gráis

品詞
形容詞
意味
悪い
発音
[ˈgrais]
読み
グライス
分野
性質・状態

意味

  1. 悪い

    品質・状態・ふるまいが望ましくないこと。

    na ráumim sórel, éso tról némes gráis.

    読み:ナ ラウミン ソーレル、エーソ トロール ネーメス グライス。

    naráum-imsórel,és-otrólném-esgráis.
    <〜ない>歩く-<私が>今日いる-<(重いものが)>足<主格><私>-<属格>悪い

    「今日は歩けない。足が悪いんだ。」

    日常会話の文。高原語には「〜できる」を表す専用の形がないので、直説法の否定で「歩かない・歩けない」の両方を表す。tról は重性の子音語幹名詞で、主格と対格が同じ形。

    mé léim virán gráisan un múndo táses!

    読み:メー レーン ヴィラーン グライサン ウン ムンド ターセス!

    méléimvir-ángráis-anunmúndotás-es!
    <禁止・願いの打ち消し>置く<命令法><あなたが>言葉-<対格>悪い-<対格>内に口<対格><あなた>-<属格>

    「悪い言葉を口に入れるな(=口にするな)。」

    親が子を叱るときの言い方。炉の前では粗野な言葉を口にしてはいけないとされる。禁止は「mé+命令法」で言う。un+対格で「〜の中へ」を表す。múndo は重性なので、対格は主格と同じ形になる。形容詞 gráis は軽性の virá に合わせて、対格の -an をとる。

    fíndim duléumo gráis es dáloros.

    読み:フィンディン ドゥレウモ グライス エス ダーロロス。

    fínd-imduléumográisesdálor-os.
    聞く-<私が>不穏な気配<対格>悪いから下の国-<属格>

    「下の国のほうから、よからぬ気配が聞こえてくる。」

    比喩の意味の用例で、病のはやりや悪い噂が崖下から伝わってくることを言う。duléumo は重性なので、主格と対格が同じ形になり、動詞のすぐ後ろの語順で目的語だとわかる。形容詞 gráis も重性・単数・対格に一致するので語尾はつかない。風の「気配」を聞きとるという言い方なので、fínd-「聞く」と組むことが多い。

    ésa orenvandár té þérno. séuril virá éles, gráis nourá éles.

    読み:エーサ オレンヴァンダール テー セルノ。セウリル ヴィラー エーレス、グライス ノウラー エーレス。

    és-aorenvandártéþérno.séurilviráél-es,gráisnouráél-es.
    いる-<(軽いものが)>縁商人<主格>あの<軽性>陰で害する者<主格>美しい言葉<主格><3人称単数・軽性>-<属格>悪い心<主格><3人称単数・軽性>-<属格>

    「あの縁商人は毒きのこだ。言葉はきれいだが、腹は黒い。」

    人を þérno と呼ぶのは強い悪口で、陰口に使う。主語が人なので繋辞は軽性の ésa になるが、重性の名詞を人に当てること自体が侮辱になる。後半は繋辞を落として述語の形容詞を先に置く、諺の語順。

    éso tambór só gráis.

    読み:エーソ タンボール ソー グライス。

    és-otambórsógráis.
    いる-<(重いものが)>雑穀<主格>この<重性>悪い

    「この雑穀は質が悪い。」

    市で品質に文句をつけるときの言い方。「AはBだ」の文は繋辞 éis- で始める。主語の tambór が重性なので、繋辞は -o になる。述語の形容詞も重性・単数・主格の形をとり、語尾はつかない。

    mé vír viráis gráisais!

    読み:メー ヴィール ヴィライス グライサイス!

    mévírvir-áisgráis-ais!
    <禁止・願いの打ち消し>言う<命令法><あなたが>言葉-<〜たちを>悪い-<軽性・〜ら(古い母音交替)・対格>

    「悪い言葉を口にするな。」

    炉の前で粗野な言葉を使ってはいけないという禁忌を、親が子に言い聞かせるときの言い方。禁止は mé+命令法で表す。形容詞は軽性の virá に一致して、複数対格の -ais をとる。

    drénan kloimárai un krévan, duói léunan mélnan rainiþárei, si na rímba rainiþár virán gráisan.

    読み:ドレーナン クロイマーライ ウン クレーヴァン、ドゥオイ レウナン メルナン ライニサーレイ、シ ナ リンバ ライニサール ヴィラーン グライサン。

    drén-ankloimár-aiunkréva-n,duóiléun-anméln-anrainiþár-ei,sinarímb-arainiþárvir-ángráis-an.
    参る-<彼らが>弟子-<〜たちが>内に練習の場-<対格>それから申す-<彼らが>詩-<対格>師-<与格>と<〜ない>数える-<(軽いものが)>師<主格>言葉-<対格>悪い-<対格>

    「弟子たちは稽古の場へ参り、それから師に詩を申し上げる。師は言い誤りを数えない。」

    宮廷や学び舎での詩の稽古を言った文。弟子の行いは謙譲の補充形で表し、drén-「参る」と léun-「申す」を使っている。un krévan は「稽古の場へ」で、本番ではない場であることを示す。virán gráisan「悪い言葉」は、ここでは無礼な言葉ではなく、言い損なった語を指す。形容詞 gráis は名詞の後ろに置かれ、軽性・対格の -an で一致している。

    éso frumó némes gráis.

    読み:エーソ フルモー ネーメス グライス。

    és-ofrumóném-esgráis.
    いる-<(重いものが)>傷<主格><私>-<属格>悪い

    「私の傷は悪い。」

    日常の自己申告。名詞句「frumó némes(私の傷)」が主語で、存在・繋辞の語根 és- に3人称単数・重性の語尾 -o が付いて éso になる。形容詞 gráis は重性単数主格では無標識のまま置かれる。

  2. 不吉な

    兆しや日取りについて、縁起が悪いこと。流れ星や二つの月の重なりについて使う。

    éso nébro só gráis, na lísimor sáindaran.

    読み:エーソ ネーブロ ソー グライス、ナ リーシモル サインダラン。

    és-onébrosógráis,nalís-imorsáindar-an.
    いる-<(重いものが)>霧<主格>この<重性>不吉な<〜ない>書く-<我々が>証文-<対格>

    「この霧は縁起が悪い。我々は証文を書かない。」

    霧期には大事な契約を結ばないという習わしを、兆しの言い方で述べている。霧 nébro は重性なので、繋辞は -o をとり、指示詞は só になる。重性・単数・主格の形容詞には語尾がつかない。主節が二つ並ぶので、あいだを読点で区切る。

    víra kelár ré éso nébro tó gráis.

    読み:ヴィーラ ケラール レー エーソ ネーブロ トー グライス。

    vír-akel-árréés-onébrotógráis.
    言う-<(軽いものが)>伐る-<〜する人><〜と(節)>いる-<(重いものが)>霧<主格>あの<重性>不吉な

    「樵は、あの霧は不吉だと言う。」

    人から聞いた兆しを伝える言い方。ré の節の中も、動詞で始まる語順を保つ。tó は重性の指示詞「あの」。

解説

「悪い」を表す一般的な語。品質の悪さ、ふるまいの悪さ、天気の悪さに使う。兆しについて言うと「不吉な」の意味になる。人をじかに gráis と言うのはかなり強い非難で、改まった場では du を使った比較(「〜に劣る」)で遠回しに言い換えることが多い。

そのほかの用例

áuro áurmo gráis es orénos.

読み:アウロ アウルモ グライス エス オレーノス。

áur-oáurmográisesorén-os.
rise-<(重いものが)>smell<主格>badfromedge-GEN.

「縁から悪い匂いが立ち上る。」

書物や年代記的な記述。主語名詞句 áurmo gráis は「名詞+形容詞」の順。動詞 áur- は重性の主語 áurmo に一致して語尾 -o をとる。es + 属格の orénos は「縁から」を表す出処の前置詞句。

文法

形容詞。名詞の後ろに置き、性・数・格に一致する。

語源

古高原語 *gráis から

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