小説
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恐れる
危険や不吉なものをこわがる。対象は属格でとる。
mé grém dáloros!
読み:メー グレーン ダーロロス!
| mé | grém | dálor-os! |
| <禁止・願いの打ち消し> | 恐れる<命令法><あなたが> | 下の国-<属格> |
「下の国をこわがるな。」
禁止は mé+命令法で言う。命令法の2人称単数は語幹そのまま。下向きの話し方で、崖道の年長者が若い者を励ますときなどに使う。
gréma lisár ausenáres.
読み:グレーマ リサール アウセナーレス。
| grém-a | lis-ár | au-sen-ár-es. |
| 恐れる-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人>-<属格> |
「書記は目付殿をこわがっている。」
grém- は恐れる対象を対格ではなく属格でとる。目上の人を指す名詞には、目的語になっても au- をつけたままにする。
grémim virár klérar senáres.
読み:グレーミン ヴィラール クレーラル セナーレス。
| grém-im | vir-ár | klér-ar | sen-ár-es. |
| 恐れる-<私が> | 言葉-<〜らの> | よそよそしい-<軽性・〜ら(古い母音交替)・属格> | 見る-<〜する人>-<属格> |
「「私は目付のよそよそしい言葉が怖い。」」
人の態度の冷たさを言う転義。言葉 virá は軽性なので、形容詞も軽性・複数・対格の -ais で一致する。所有者を表す属格 senáres は、形容詞の後ろに置く。
néulimor þáilan élvares, grémimor nébros.
読み:ネウリモル サイラン エルヴァレス、グレーミモル ネーブロス。
| néul-imor | þáil-an | élvar-es, | grém-imor | nébr-os. |
| 好む-<我々が> | 澄み-<対格> | 天-<属格> | 恐れる-<我々が> | 霧-<属格> |
「「我々は空の澄みを好み、霧を恐れる。」」
þáil を名詞として使い、軽性の対格 -an をつけている。二つの主節を読点で区切って並べた文。澄んだ空と霧を、上と下の対として語る高原らしい言い方。
nagróm. mé grém, endríña.
読み:ナグローン。メー グレーン、エンドリーニャ。
| nagróm. | mé | grém, | endríña. |
| 気にするな | <禁止・願いの打ち消し> | 恐れる<命令法><あなたが> | 子ども |
「気にするな。怖がらなくていい、坊や。」
器を割った子どもなどをなだめる言い方。禁止は mé+命令法で言い、命令法の2人称単数は、語幹をそのまま使う。目下の者への下向きの話し方である。
畏れる
祖先・星・王など、高いものをかしこみ敬う。
gremésa aursárar si aldáres áurenes.
読み:グレメーサ アウルサーラル シ アルダーレス アウレネス。
| grem-és-a | aursár-ar | si | aldár-es | áur-en-es. |
| 畏れる-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 祖先-<〜らの> | と | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格> |
「人は祖先と高き座を畏れるべし。」
教えの書や詞に見える当為法の文。主語を言わないので「人は」という一般の主語になり、軽性の形をとる。強勢が -és- に移るので、語根の ´ は消える。畏れる対象は属格でとり、分詞 áurenes も aldáres の属格に一致する。
lúin sénan éndrai sílarau, gréman aursárar.
読み:ルーイン セーナン エンドライ シーララウ、グレーマン アウルサーラル。
| lúin | sén-an | éndr-ai | sílar-au, | grém-an | aursár-ar. |
| とき | 見る-<彼らが> | 人-<〜たちが> | 月-<双数> | 畏れる-<彼らが> | 祖先-<〜らの> |
「人は二つの月を仰ぐとき、祖先を畏れかしこむ。」
lúin の節は主節の前に置く。月は星ではないので双数で言える。後半の主節では主語を言っていないが、動詞の語尾から前半と同じ人々だとわかる。畏れる対象は属格でとる。
恐れる・畏れることを表す。高原では恐れを「重くなること」と感じるので、恐れる対象は対格ではなく属格でとる(「〜から重くなる」):grémim nébros「私は霧を恐れる」。危険への恐怖にも、祖先や星への畏敬にも使う。畏敬の意味では、恐れる側が軽く澄んでいなければならないという含みがあり、詞の中では「祖先を畏れよ」が決まった句になっている。
完了語根 gréem-。恐れる対象は属格(または es+属格)。尊敬 augrém-、謙譲 dugrém-。
形容詞 gróm「重い」と同じ語根の母音交替形。
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