小説
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引く・曳く
綱・橇・荷・動物などを引き寄せる・曳く。自分の手や力に対して対象を寄せる動作全般。
krémbim fróumo só.
読み:クレンビン フローモ ソー。
| krémb-im | fróumo | só |
| 引く-<私が> | 荷車<対格> | この<重性> |
「私はこの荷車を引く。」
日常会話。重性o語幹の単数対格は主格と同形で無標識。fróumoは車輪単体ではなく荷車全体を指す。指示詞sóは重性のみの形。
引き寄せる・惹きつける
注意や関心を引き寄せる、人を引きつける。詩や改まった言葉での比喩的用法。
krémban virái sé nouráis
読み:クレンバン ヴィライ セー ノウライス
| krémb-an | vir-ái | sé | nour-áis |
| 引きつける-<彼らが> | 言葉-<〜たちが> | この<軽性> | 心-<〜たちを> |
「これらの言葉は、心を引きつける。」
くだけた日常語でも使える喩的用法。主語が複数なので動詞は3人称複数形をとり、性を区別しない。目的語は「心」の複数対格 nouráis。krémb- の本来の「引く・曳く」から、心や関心を引きつける意味へ転じた文。
krémba virá séuril sé nourán
読み:クレンバ ヴィラー セウリル セー ノウラーン
| krémb-a | virá | séuril | sé | nour-án |
| 引きつける-<(軽いものが)> | 言葉<主格> | 美しい | この<軽性> | 心-<対格> |
「この美しい言葉は、心を引きつける。」
詩的・改まった文体での用法。形容詞 séuril は名詞の直後、指示詞の前に置く。主格の軽性a語幹 virá は語全体を一つの形態素として書き、主語が軽性単数なので動詞は 3人称単数・軽性形 krémba になる。心を引きつけるという抽象的な目的語も、本来の他動詞 krémb- の枠に収まる。
自分へ向けて力を加え、対象を引き寄せる・曳くことを表す高原語本来の他動詞。綱を引く、橇を引く、荷を曳くなど、「自分の手・力に対して対象を寄せる」内向きの動かし方全般に使う。担ぐ(faronér-)や運ぶ(gél-)とは方向性が違い、こちらには「自分のほうへ力をかけて動かす」という内向きの努力が必ずついてくる。降ろし場で綱を引く、凍りの頃に橇を引く、旧道の綱場で荷を上げる、といった動作はかならずこの語で言う。使役形はない(すでに他動詞)。改まった言葉からくだけた崖道の言葉まで、すべての層で使う基本の語。
他動詞。六つの法と人称語尾を規則どおりつける。完了相は語根の母音 e→ee で kéelmb-(引き終えた)。
新語根。語末の mb は rímb-(数える)や fúnel(綱)の mb と同じ、手を握る・力を込める動作の音象徴。古高原語の碑文には見られず、統一期の都の言葉で定着した基本動詞。
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