小説
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きのこ
きのこの総称。
mé mán sóumbo só!
読み:メー マーン ソーンボ ソー!
| mé | mán | sóumbo | só! |
| <禁止・願いの打ち消し> | 食べる<命令法><あなたが> | きのこ<対格> | この<重性> |
「このきのこを食べるな!」
禁止は「mé+命令法」で言う。2人称単数の命令法は語尾のない語幹 mán だけの形。sóumbo は重性o語幹なので対格も sóumbo のままで、指示詞も重性の só になる。きのこの見分けは年長者の知恵で、子どもに向けた下向きの禁止として、日常でよく使う言い方。
na dúmarim sóumbo só, ausenár.
読み:ナ ドゥーマリン ソーンボ ソー、アウセナール。
| na | dúmar-im | sóumbo | só, | au-sen-ár. |
| <〜ない> | いただく-<私が> | きのこ<対格> | この<重性> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> |
「目付殿、このきのこはいただけません。」
目上の人に出された食べ物を、へりくだって断るときの言い方。na は直説法の動詞の直前に置く。日常では呼格を使わず、役職名に au- をつけて、文の終わりに読点で区切って添える。理由を言い添えない短い断り方なので、強く響くこともある。
táula kelár sóumbo.
読み:タウラ ケラール ソーンボ。
| tául-a | kel-ár | sóumbo. |
| 取る-<(軽いものが)> | 伐る-<〜する人> | きのこ<対格> |
「樵がきのこを拾い上げる。」
雨期の森での採集を言う、ふつうの直説法の文。語順は動詞–主語–目的語。sóumbo は重性o語幹なので、主格と対格が同じ形になる。主語の kelár「樵」は人なので軽性で、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。
ké éso sóumbo só þérno?
読み:ケー エーソ ソーンボ ソー セルノ?
| ké | és-o | sóumbo | só | þérno? |
| <〜か> | いる-<(重いものが)> | きのこ<主格> | この<重性> | 毒きのこ<主格> |
「このきのこは毒きのこか?」
はい・いいえで答える問いは、文のいちばん前に ké を置いて作る。sóumbo も þérno も重性o語幹なので、指示詞は重性の só、繋辞は重性の éso になる。答えは動詞を繰り返して、éso(そうだ)、na éso(違う)と言う。
rainíþa ólmar sóumbo kelárail.
読み:ライニーサ オルマル ソーンボ ケラーライル。
| rain-íþ-a | ólmar | sóumbo | kel-ár-ail. |
| 知る-<〜させる>-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | きのこ<対格> | 伐る-<〜する人>-<〜らに> |
「年長者が樵たちに、食べられるきのこを教える。」
きのこの見分け方は村の年長者が受け継ぐ知識で、この文はそれを伝える場面を表す。語順は動詞–主語–目的語–与格(受け手)。rainíþ-「教える」は ráin-「知る」に使役の -íþ- がついた語で、強勢は -íþ- に移る。
sénim sóumbo pélsei.
読み:セーニン ソーンボ ペルセイ。
| sén-im | sóumbo | péls-ei. |
| 見る-<私が> | きのこ<対格> | 脂の木-<与格> |
「脂の木のところにきのこが見える。」
sóumbo は重性o語幹なので、対格も主格と同じ形になる。場所は前置詞を使わず与格で言う。pélsa「脂の木」は生えている木なので軽性で、与格は -ei。雨期の森できのこを見つけたときの言い方。
mé mán sóumbo pír só!
読み:メー マーン ソーンボ ピール ソー!
| mé | mán | sóumbo | pír | só! |
| <禁止・願いの打ち消し> | 食べる<命令法><あなたが> | きのこ<対格> | 小さい | この<重性> |
「この小さなきのこを食べるな。」
雨期のきのこ採りで、年長者が若い者に注意する言い方。名詞句は「名詞–形容詞–指示詞」の順で、重性の指示詞 só が名詞句の終わりを示す。
kailér sóumbo, ende.
読み:カイレール ソーンボ、エンデ。
| kail-ér | sóumbo, | ende. |
| 乾く-<〜でする・命令法・あなたが> | きのこ<対格> | どうぞ |
「きのこを乾かしてくれ、頼む。」
市での依頼。縁の市の取引言葉では動詞は語幹形となり、依頼の ende を添える。名詞から動詞を作る接辞 -ér- を含む裸語幹。命令2人称は語幹形で表される。きのこの長期保存調剤を表す。重性o語幹の単数対格は標識をもたない。
grúmbim sóumbo krán
読み:グルンビン ソーンボ クラーン
| grúmb-im | sóumbo | krán |
| 噛む-<私が> | きのこ<対格> | 硬い |
「私は硬いきのこを噛む。」
日常の食卓の平叙文。きのこを重性の食物として扱うため、対格語尾はつかない。krán は重性単数の名詞に一致する形容詞で、単数主格・対格では語尾をとらない。
食べられるきのこ
毒きのこ・酔いきのこと対比して、食用のきのこを指す。
na éso þérno. éso sóumbo, kuuléimor ó sórel.
読み:ナ エーソ セルノ。エーソ ソーンボ、クーレーモル オー ソーレル。
| na | és-o | þérno. | és-o | sóumbo, | kuul-é-imor | ó | sórel. |
| <〜ない> | いる-<(重いものが)> | 毒きのこ<主格> | いる-<(重いものが)> | 食べられるきのこ<主格> | 煮る-<〜だろう>-<我々が> | <3人称単数・重性> | 今日 |
「毒きのこではない。食べられるきのこだ。今日煮よう。」
採ってきたきのこを確かめたときの答え。þérno「毒きのこ」と対比されると、sóumbo は「食べられるきのこ」を指す。主語は言わず、繋辞 és- の重性の語尾 -o で「それは」を表す。推量法の -él- は1人称の語尾の前で l が落ちる(kuuléimor)。
na ráinim ré éso sóumbo. mé mán ó!
読み:ナ ライニン レー エーソ ソーンボ。メー マーン オー!
| na | ráin-im | ré | és-o | sóumbo. | mé | mán | ó! |
| <〜ない> | 知る-<私が> | <〜と(節)> | いる-<(重いものが)> | 食べられるきのこ<主格> | <禁止・願いの打ち消し> | 食べる<命令法><あなたが> | <3人称単数・重性> |
「食べられるきのこかどうか、わからない。食べるな!」
年長者が目下の者に注意するときの言い方。ré で「〜と」の節を導く。禁止は「mé+命令法」で言い、mán- の2人称単数命令形はむき出しの語幹 mán。重性の代名詞 ó は主格と対格が同じ形。
na ésa náuvra þérno, na ésa sóumbo.
読み:ナ エーサ ナウヴラ セルノ、ナ エーサ ソーンボ。
| na | és-a | náuvra | þérno, | na | és-a | sóumbo. |
| <〜ない> | いる-<(軽いものが)> | 酔いきのこ<主格> | 毒きのこ | <〜ない> | いる-<(軽いものが)> | 食べられるきのこ |
「酔いきのこは毒きのこではないが、食べられるきのこでもない。」
きのこを、食べられるもの・毒・薬・酔うものに分ける考え方を示す説明の文。主語の náuvra が軽性なので、繋辞は軽性の ésa になる。重性の sóumbo・þérno と並べると、性の違いが動詞の形に表れる。
きのこの総称。雨期にいっせいに育つ大事な食べ物。地から生えるので重性。狭い意味では食べられるきのこを指し、毒のあるもの(þérno)や酔うもの(náuvra)とは別の語で呼び分ける。見分け方は村の年長者が受け継ぐ。
重性・o語幹(④型)。主対 sóumbo、属 sóumbos、複 sóumbul。
古高原語から受け継いだ語。
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