小説
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昇る風
崖で押し上げられて雲をつくる、雨期の南の風。
lúin tóra aurléuma, auriþéla nébro.
読み:ルーイン トーラ アウルレウマ、アウリセーラ ネーブロ。
| lúin | tór-a | aurléuma, | aur-iþ-él-a | nébro. |
| とき | 来る-<(軽いものが)> | 昇る風<主格> | 昇る-<〜させる>-<〜だろう>-<(軽いものが)> | 霧<対格> |
「昇る風が吹いてくれば、霧を持ち上げるだろう。」
霧期の終わりに、農村で雨期の訪れを読む文。霧が持ち上げられて雲に変わると、雨期が始まる。aurléuma は崖下から来るが、崖で押し上げられて雲をつくるので、重性の duléumo とは別の軽性の語になり、動詞も軽性の -a をとる。aur-íþ- は「昇る」の使役で「上げる」の意味。推量法の -él- が強勢を奪うので auriþéla となる。主語は前の節と同じなので、主節では言わない。nébro は重性なので、主格と対格が同じ形になる。
áura aurléuma es orénos, auríþa nébro an élvaran.
読み:アウラ アウルレウマ エス オレーノス、アウリーサ ネーブロ アン エルヴァラン。
| áur-a | aurléuma | es | orén-os, | aur-íþ-a | nébro | an | élvar-an. |
| 昇る-<(軽いものが)> | 昇る風<主格> | から | 縁-<属格> | 昇る-<〜させる>-<(軽いものが)> | 霧<対格> | 上手 | 天-<対格> |
「昇る風は縁から昇り、霧を天へと持ち上げる。」
雨期の天気のしくみを説明する、書物風の文。an+対格で「上手へ」、つまり天のほうへ向かうことを表す。霧は昇る風に天まで引き上げられると、上に属する清い雲に変わると考えられている。地を這う霧(重性)が自分から雲になるわけではなく、昇る風に引き上げられて初めて雲になる、という見方である。
霧期の終わりから雨期にかけて南から吹く暖かく強い風。下から来る風だが、崖にぶつかって押し上げられ、天で雲になるので、duléumo とは別の良い風として呼び分ける。この風が霧を持ち上げて雲に変えると雨期が始まり、人々は「霧が天に引き上げられた」と安堵する。
軽性・a語幹(①型)。属 aurléumes。
áur-「昇る」+ léuma「風」の複合語。
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