小説
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すべて
単数で、ものの全体・まるごとを表す。
ésa ómbra sáindares lísen.
読み:エーサ オンブラ サインダレス リーセン。
| és-a | ómbra | sáindar-es | lís-en. |
| いる-<(軽いものが)> | すべて<主格> | 証文-<属格> | 書く-<〜した・〜された> |
「証文はすべて書き上がっている。」
単数の ómbra は「まるごと全体」を表し、何の全体かを後ろの属格で示す。ómbra は軽性なので、繋辞は -a をとり、分詞 lísen は軽性・単数・主格で語尾がつかない。掛けの精算の前に証文を確かめるときの言い方。
ésa ómbra lúumen aursárar.
読み:エーサ オンブラ ルーメン アウルサーラル。
| és-a | ómbra | lúum-en | aursár-ar. |
| いる-<(軽いものが)> | すべて<主格> | ご覧になる-<〜した・〜された> | 祖先-<〜らの> |
「すべては、ご先祖さまがご覧になっている。」
祖先祀りや戒めの場で使う、改まった言い方。「見る」の尊敬の補充形 lúum- の分詞に、行為者を表す複数属格 aursárar を添えている。祖先は数えないので、複数はひとまとまりの「方々」を表す。
みな
複数で、欠けなく全員・全部を表す。
hóinan ómbra kelárar.
読み:ホイナン オンブラ ケラーラル。
| hóin-an | ómbra | kel-ár-ar. |
| 帰る-<彼らが> | みな<主格> | 伐る-<〜する人>-<〜らの> |
「樵たちはみな帰っていく。」
ómbra に人を表す複数属格を添えると、「〜たちの全員」、つまり「みな」の意味になる。意味の上では複数を指すので、動詞は3人称複数で受ける。一人ひとりを数えずに全員をまとめて言う言い方。
na tóran ómbra senárar.
読み:ナ トーラン オンブラ セナーラル。
| na | tór-an | ómbra | sen-ár-ar. |
| <〜ない> | 来る-<彼らが> | みな<主格> | 見る-<〜する人>-<〜らの> |
「目付たちがみな来たわけではない。」
na で否定すると、「全員が〜したわけではない」という部分否定になる。ómbra は意味の上で複数を受けるので、動詞は3人称複数になる。
全体・全員を表す数量の代名詞。軽性 ómbra、重性 ómbro の二形がある。単数は「まるごと・全体」、複数 ómbrai/ómbrul は「みな・どれも」の意味。数を数えずに全体を言うので、目上の人々にも使える(ausenárai ómbrai「目付の方々みな」)。「十」を「そろった、欠けのない」と感じる感覚から生まれた語で、「欠けなく全部」という響きがある。
軽性 ómbra(a語幹)、重性 ómbro(o語幹)。単独でも、複数名詞の後ろに置いて一致させても使う。
数詞 ombár「十」の古い形 *ombára から。強勢の位置が移り、母音が落ちて ómbra となった。
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