小説
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十(そろった)
星座名「十の灯」の中の、「そろった・満ちた」の意を帯びた十。
lúin áuran ombára ilánai, dulíþan kelárai gandér.
読み:ルーイン アウラン オンバーラ イラーナイ、ドゥリーサン ケラーライ ガンデール。
| lúin | áur-an | ombára | ilán-ai, | dul-íþ-an | kel-ár-ai | gandér. |
| とき | 昇る-<彼らが> | 十 | 灯-<〜たちが> | 下る-<〜させる>-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> | 硬木<対格> |
「十の灯が昇ると、樵たちは硬木を下ろす。」
「〜とき」の節は lúin で始め、ふつう主節の前に置く。ombára ilánai「十の灯」は星座の名前で、古い形の「十」が固まって残ったもの。星を数えているわけではない。
aurélan ombára ilánai dórel.
読み:アウレーラン オンバーラ イラーナイ ドーレル。
| aur-él-an | ombára | ilán-ai | dórel. |
| 昇る-<〜だろう>-<彼らが> | 十 | 灯-<〜たちが> | 明日 |
「明日、十の灯が昇るだろう。」
星読みが年の始まりを告げるときの言い方。ombára は星座名の中にだけ残る古い形の「十」で、「そろった・満ちた」という意味を帯びる。格変化はせず、複数の ilánai を前から飾る。ilánai は a語幹 ilána の複数主格で、語根 ilán- に軽性の複数主格の語尾 -ai がついた形。動詞の前に出られる語は限られているので、時を表す dórel は文末に置く。確かでない未来なので推量法を使う。
lúin áuran ombára ilánai, dúlan kelárai du orén.
読み:ルーイン アウラン オンバーラ イラーナイ、ドゥーラン ケラーライ ドゥ オレーン。
| lúin | áur-an | ombára | ilán-ai, | dúl-an | kel-ár-ai | du | orén. |
| とき | 昇る-<彼らが> | 十 | 灯-<〜たちが> | 下る-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> | 下手 | 縁<対格> |
「十の灯が昇ると、樵たちは縁へ下りていく。」
「〜とき」の節は lúin で始めて、主節の前に置く。ombára ilánai「十の灯」は年の始まりを告げる星の群れの名前で、ombára は数えた結果ではなく名前の一部。そのため、星を数えることの禁忌には当たらない。ilánai は語根 ilán- に複数主格の語尾 -ai がついた形。
lúin áuran ombára ilánai, þrínan éndrai.
読み:ルーイン アウラン オンバーラ イラーナイ、スリーナン エンドライ。
| lúin | áur-an | ombára | ilán-ai, | þrín-an | éndr-ai. |
| とき | 昇る-<彼らが> | 十 | 灯-<〜たちが> | 目を覚ます-<彼らが> | 人-<〜たちが> |
「十の灯が昇ると、人々は目を覚ます。」
暦や儀礼の詞に似た書面の文。lúin 節は主節の前に置く。ombára ilánai は「十の灯」という星座名で、古い形 ombára が名前にだけ残っている。「十の灯」は通常の星の数えではなく、星を数えている意味にはならない。3複数の動詞は性を区別しない。
lúin áuran ombára ilánai, seláura ólmar.
読み:ルーイン アウラン オンバーラ イラーナイ、セラウラ オルマル。
| lúin | áur-an | ombára | ilán-ai, | seláur-a | ólmar |
| とき | 昇る-<彼らが> | 十 | 灯-<〜たちが> | 目覚める-<(軽いものが)> | 年長者<主格> |
「十の灯が昇ると、年長者は目を覚ます。」
書物・年代記向けの描写。lúin による時節節が主節の前に置かれる。áuran ombára ilánai は「十の灯が昇る」という星座名に基づく定型表現。主節の seláura は主語 ólmar に一致して軽性 3 人称単数。
áuran ombára ilánai, duói dulíþan kelárai dulfáron.
読み:アウラン オンバーラ イラーナイ、ドゥオイ ドゥリーサン ケラーライ ドゥルファーロン。
| áur-an | ombára | ilán-ai, | duói | dul-íþ-an | kel-ár-ai | dulfáron. |
| 昇る-<彼らが> | 十 | 灯-<〜たちが> | その次に | 下る-<〜させる>-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> | 下ろし荷<対格> |
「十の灯が昇る。その次に、樵たちが下ろし荷を下ろす。」
年代記の記事を読み上げる場面。決まった順の項目を、文1, duói 文2の形でつなぐ改まった用法。duóiは原因ではなく単に項目順を示す。第二節は動詞で始まる。
数の十の古い形。今は星座名 ombára ilánai「十の灯」の中にだけ固まって残る。この「十」は数えた結果ではなく、「そろった、満ちた」という意味で、名前全体は「そろいの灯」というほどの意味になる。ふだんの「十」は ombár。
数詞の古形。不変化で、星座名の中でのみ使う。
古高原語 *ombára。ふつうの数詞では古い脱落で ombár になったが、星座名の中では古い形が保たれた。dáumbar「二十」にもこの語が含まれる。
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