小説
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袖を引く
相手の袖・衣を指先で軽くつまんで一瞬引く。合図や注意を引く目的の身振り。
súnim tásan
読み:スーニン ターサン
| sún-im | tás-an |
| 袖引く-<私が> | <あなた>-<対格> |
「私はあなたの袖をちょっと引く。」
くだけた用法。sún- は相手の袖・衣端を指先で軽くつまんで一瞬引く身振りで、目的語に相手(人)をとり、「こっちへ」「見てくれ」の軽い合図として使う。力を入れて引く動詞とは別。人称代名詞を目的語にとる場合は対格が必要で、2人称単数の対格は tásan。
心を引く(比喩)
相手の注意や関心を軽く引く。「その話、ちょっとこっちへ引いてくれ」の意で用いる。宮廷の詩や手紙の詩句に見られる。
súna mélna sé nourán
読み:スーナ メルナ セー ノウラーン
| sún-a | mélna | sé | nour-án |
| 袖引く-<(軽いものが)> | 詩<主格> | この<軽性> | 心-<対格> |
「この詩は心を引く。」
書物・詩の用法。sún- は比喩的に「聞き手の注意や関心を軽く引く」意になる。主語 mélna「詩」は軽性a語幹なので、動詞は軽性の直説法3人称単数 sún-a。nourán は軽性a語幹 nourá「心」の対格。
相手の袖・肩・衣の端を指先で軽くつまみ、ほんの一瞬だけ引いて離す身振り。親しい者同士の軽い合図で、「こっちへ来い」「見てくれ」の意を伝える。重い物を引く・曳く krémb- とは強度・目的がまったく違い、手招き martór- とは身体接触を伴う点で区別される。力を入れるというより、指先で布を「つまんで離す」一瞬の動作である。くだけた言葉では単独で使われ、目的語は相手(人)をとる。改まった言葉では「袖を引く」という意味の動詞として用いられるが、宮廷の詩では比喩的に「心を引く」「注意を引く」の意味で出る。
他動詞。完了語幹 sóun-(u→ou の母音交替)。
古高原語 *sún- から。もとは「指先で布を軽くつまむ」の擬態語(指が布を挟んで離す一瞬の音)から生まれた語根と考えられる。
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