小説
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首布・頭巾
首から頭にかけて巻く布製の装具。凍りの頃の実用的な外出装束。
glünlúin, ésa dralsnéla némes fóum
読み:グリュンルーイン、エーサ ドラルスネーラ ネーメス フォーン
| glünlúin, | és-a | dralsnéla | ném-es | fóum |
| 凍りの頃 | いる-<(軽いものが)> | 首布<主格> | 私-<属格> | 暖かい |
「凍りの頃、私の首布は暖かい。」
凍りの頃の実用的な外出装具について述べる日常の文。時間名詞 glünlúin を場面の枠として動詞前に置いた。dralsnéla は軽性 a 語幹扱いで、単数主格の語尾は -a。所有は名詞の直後の属格で表す。
ésa dralsnéla aursáres trúum
読み:エーサ ドラルスネーラ アウルサーレス トルーン
| és-a | dralsnéla | aursár-es | trúum |
| いる-<(軽いものが)> | 首布<主格> | 祖先-<属格> | 古びた |
「祖先の首布は古びている。」
書物や家系の記録のような文脈に合う、古い装具を指す文。dralsnéla に属格 aursáres を直後に置いて所有を表す。述語の trúum は物の古びた状態を表す。
首巻き
頭を覆わずに首のあたりだけ巻く短い布。凍りの頃でなく、風の強い日の外出にも使う。
na ésa dralsnéla némes grémo
読み:ナ エーサ ドラルスネーラ ネーメス グレーモ
| na | és-a | dralsnéla | ném-es | grémo |
| <〜ない> | いる-<(軽いものが)> | 首巻き<主格> | 私-<属格> | 帽子<主格> |
「私の首巻きは帽子ではない。」
頭を覆う帽子 grémo と区別し、頭巾ではなく首巻きであることを明確にする否定の文。否定のコピュラ文では na を動詞前に置く。述語名詞 grémo は主格のまま置く。
lúin tóra léuma, kréla dralsnéla
読み:ルーイン トーラ レウマ、クレーラ ドラルスネーラ
| lúin | tór-a | léuma, | krél-a | dralsnéla |
| とき | 来る-<(軽いものが)> | 風<主格> | 足りる-<(軽いものが)> | 首巻き<主格> |
「風が吹くと、首巻きで足りる。」
凍りの頃でなく、風の強い日に、首のあたりだけ巻く装いで間に合うという用例。lúin が導く節は「lúin 動詞 主語」の順で、tóra léuma のように動詞が主語に先行する。主節では kréla の主語が dralsnéla。krél- は「足りる」を表す自動詞。
首から頭(ときどき肩)までを巻く布製の装具。字義は「首の布」。凍りの頃の外出装束で、rása(全身の衣)や síndra(腰の帯)とは区別される、頭と首に限定された部位の装い。布製のものは湖盆の町で織られ、毛皮やフェルトを縫い込んだものは森の民が手作りとする。都の帳簿では装束の欄に dralsnéla と書き、縁の市の取引言葉では語末を落として dralsnél と言うことがある。
軽性・a語幹
drál「首」+snéla「布」。複合語。前の要素 drál の強勢は落ち、後ろの snéla の強勢が残る。
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