小説
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足
足首から先の部分。両足は双数 trólou。
na ráumim sórel, éso tról némes gráis.
読み:ナ ラウミン ソーレル、エーソ トロール ネーメス グライス。
| na | ráum-im | sórel, | és-o | tról | ném-es | gráis. |
| <〜ない> | 歩く-<私が> | 今日 | いる-<(重いものが)> | 足<主格> | <私>-<属格> | 悪い |
「今日は歩けない。足が悪いんだ。」
日常会話の文。高原語には「〜できる」を表す専用の形がないので、直説法の否定で「歩かない・歩けない」の両方を表す。tról は重性の子音語幹名詞で、主格と対格が同じ形。
snéimim du autról aldáres áurenes.
読み:スネーミン ドゥ アウトロール アルダーレス アウレネス。
| snéim-im | du | au-tról | aldár-es | áur-en-es. |
| 身をかがめる-<私が> | 下手 | <お〜になる・御〜>-足<対格> | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格> |
「高き座の御足もとへ、身をかがめ奉ります。」
宮廷で王の前に出るときの儀礼の言い方。du+対格で「下手へ」を表し、相手より低いほうへ身を下げることを言葉にしている。目上の人の体の部分なので au- をつける。分詞 áurenes は軽性の aldáres に一致する。
tról krém
読み:トロール クレーン
| tról | krém |
| 足<主格> | 痛い |
「足が痛い。」
炉ばたなど日常の会話で、身体部分名詞を主語、krém を述語に置く基本形。動詞を立てず、くだけた陳述になる。
trolþálo tról só.
読み:トロルサーロ トロール ソー。
| trolþál-o | tról | só. |
| 踏ん張る-<(重いものが)> | 足<主格> | この<重性> |
「この足が踏ん張っている。」
足 tról は体の部分として重性扱いになる。主語 tról に対して動詞は 3人称単数・重性の語尾 -o を受ける。指示詞 só も重性。
sán trǘl némes múelul sórel
読み:サーン トリュール ネーメス ムーエルル ソーレル
| sán | trǘl | ném-es | múel-ul | sórel |
| いる<彼らが> | 足<〜ら(古い母音交替)> | <私>-<属格> | 遅い-<〜ら(古い母音交替)> | 今日 |
「私の足は今日は遅い。」
歩行・作業の速度についていう日常の言い方。身体部位は重性。tról は母音交替による複数 trǘl をもつが、グロスでは非連結変化のため足.PLと一形態素として扱う。複数主語の属性述語には存在動詞の3人称複数 sán を用い、形容詞は主格複数 -ul にする。所有は名詞句の属格で表し、持主の与格にはしない。
麓
崖・山・柱など、高いものの根もと。
fléira ausenár du tról orénos.
読み:フレーラ アウセナール ドゥ トロール オレーノス。
| fléir-a | au-sen-ár | du | tról | orén-os. |
| お出ましになる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | 下手 | 麓<対格> | 縁-<属格> |
「目付殿は縁の麓へお出ましになる。」
tról orénos「縁の麓」は、崖の下、縁の市の立つあたりを指す。du+対格で「下手へ」。fléir- は「行く」の尊敬の補充形。
dúlimor du tról orénos.
読み:ドゥーリモル ドゥ トロール オレーノス。
| dúl-imor | du | tról | orén-os. |
| 下る-<我々が> | 下手 | 麓<対格> | 縁-<属格> |
「我々は縁の麓へ下りる。」
崖道を下りるときの言い方。tról は崖や山の麓のほか、立っている木や柱など高いものの根もとにも使う。du+対格で「下手へ」。tról は重性なので、対格は主格と同じ形になる。
足首から先の足。歩き、坂を上り下りする部分で、体の中でもっとも「下」にある。複数は古い母音交替で trǘl になる。比喩で、崖・山・柱などの根もとを指し、tról orénos「縁の足」は崖の麓のこと。日本語話者には「トロル」「トゥロル」と母音を足して聞こえやすい。
gláko fáron un trǘlmoi
読み:グラーコ ファーロン ウン トリュルモイ
| glák-o | fáron | un | trǘlm-oi |
| 一点で止まる-<(重いものが)> | 荷<主格> | 内に | 裂け目-<与格> |
「荷が裂け目の中で一点で止まる。」
VSO。un+与格で「〜の中で」。主語 fáron は重性なので動詞は 3人称単数・重性の gláko を取る。
名詞・重性・子音語幹。属 trólos、与 tróloi、双 trólou。複数は母音交替で主・対 trǘl、属 trǘlur、与 trǘluls。
古高原語 *tróla から。複数のウムラウトは dǘn・mǘn と同じ古い型。
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