を言っていないが、動詞の語尾から前半と同じ人々だとわかる。畏れる対象は属格でとる。

    sáilimor sílarei.

    読み:サイリモル シーラレイ。

    sáil-imorsílar-ei.
    喜ぶ-<我々が>月-<与格>

    「我らは月を喜ぶ。」

    雨期の夜、雲の切れ間から月がのぞいたときの言い方。祖先が屋根の上から覗いているしるしとして喜ばれる。理由は与格で示す。

    lúin áura sílar, ansénan aursárais.

    読み:ルーイン アウラ シーラル、アンセーナン アウルサーライス。

    lúináur-asílar,ansén-anaursár-ais.
    とき昇る-<(軽いものが)>月<主格>思い出す-<彼らが>祖先-<〜たちを>

    「月が昇ると、人々は祖先を思い出す。」

    祖先祀りの習わしを述べる文。月 sílar は軽性なので、動詞は3単・軽性の -a。主節の主語を言わない3人称複数 ansénan は、「人々は」という一般の主語を表す。

    lúin áura sílar ál, sénimor dún.

    読み:ルーイン アウラ シーラル アール、セーニモル ドゥーン。

    lúináur-asílarál,sén-imordún.
    とき昇る-<(軽いものが)>月<主格>明るい見る-<我々が>丘<対格>

    「明るい月が昇ると、我々には丘が見える。」

    月明かりについて言うとき、ál は「明るい」の意味になる。月は軽性なので、動詞は -a をとる。「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。dún は重性なので、対格も主格と同じ形。

    lúin ésa sílar dréum, na sénim póin.

    読み:ルーイン エーサ シーラル ドレウン、ナ セーニン ポイン。

    lúinés-asílardréum,nasén-impóin.
    ときいる-<(軽いものが)>月<主格>暗い<〜ない>見る-<私が>何か

    「月が暗いときは、何も見えない。」

    光がなくて暗いことを言う文。月は軽性なので、繋辞は -a をとり、形容詞は語尾なしで一致する。否定の小辞 na は動詞の直前に置く。

    áurau dáu sílarau séurilau.

    読み:アウラウ ダウ シーララウ セウリラウ。

    áur-audáusílar-auséuril-au.
    昇る-<双数>二月-<双数>美しい-<軽性・双数>

    「美しい二つの月が昇る。」

    乾風期の澄んだ夜空をほめる言い方。dáu「二」の後ろで名詞は双数になり、形容詞も軽性・双数の -au で一致する。月は星ではないので、数えても双数にしてもかまわない。

    sénim dáu sílarau séurilau.

    読み:セーニン ダウ シーララウ セウリラウ。

    sén-imdáusílar-auséuril-au.
    見る-<私が>二月-<双数>美しい-<軽性・双数>

    「美しい二つの月が見える。」

    乾風期の澄んだ夜空を言う文。月は星ではないので、数詞 dáu を添えて双数で言ってかまわない。sílar「月」は軽性なので、形容詞も軽性・双数の séurilau で一致する。

    ámbelai árnelai, sílarau áurau.

    読み:アンベライ アルネライ、シーララウ アウラウ。

    ámbel-aiárnel-ai,sílar-auáur-au.
    金色の-<軽性・〜ら(古い母音交替)・主格>木-<〜たちが>月-<双数>昇る-<双数>

    「金色なるは木々、昇りゆくは二つの月。」

    詩の一句。前半は繋辞を落として形容詞を先に置く、格言・詩の語順。後半は主語が動詞の前に出ている。乾風期の初めに木々の葉が金色に変わり、澄んだ夜空に月が昇るさまを詠む。生えている木 árnel は軽性なので、複数主格は -ai。

    lúin ésa élvar þáil, sénimor sílarau.

    読み:ルーイン エーサ エルヴァル サイル、セーニモル シーララウ。

    lúinés-aélvarþáil,sén-imorsílar-au.
    ときいる-<(軽いものが)>天<主格>晴れた見る-<我々が>月-<双数>

    「空が晴れると、我々には二つの月が見える。」

    lúin で始まる時の節を主節の前に置いている。雲も霧もない空を言う用法で、乾風期の夜によく使う。月は星ではないので、双数で言ってよい。

    ésa snélo élvares dréum, na sénimor sílaran.

    読み:エーサ スネーロ エルヴァレス ドレウン、ナ セーニモル シーララン。

    és-asnéloélvar-esdréum,nasén-imorsílar-an.
    いる-<(軽いものが)>天の屋根<主格>天-<属格>黒い<〜ない>見る-<我々が>月-<対格>

    「天の屋根が黒く、月が見えない。」

    snélo élvares「天の屋根」は高い雲を言う詩的な表現。名詞の形は重性の o語幹のままだが、雲は上に属するものなので一致は軽性になり、繋辞は ésa、述語の形容詞 dréum も軽性の形をとる。雨期の夜によく言う言い方。

    lúin áura sílar, téndimor viráis.

    読み:ルーイン アウラ シーラル、テンディモル ヴィライス。

    lúináur-asílar,ténd-imorvir-áis
    とき昇る-<(軽いものが)>月<主格>句を編む-<我々が>言葉-<〜たちを>

    「月が昇ると、私たちは詩句を編む。」

    月の出を題にして詩を作る習わしを言う文。「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。月 sílar は軽性の子音語幹なので、動詞は -a をとる。詩句 virá の複数対格は viráis。

    lúin tóra nóra, sénimor dáu sílarau.

    読み:ルーイン トーラ ノーラ、セーニモル ダウ シーララウ。

    lúintór-anóra,sén-imordáusílar-au.
    とき来る-<(軽いものが)>夜<主格>見る-<我々が>二月-<双数>

    「夜が来れば、我々は二つの月を見る。」

    乾風期の澄んだ夜を言う日常の文。nóra は軽性a語幹で、強勢は語根にあり、動詞は軽性の -a をとる。月は星ではないので、dáu「二」と双数 sílarau で数えてよい。

    aursáre, sénim dáu sílarau!

    読み:アウルサーレ、セーニン ダウ シーララウ!

    aursáre,sén-imdáusílar-au!
    おお見る-<私が>二月-<双数>

    「おお、二つの月が見える!」

    乾風期の澄んだ夜空への感嘆。月は星ではないので、数詞 dáu と双数で言ってかまわない。aursáre は aursár「祖先」の呼格から来ており、祖先に呼びかける形で感嘆を表す。

    vǘna sílar

    読み:ヴューナ シーラル

    vǘn-asílar
    経つ-<(軽いものが)>月<主格>

    「月が経つ。」

    日常会話での使用。主語の sílar が軽性単数なので、動詞は3人称単数・軽性の語尾 -a をとる。暦としてのひと月が流れる意。

    vǘnau dáu sílarau

    読み:ヴューナウ ダウ シーララウ

    vǘn-audáusílar-au
    経つ-<双数>二月-<双数>

    「二ヶ月が過ぎた。」

    帳簿で期間の満了を示す使用。双数の動詞形で、dáu が双数名詞を要求し、動詞も双数で受ける。

    senáurimor némor sílaran.

    読み:セナウリモル ネーモル シーララン。

    senáur-imornémorsílar-an.
    見上げる-<我々が><我々・主格>月-<対格>

    「私たちは月を見上げる。」

    日常の用法。夜空にある月をふと見上げる。一人称複数。月 sílar は軽性なので対格は -an。

    frándau dáu sílarau.

    読み:フランダウ ダウ シーララウ。

    fránd-audáusílar-au.
    並ぶ-<双数>二月-<双数>

    「二つの月が並ぶ。」

    自然な天体の列の言い表し。双数の主語に双数の動詞が対応する。整列行為ではなく、地平線近くで高さを揃えて見える状態を言う。

    lúin áurau sílarau, gélau némor dáun du krambóra.

    読み:ルーイン アウラウ シーララウ、ゲーラウ ネーモル ダウン ドゥ クランボーラ。

    lúináur-ausílar-au,gél-aunémordáundukrambóra.
    とき昇る-<双数>月-<双数>行く-<双数><我々>二人下手クランボーラ<対格>

    「二つの月が昇ると、我ら二人はクランボーラへ下っていく。」

    道筋や季節を記す書物的な文。lúin 節は読点で主節と区切る。双数の動詞 áurau・gélau は人称を表さないが、主節の némor が加わって話し手を含む二人であることがわかる。du + 対格で下手・南方向への動きを示す。krambóra は固有名詞として、対格でも語尾が立たない。

    éso þóvo sílares vóloi.

    読み:エーソ ソーヴォ シーラレス ヴォーロイ。

    és-oþóvosílar-esvól-oi.
    いる-<(重いものが)>影<主格>月-<属格>地面-DAT.

    「月の影が地面にある。」

    書物・詩的な場面。þóvo が主語で重性なので、存在動詞 és- は 3人称単数・重性の語尾 -o で受ける。þóvo sílares は「名詞+属格」の名詞句で「月の影」。vóloi は vól の与格で、「地面に」と裸の与格で場所を表す。

    wála sílar dórel

    読み:ワーラ シーラル ドーレル

    wál-asílardórel
    変わる-<(軽いものが)>月<主格>明日

    「明日、月が替わる。」

    暦の月が次の月へ移る「替わる」の用法。主語の sílar は軽性なので、動詞は3人称単数軽性の -a をとる。時語の dórel は文末に置ける。

    snelérau sílarau un fléurei

    読み:スネレーラウ シーララウ ウン フレウレイ

    snelér-ausílar-auunfléur-ei
    隠れる-<双数>月-<双数>中に雲-<与格>

    「二つの月が雲に隠れる。」

    二つの月について自然に用いられる双数の文。月は星ではないので数えられ、双数にすることもできる。主語・動詞とも双数で一致している。

  2. 暦の月

    白月の満ち欠けでめぐるひと月。

    hóinim du sílarei sé.

    読み:ホイニン ドゥ シーラレイ セー。

    hóin-imdusílar-eisé.
    帰る-<私が>下手暦の月-<与格>この<軽性>

    「この月が過ぎたら帰る。」

    暦のひと月の意味で使った例。時間を川の流れとして捉えるので、du+与格「〜の下手で」が「〜の後に」の意味になる。

    lísa ilanár sílaran ívelan sóndelei.

    読み:リーサ イラナール シーララン イーヴェラン ソンデレイ。

    lís-ailanársílar-anível-ansóndel-ei.
    書く-<(軽いものが)>星読み<主格>暦の月-<対格>新しい-<軽性・対格>書物-<与格>

    「星読みは新しい月を書物に書き記す。」

    暦を司る星の司の記録の言い方。十の灯の昇る日がずれると、星読みが月を一つ足し、それを書き留める。形容詞 ível は sílaran に合わせて、軽性・単数・対格の -an で一致する。

解説

空の月。白月と赤月の二つがある。月は星ではないので、数えても双数にしてもかまわず、二つの月はよく双数 sílarau で言う。白月は暦の基準で祖先のまなざしの象徴、赤月は潮を動かす「下の国の月」とされる。

文法

軽性・子音語幹。対 sílaran、属 sílares、与 sílarei、双 sílarau、複 sílarai。

語源

古高原語 *sílar から

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