小説
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下ろし荷
高原から縁の市へ下ろす交易の荷。
dúlan dulfáronul bróusul du orén sórel.
読み:ドゥーラン ドゥルファーロヌル ブロースル ドゥ オレーン ソーレル。
| dúl-an | dulfáron-ul | bróus-ul | du | orén | sórel. |
| 下る-<彼らが> | 下ろし荷-<〜たちが> | 多い-<〜たちが> | 下手 | 縁<対格> | 今日 |
「今日は多くの下ろし荷が縁へ下りていく。」
乾風期の前半、降ろし場や崖道で聞かれる日常の文。形容詞 bróus は名詞の後ろに置き、名詞の性・数・格に一致する。dulfáron は重性なので、形容詞も重性の複数主格 -ul をとる。動詞は複数の主語に一致して3人称複数 -an になる。
lísa lisár dulfáron kéndoros orénos.
読み:リーサ リサール ドゥルファーロン ケンドロス オレーノス。
| lís-a | lisár | dulfáron | kéndor-os | orén-os. |
| 書く-<(軽いものが)> | 帳付け<主格> | 下ろし荷<対格> | 縁の市-<属格> | 縁-<属格> |
「帳付けが縁の市の下ろし荷を書きつける。」
商家や市で帳簿をつける者を言う文。帳簿の見開きの片側には下ろし荷を、もう片側には上げ荷を書く。dulfáron は重性で、対格は主格と同じ形。
dúlan dulfáronul du orén.
読み:ドゥーラン ドゥルファーロヌル ドゥ オレーン。
| dúl-an | dulfáron-ul | du | orén. |
| 下る-<彼らが> | 下ろし荷-<〜たちが> | 下手 | 縁<対格> |
「下ろし荷が縁へ下りていく。」
dulfáron は fáron「荷」と同じく重性の子音語幹で、複数主格は dulfáronul になる。3人称複数の動詞は性を区別しない。乾風期の前半、硬木・地金・紙などの下ろし荷が崖道を下りる。
luuménde ausenár dulfáron só.
読み:ルーメンデ アウセナール ドゥルファーロン ソー。
| luum-énd-e | au-sen-ár | dulfáron | só. |
| ご覧になる-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | 下ろし荷<対格> | この<重性> |
「目付殿に、この下ろし荷をご覧いただきたく存じます。」
都の大商家の手代が市の目付に頼むときの、改まった言い方。命令の代わりに願望法の3人称を使い、目の前の相手を「目付殿」という主語として扱う。lúum- は「見る」の尊敬の補充形。下ろし荷は重性なので主格と対格が同じ形で、指示詞も重性の só を使う。
brúnan faronárai dulfáron.
読み:ブルーナン ファロナーライ ドゥルファーロン。
| brún-an | faron-ár-ai | dulfáron |
| 背負う-<彼らが> | 荷-<〜する人>-<〜たちが> | 下ろし荷<対格> |
「運び人たちは下ろし荷を背負う。」
縁の市での仕事の描写。faronárは人なので、動詞は性を区別しない3複。dulfáronは「下ろし荷」を表す重性名詞で、対格も主格と同形。
vrúela faronár dulfáron.
読み:ヴルーエラ ファロナール ドゥルファーロン。
| vrúel-a | faronár | dulfáron. |
| 懸ける-<(軽いものが)> | 運び人<主格> | 下ろし荷<対格> |
「運び人が下ろし荷を懸ける。」
他動詞用法。主語 faronár は人を指すので軽性語尾 -a をとる。目的語 dulfáron は重性名詞で、対格は主格と同形。動詞の直後に主語、その後に目的語という基本語順に従う。
un drúnoroi, krándan faronárai dulfáronul
読み:ウン ドルーノロイ、クランダン ファロナーライ ドゥルファーロヌル
| un | drúnor-oi, | kránd-an | faron-ár-ai | dulfáron-ul |
| 内に | 道-<与格> | 奪う-<彼らが> | 荷-<〜する人>-<〜たちが> | 下ろし荷-<〜たちを> |
「崖道で、運び人たちが下ろし荷を掠め取る。」
道での争いや混乱に乗じて、荷を取り合う場面。un+与格の場所句を動詞の前に置くと、そこで起きた出来事として述べる。運び人は faron「荷」+-ár「〜する人」で表し、複数主格は faronárai。下ろし荷 dulfáron は重性複数名詞で、主格と対格が同形。
séulan lisárai dulfáron hóumuls.
読み:セウラン リサーライ ドゥルファーロン ホームルス。
| séul-an | lis-ár-ai | dulfáron | hóum-uls. |
| 散らして配る-<彼らが> | 書く-<〜する人>-<〜たちが> | 下ろし荷<対格> | 炉-<与格・〜ら(古い母音交替)> |
「書記たちが、下ろし荷を各家の炉へ配る。」
倉・市での分配を表す日常用法。dulfáron は下ろし荷という集団的な受詞。hóumuls は与格複数で、各家の世帯を表す。動詞 séulan は主語 lisárai と複数一致している。
buldúla faronár dulfáron un krailándoi
読み:ブルドゥーラ ファロナール ドゥルファーロン ウン クライランドイ
| buldúl-a | faronár | dulfáron | un | krailánd-oi |
| 支える-<(軽いものが)> | 運び人<主格> | 下ろし荷<対格> | 内に | 継ぎ場-<与格> |
「運び人が継ぎ場で下ろし荷を根を下ろすように支える。」
降ろし場での仕事の手順を示す日常の文。主語 faronár は人なので軽性、動詞は 3人称単数・軽性 -a をとる。dulfáron は重性で、対格が主格と同形。un は与格支配の前置詞。krailándo の与格は krailándoi で、形態素は krailánd-oi となる。buldúl- は krún- より、荷をその場で長くとどめて支えるニュアンスが強い。
áuran ombára ilánai, duói dulíþan kelárai dulfáron.
読み:アウラン オンバーラ イラーナイ、ドゥオイ ドゥリーサン ケラーライ ドゥルファーロン。
| áur-an | ombára | ilán-ai, | duói | dul-íþ-an | kel-ár-ai | dulfáron. |
| 昇る-<彼らが> | 十 | 灯-<〜たちが> | その次に | 下る-<〜させる>-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> | 下ろし荷<対格> |
「十の灯が昇る。その次に、樵たちが下ろし荷を下ろす。」
年代記の記事を読み上げる場面。決まった順の項目を、文1, duói 文2の形でつなぐ改まった用法。duóiは原因ではなく単に項目順を示す。第二節は動詞で始まる。
prambérim dulfáron só.
読み:プランベーリン ドゥルファーロン ソー。
| prambér-im | dulfáron | só |
| 値踏みする-<私が> | 下ろし荷<対格> | この<重性> |
「私はこの下ろし荷を値踏みしている。」
市での商人の独り言。第一人称の主語は動詞の語尾で示し、目的語を省略しない。dulfáron は重性名詞で対格語尾がない。指示詞 só が名詞句を閉じる。
gláko dulfáron króunoi
読み:グラーコ ドゥルファーロン クローノイ
| glák-o | dulfáron | króun-oi |
| 一点で止まる-<(重いものが)> | 下ろし荷<主格> | 折れ目-<与格> |
「下ろし荷が折れ目で一点だけ止まる。」
VSO。króun は重性子音語幹として与格 króunoi に取る。glák- は進行を一時止める動きを表す。
flóra þundár dulfáron.
読み:フローラ スンダール ドゥルファーロン。
| flór-a | þund-ár | dulfáron. |
| 裁定する-<(軽いものが)> | 法官-<〜する人> | 下ろし荷<対格> |
「法官が下ろし荷について裁定する。」
揉め事や争いに対して結論を出す用法。主語 þundár「法官」、目的語 dulfáron「下ろし荷」。重性の単数対象で、対格は主格と同形。
kréimo plíndo dulfáron faronárei.
読み:クレーモ プリンド ドゥルファーロン ファロナーレイ。
| kréim-o | plíndo | dulfáron | faronár-ei. |
| 述べる-<(重いものが)> | 荷札<主格> | 下ろし荷<対格> | 運び人-<与格> |
「荷札は運び人に下ろし荷について述べている。」
縁の市での荷札の叙述的用法。木製の荷札は重性なので、動詞は重性の語形をとる。荷札に書かれた内容を、荷札自身を主語として述べる。
高原から崖の下へ下ろす荷。硬木の丸太と杭、銅と錫の地金、青銅器、紙、樹脂、蝋と蜜、毛皮、毛織物など。帳簿の見開きの片側に下ろし荷を、もう片側に上げ荷を書いて突き合わせる。市の決まり文句の一つ。
重性・子音語幹(③型)。複 dulfáronul、属複 dulfáronur。
dúl-「下る」+ fáron「荷」の複合語。
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