小説
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衣
身にまとう衣服。
ésa rása sé gléin.
読み:エーサ ラーサ セー グレーン。
| és-a | rása | sé | gléin. |
| いる-<(軽いものが)> | 衣<主格> | この<軽性> | 清い |
「この衣は清らかだ。」
繋辞の文。rása は軽性なので、繋辞は -a、指示詞は sé、形容詞 gléin は軽性・主格の形(語尾なし)になる。
tául rása, ende.
読み:タウル ラーサ、エンデ。
| tául | rása, | ende. |
| 取る<命令法><あなたが> | 衣 | どうぞ |
「その衣を取ってくれ、頼む。」
縁の市の取引言葉。格の語尾が落ちるので、目的語でも rása の形のままになる。動詞は語幹をむき出しにした形で使い、最後に ende を添える。
krailsál rásan, endríña!
読み:クライルサール ラーサン、エンドリーニャ!
| krailsál | rás-an, | endríña! |
| 丁寧に畳む<命令法><あなたが> | 衣-<対格> | 子 |
「衣を丁寧に畳みなさい、この子。」
手仕事を教える場。命令法2人称単数は語幹のむき出し形で、語幹末の l は語末に置ける。文末の endríña は呼語で、日常では呼格語尾を添えず、名詞をそのまま置く。rása は軽性a語幹で、対格は rás-an の形をとる。
unsléla líura rásan.
読み:ウンスレーラ リーウラ ラーサン。
| unslél-a | líura | rás-an. |
| 裏返して広げる-<(軽いものが)> | 女<主格> | 衣-<対格> |
「女は衣を裏返して広げる。」
直説法基本語順の叙述文。主語の女は人なので軽性、動詞は軽性の語尾 -a をとる。衣は対格 rásan。日常の家事・仕立・繕いの場面。
unsléla senár rásan.
読み:ウンスレーラ セナール ラーサン。
| unslél-a | senár | rás-an. |
| 裏地を確かめる-<(軽いものが)> | 目付<主格> | 衣-<対格> |
「目付は衣の裏地を確かめる。」
公的な検め、帳簿や記録に立てられるような短文。主語の目付は人なので軽性、動詞は -a。目的語の衣は対格 rásan。
sán rásai eulérenai sé.
読み:サーン ラーサイ エウレーレナイ セー。
| sán | rás-ai | euléren-ai | sé. |
| いる<彼らが> | 衣-<〜たちが> | 別々の-<〜たちが> | この<軽性> |
「これらの衣は互いに違っている。」
比べる相手を言わない複数主語なので、「それぞれ別だ」の意味になる。日常の仕立てや市でのやり取りの形。指示詞 sé が名詞句の終わりを示す。
brínau unlóur rása si síndra.
読み:ブリーナウ ウンロール ラーサ シ シンドラ。
| brín-au | unlóur | rása | si | síndra |
| ゆるむ-<双数> | まだ | 衣<主格> | と | 帯<主格> |
「衣と帯が、まだゆるんでいる。」
衣類の手入れや寸法書きのような、記述的な一文。unlóur は動詞の直後に置き、事態が変わる瀬がまだ来ていない「まだ」を示す。brín- の sense 2、つまり布地や帯が使い古されて全体がしまりを失う意味で使う。
bríno snóimo ráses.
読み:ブリーノ スノイモ ラーセス。
| brín-o | snóimo | rás-es |
| ほつれる-<(重いものが)> | 肩ぐち<主格> | 衣-<属格> |
「衣の肩ぐちがほつれている。」
《肩ぐち》は衣の肩部の縫い目・開きを指す用法。《衣》の単数属格を名詞に後置して、物の一部を示す。主語節は重性で、動詞語尾は HV。
frúnim snóimo ráses.
読み:フルーニン スノイモ ラーセス。
| frún-im | snóimo | rás-es |
| 繕う-<私が> | 肩ぐち<対格> | 衣-<属格> |
「私は衣の肩ぐちを繕う。」
一人称主語は動詞語尾で示され、代名詞は省く。他動詞《繕う》の目的語として《肩ぐち》が来る。重性単数の対格は主格と同形。
重ね
重ね着の一枚。『何枚の衣』で身分の重さを遠回しに言う。
ésa ín rása némei.
読み:エーサ イーン ラーサ ネーメイ。
| és-a | ín | rása | ném-ei. |
| いる-<(軽いものが)> | 一 | 重ね<主格> | <私>-<与格> |
「私は一重ねの身にすぎません。」
重ねる衣の枚数が身分の段を表すことから、自分の身分の低さをへりくだって言う言い方。所有を「ある+持ち主の与格」で表している。動詞は持たれている物の rása(軽性)に一致する。ín「一」の後ろなので、名詞は単数になる。
ésa aurása aulisáres séuril.
読み:エーサ アウラーサ アウリサーレス セウリル。
| és-a | au-rása | au-lis-ár-es | séuril. |
| いる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-重ね<主格> | <お〜になる・御〜>-書く-<〜する人>-<属格> | 美しい |
「書記の方のお重ねは見事でございます。」
目上の人の衣の重ねを、au- をつけて高めている。r の前なので、au- は形を変えない。持ち主を表す属格 aulisáres にも au- がつく。
身にまとう衣、着物。毛山羊の毛織物やフェルト、草の繊維の布で作り、寒さのために何枚も重ねて着る。重ねる枚数と色が身分の段を表し、下の段は生成りや灰色、上の段ほど黄・緑・茶・赤が許され、紫は二段下りより上にかぎられる。織物は軽性に属する。
軽性・a語幹(語根に強勢)。対 rásan、属 rások ではなく ráses でもなく ráses は誤り:属 ráses、複 rásai。
古高原語 *rása から
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