小説
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〜度・回
同じことをくり返す回数。
gélan faronárai du orén dáu fréimau sórel.
読み:ゲーラン ファロナーライ ドゥ オレーン ダウ フレーマウ ソーレル。
| gél-an | faronár-ai | du | orén | dáu | fréim-au | sórel. |
| 行く-<彼らが> | 運び人-<〜たちが> | 下手 | 縁<対格> | 二 | 度回-<双数> | 今日 |
「運び人たちは今日、縁へ二度下りる。」
崖道の仕事ぶりを述べる日常の文。回数は、数詞と fréim の対格で、動詞を修飾する副詞のように言う(道のりの対格と同じ使い方)。dáu の後ろなので双数の fréimau になる。fréim は軽性の子音語幹として変化する。
lúin kélan kelárai gandér, loimésa ráuvan loimán téir fréimais.
読み:ルーイン ケーラン ケラーライ ガンデール、ロイメーサ ラウヴァン ロイマーン テール フレーマイス。
| lúin | kél-an | kel-ár-ai | gandér, | loim-és-a | ráuvan | loim-án | téir | fréim-ais. |
| とき | 伐る-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> | 硬木<対格> | 唱える-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 森の巫<主格> | 詞-<対格> | 三 | 度回-<〜たちを> |
「樵たちが硬木を伐るときは、森の巫が詞を三度唱えるべし。」
降ろし場の碑に刻まれるような、儀礼の作法を定める当為法の文。「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。主節では主語を言っているので、それに一致して3人称単数・軽性になる。強勢は当為法の -és- に移り、語根の ´ は消える。三度は téir fréimais(複数対格)。
flúunim manó téir fréimai.
読み:フルーニン マノー テール フレーマイ。
| flúun-im | manó | téir | fréim-ai. |
| 清める-<私が> | 椀<対格> | 三 | 度-<〜たちが> |
「一日三回、椀を清める(=三食の食事をいただく)。」
比喩用法。manóが椀そのものではなく、椀に盛られた食事(食の行為)を指す。flúun-「洗う・清める」が食後の感謝の意を含む。食の文脈での定型に近い表現で、椀を清める=食事をいただく、という比喩が定着している。数詞 téir(三)の後ろの名詞は複数主格 fréimai(軽性子音語幹②型の複数主格 -ai)になる。
〜倍
数詞の後ろで、ある数を何倍にするかを表す。念押しの言い換えに使う。
ké víres dáumbar? vírim, ombár dáu fréimau.
読み:ケー ヴィーレス ダウンバル?ヴィーリン、オンバール ダウ フレーマウ。
| ké | vír-es | dáumbar? | vír-im, | ombár | dáu | fréim-au. |
| <〜か> | 言う-<あなたが> | 二十 | 言う-<私が> | 十 | 二 | 倍-<双数> |
「「二十と言ったか?」「言った。十の二倍だ。」」
二人の発話。市で数を確かめ合うやりとり。はい・いいえにあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える(vírim)。そのあとに念押しの言い換えを添える。掛ける数が dáu なので、fréim は双数の fréimau になる。
slúun rólanar sóndelar, ombár ombár fréimai, ombár fréimai.
読み:スルーン ローラナル ソンデラル、オンバール オンバール フレーマイ、オンバール フレーマイ。
| slúun | rólan-ar | sóndel-ar, | ombár | ombár | fréim-ai, | ombár | fréim-ai. |
| 千 | 巻-<〜らの> | 書物-<〜らの> | 十 | 十 | 倍-<〜たちが> | 十 | 倍-<〜たちが> |
「書物千巻。十の十倍、そのまた十倍。」
荷札や帳簿の、数の念押し(freimvirá)の定型。動詞のない名詞句を並べる。千 slúun は量の名詞 rólan を複数属格でとり、rólan がさらに書物を複数属格でとるので、属格が二つ続く。念押しは「掛けられる数+掛ける数+fréim」の順で言い、fréim の数は掛ける数に合わせる(ombár の後ろなので複数)。干潟の千(sélu)との取り違えを防ぐための言い換えで、度量衡の碑の「千とは、十を十度、それを十度」と同じ考えに立つ。
くり返しの回数を表す名詞。数詞と組んで「〜度」と言う(dáu fréimau「二度」、ombár fréimai「十度」)。縁の市の念押しの決まり文句「十を十度、それを十度」は ombár ombár fréimai, ó ombár fréimai と言い、千(1000)が干潟の千と取り違えられないように、証文や荷札の数の言い換えに使う。
名詞。軽性・子音語幹。双数 fréimau、複数 fréimai。
古高原語 *fréima から(古い語末母音の脱落:強勢のある音節の後ろで m に続く強勢のない語末母音 a が落ちた)
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