fínd-

品詞
動詞(他動詞)
意味
聞く
発音
[ˈfind]
読み
フィンド
分野
知覚・感情・思考・発話

意味

  1. 聞く

    音や言葉を耳で聞く。

    toríro nébro, mé vír þelán! ésa þelá selvá, fíndo dálor.

    読み:トリーロ ネーブロ、メー ヴィール セラーン!エーサ セラー セルヴァー、フィンド ダーロル。

    tor-ír-onébro,mévírþel-án!és-aþeláselvá,fínd-odálor.
    来る-<もし〜なら>-<(重いものが)>霧<主格><禁止・願いの打ち消し>言う<命令法><あなたが>名前-<対格>いる-<(軽いものが)>名前<主格>息<主格>聞く-<(重いものが)>下の国<主格>

    「霧が来たら名を呼ぶな。名は息だ、下の国が聞きつける。」

    霧期の禁忌を子どもに教える言い方。口に出した名前を selvá「息」としてとらえている。条件の節は動詞を仮定法にするだけで作る。dálor は重性なので、動詞 fínd- は重性の -o をとる。

    ké fíndes póin?

    読み:ケー フィンデス ポイン?

    kéfínd-espóin?
    <〜か>聞く-<あなたが>何か<対格>

    「何か聞こえるか?」

    霧期の夜、不安になって連れに尋ねる言い方。はい・いいえで答える問いなので、文のいちばん前に ké を置く。póin は重性なので、主格と対格が同じ形になる。霧の中では名前を呼ばないので、正体のわからないものは póin や指示詞で指すことが多い。

    fíndan aursárai viráis gléinais.

    読み:フィンダン アウルサーライ ヴィライス グレーナイス。

    fínd-anaursár-aivir-áisgléin-ais.
    聞く-<彼らが>祖先-<〜たちが>言葉-<〜たちを>清い-<軽性・〜ら(古い母音交替)・対格>

    「祖先たちは、清い言葉を聞き届ける。」

    整った言葉は息となって上へ昇り、天の祖先に届くという信仰を表す、格言のような一句。主語の複数主格 aursárai に合わせて、動詞は3人称複数の -an をとる。形容詞 gléin は、修飾する viráis に合わせて軽性・複数・対格の -ais で一致する。

    mé vír sérin, findéla éndra.

    読み:メー ヴィール セーリン、フィンデーラ エンドラ。

    mévírsérin,find-él-aéndra.
    <禁止・願いの打ち消し>言う<命令法><あなたが>このように聞く-<〜だろう>-<(軽いものが)>他人<主格>

    「そんなことを言うな、人に聞かれるぞ。」

    目下の者や身内をたしなめるときの言い方。後半は推量法で、「誰かが聞くだろう」という意味になる。ここの éndra は特定の人ではなく、不特定の他人を指す。

    fíndim duléumo gráis es dáloros.

    読み:フィンディン ドゥレウモ グライス エス ダーロロス。

    fínd-imduléumográisesdálor-os.
    聞く-<私が>不穏な気配<対格>悪いから下の国-<属格>

    「下の国のほうから、よからぬ気配が聞こえてくる。」

    比喩の意味の用例で、病のはやりや悪い噂が崖下から伝わってくることを言う。duléumo は重性なので、主格と対格が同じ形になり、動詞のすぐ後ろの語順で目的語だとわかる。形容詞 gráis も重性・単数・対格に一致するので語尾はつかない。風の「気配」を聞きとるという言い方なので、fínd-「聞く」と組むことが多い。

    fíndan aursárai viráis némores an élvarei.

    読み:フィンダン アウルサーライ ヴィライス ネーモレス アン エルヴァレイ。

    fínd-anaursár-aivir-áisnémor-esanélvar-ei.
    聞く-<彼らが>祖先-<〜たちが>言葉-<〜たちを><我々>-<属格>上手天-<与格>

    「祖先たちは天の上で、我々の言葉を聞いている。」

    信仰を説く言い方。言葉は息なので上へ昇り、天にいる祖先の耳に届く、という考えを表している。時制がないので、いつでも成り立つ事柄として直説法で言う。an+与格で「上手の側で」。

    ké fíndes virán némes?

    読み:ケー フィンデス ヴィラーン ネーメス?

    kéfínd-esvir-ánném-es?
    <〜か>聞く-<あなたが>言葉-<対格><私>-<属格>

    「俺の声が聞こえるか。」

    日常のくだけた問い。はい・いいえで答える問いなので、文のいちばん前に ké を置き、2人称を使っている(下向きか並びの話し方)。答えるときは動詞を繰り返し、fíndim「聞こえる」/na fíndim「聞こえない」と言う。virá「言葉」は、ここでは相手に届く声や話を指す。

    na fíndan aursárai virán múran.

    読み:ナ フィンダン アウルサーライ ヴィラーン ムーラン。

    nafínd-anaursár-aivir-ánmúr-an.
    <〜ない>聞く-<彼らが>祖先-<〜たちが>言葉-<対格>崩れた-<軽性・対格>

    「祖先は崩れた言葉を聞き入れない。」

    宮廷や家で、言葉づかいを戒めるときの言い方。virá「言葉」は軽性なので、形容詞は軽性・対格の -an をとって múran となる。崩れた言葉は重く、上へ昇らないという信仰が背景にある。

    ésa ambrél némes krán, na fínda viráis némes.

    読み:エーサ アンブレール ネーメス クラーン、ナ フィンダ ヴィライス ネーメス。

    és-aambrélném-eskrán,nafínd-avir-áisném-es.
    いる-<(軽いものが)>兄姉<主格><私>-<属格>頑固な<〜ない>聞く-<(軽いものが)>言葉-<〜たちを><私>-<属格>

    「兄は頑固で、私の言うことを聞かない。」

    家族についての愚痴。人について言うときは軽性の一致になり、繋辞は éisa をとる。ambrél は年上のきょうだいを指し、性別は区別しない。属格 némes は名詞の後ろに置く。

    lúin éso nébro, na áura þondá, na fíndan aursárai élan.

    読み:ルーイン エーソ ネーブロ、ナ アウラ ソンダー、ナ フィンダン アウルサーライ エーラン。

    lúinés-onébro,naáur-aþondá,nafínd-anaursár-aiél-an.
    ときいる-<(重いものが)>霧<主格><〜ない>昇る-<(軽いものが)>誓い<主格><〜ない>聞く-<彼らが>祖先-<〜たちが><3人称単数・軽性>-<対格>

    「霧が出ているときには、誓いは昇らない。祖先にはそれが聞こえない。」

    霧の夜に立てた誓いは無効だという教えを述べる文。霧 nébro は重性なので éso、þondá は軽性なので動詞は -a で一致する。後半では、その誓いを軽性の代名詞の対格 élan で受けている。

    póþul? na fíndim.

    読み:ポースル?ナ フィンディン。

    póþul?nafínd-im.
    なんだって<〜ない>聞く-<私が>

    「なんだって? 聞こえなかった。」

    相手の言葉が聞き取れなかったときの聞き返し。風の強い縁の肩や、騒がしい市でよく使う。くだけた言い方なので、目上の人には使わない。目上の人に聞き返すときは、推量法を使った遠回しな言い方にする。

    ké fíndes þúmvan?

    読み:ケー フィンデス スンヴァン?

    kéfínd-esþúmva-n?
    <〜か>聞く-<あなたが>口笛-<対格>

    「「口笛が聞こえるか。」」

    ké を文頭に置くありふれた問い。口笛を目的語に取っており、軽性a語幹の対格は語幹 þúmva に -n が付く形になっている。

    nébroi, fíndim kíl.

    読み:ネーブロイ、フィンディン キール。

    nébr-oi,fínd-imkíl.
    霧-<与格>聞く-<私が>口笛<対格>

    「霧の中では、口笛が聞こえる。」

    霧の中や見通しの悪い場所で、人の位置を伝える合図としての用法。nébr-oiは霧の与格で「霧の中で」。fíndimは1人称主語を動詞語尾で示す。kílは重性子音語幹で、主格・対格同形のため対格もkíl。

    findíþa senár virán faronárei.

    読み:フィンディーサ セナール ヴィラーン ファロナーレイ。

    find-íþ-asenárvir-ánfaronár-ei.
    聞く-<〜させる>-<(軽いものが)>目付<主格>言葉-<対格>運び人-<与格>

    「目付が運び人に言葉を伝える。」

    市や役所の場面。伝達内容は virán のように対格に、受け手は faronárei のように与格に置く。findíþ- は単に何かを言うのではなく、言葉が聞き手に届くことを焦点とする。

    findíþim lundán endríñei.

    読み:フィンディーシン ルンダーン エンドリーニェイ。

    find-íþ-imlund-ánendríñ-ei.
    聞く-<〜させる>-<私が>歌-<対格>子ども-<与格>

    「子どもに歌を聞かせる。」

    家庭の日常。主語の代名詞は省略される。lundán は聞かせる内容、endrīñei は受け手。受け手が聞くことを目的に言葉を送るので、意味2の「聞かせる」が自然に出る。

    ké fíndes halán es nébros

    読み:ケー フィンデス ハラーン エス ネーブロス

    kéfínd-eshalá-nesnébr-os
    <〜か>聞く-<あなたが>呼び-<対格>から霧-<属格>

    「霧の中から呼びを聞くか。」

    日常で声の聞こえを尋ねる文。呼び声を fínd-「聞く」の直接目的語に取る。halá に単数対格 -n が接して halán となる。前置詞 es は方向を問わない出所を表し、属格と組む。

    fíndim virán mérvos.

    読み:フィンディン ヴィラーン メルヴォス。

    fínd-imvir-ánmérv-os.
    聞く-<私が>言葉-<対格>田舎-<属格>

    「私は田舎の言葉が聞こえる。」

    名詞に後置された属格 mérvos は「田舎の」。日常では単に都の外、とくに湖盆の村由来であることを示すだけだが、改まった場で人やその言葉・持ち物に対して使うと、田舎くさいという見下した含みを持つ。

    fíndim gláuran sé.

    読み:フィンディン グラウラン セー。

    fínd-imgláur-ansé
    聞く-<私が>笑い声-<対格>この<軽性>

    「私はこの笑い声を聞く。」

    日常会話で、笑いを直接耳にしたいう句。gláur は軽性子音語幹名詞で、単数対格は -an。指示詞 sé は名詞の後ろに置き、軽性単数の形。fíndim は直説法1人称単数で、時制は語形には表れない。

    fíndim tíulan núlan

    読み:フィンディン ティーウラン ヌーラン

    fínd-imtíul-annúl-an
    聞く-<私が>音-<対格>低い-<対格>

    「私は低い声(音)を聞く。」

    tíula は「音・声」の意で軽性。fínd-「聞く」の目的語として単数対格 tíulan を取り、それに後置された形容詞も軽性対格 núlan に一致する。この用法の núl は高さではなく、声や音のピッチが低いことを表す。

    anórel, fíndim gláuran þrúlan.

    読み:アノーレル、フィンディン グラウラン スルーラン。

    anórel,fínd-imgláur-anþrúl-an.
    昨日聞く-<私が>笑い声-<対格>騒がしい-<対格>

    「昨日、騒がしい笑い声を聞いた。」

    家庭内で耳に入った笑い声について述べる文。目的語 gláuran に修飾形容詞 þrúlan が軽性単数対格で一致する。þrúl- は、笑い声を不快に受け取ったことを含み、改まった場では使わない。無時制のため、昨日という時間は場面の枠に置かれた anórel が示す。

    fíndim kraselván, lúndin krúndo.

    読み:フィンディン クラセルヴァーン、ルンディン クルンド。

    fínd-imkraselv-án,lúnd-inkrúndo.
    聞く-<私が>裂けた声-<対格>,歌う-<〜して・〜く>荷担ぎ歌<対格>

    「荷担ぎ歌を歌いながら、裂けた声を聞く。」

    荷担ぎ歌を歌い続ける日常場面。主節と副動詞の主語は同じ一人称。krúndo は重性o語幹の単数対格で、主格 krúndo に同じ。

  2. 聞き入れる

    人の言うことや願いを受け入れ、それに従う。

    aufindénde ausenár virán némes.

    読み:アウフィンデンデ アウセナール ヴィラーン ネーメス。

    au-find-énd-eau-sen-árvir-ánném-es.
    <お〜になる・御〜>-聞き入れる-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人>言葉-<対格><私>-<属格>

    「目付殿に、私の願いをお聞き入れいただきたく存じます。」

    上向きの話し方で願い出る決まった言い方。命令法は使わず、願望法の3人称にして、目の前にいる相手を役職名の主語として扱う。動詞には尊敬の au- がつき、強勢が -énd- に移るので、語根の ´ は消える。「言葉を聞き入れる」で「願いを容れる」の意味になる。

    na fíndan kelárai viráis ólmarar.

    読み:ナ フィンダン ケラーライ ヴィライス オルマラル。

    nafínd-ankel-ár-aivir-áisólmar-ar.
    <〜ない>聞き入れる-<彼らが>伐る-<〜する人>-<〜たちが>言葉-<〜たちを>年長者-<〜らの>

    「「樵たちは年長者の言うことを聞かない。」」

    年長者がこぼすときによく使う言い方。直説法なので、否定は na を動詞の直前に置く。この意味の fínd- は、言葉を耳で聞くことではなく、言われたとおりにすることを表す。

解説

耳で聞く、聴くことを表す。音・言葉・話を対格でとる。「〜から聞く」は es+属格。祖先が屋根の上で下界を「聞いている」と言うのもこの動詞で、雨の音や祈りの言葉が祖先に届くことを、祖先の側からは fínd- で言い表す。人の言うことに従う「聞き入れる」の意味もある。

そのほかの用例

fléla raumvirá fínduls es fíndur

読み:フレーラ ラウンヴィラー フィンドゥルス エス フィンドゥル

flél-araumviráfínd-ulsesfínd-ur
漏れる-<(軽いものが)>噂<主格>耳-<〜らに>から耳-<〜らの>

「噂が耳から耳へと漏れる。」

話・秘密が漏れる比喩的な用法。raumvirá「噂」は主語として軽性。耳への届く先は裸の与格、出所はes+属格。V-S-DAT-PPという基本の語順に従い、与格を前置詞句より前に置く。fínd-ulsは耳の複数与格で、-ulsを一形態素として切る。

un fíndoi ésa selvá selvapúl.

読み:ウン フィンドイ エーサ セルヴァー セルヴァプール。

unfínd-oiés-aselváselvapúl.
内に耳-<与格>いる-<(軽いものが)>息<主格>(息による)くすぐったい

「耳のあたりでは息がくすぐったい。」

耳元や首筋にかすかに触れる息に向く用法。述語形容詞の句に場所を添える場合は、前置詞+与格を動詞の前に出すと、存在文ではなく述語形容詞の句として読みやすい。

文法

完了語根 féind-。命令2単は語末の nd が削られて fín!「聞け」。尊敬 aufínd-「お聞きになる」、謙譲 dufínd-「拝聴する」。

語源

名詞 fíndo「耳」はこの語根から作られた古い重性名詞で、強勢が語根に残っている(vándo と同じ型)。

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