krailhóum-

品詞
動詞(自動詞)
意味
炉に捕まる(話し込む)
発音
[krailˈhoum]
読み
クライホウム
分野
知覚・感情・思考・発話

意味

  1. 炉に捕まる(話し込む)

    話に没入して手が止まり、気づけば炉の火が落ちている。主語は人(軽性)で、捕まった側である。炉ばた・井戸の脇・織り機の脇のいずれでも使う。

    krailhóuma líura sórel.

    読み:クライルホーマ リーウラ ソーレル。

    krailhóum-alíurasórel.
    炉に捕まる-<(軽いものが)>女<主格>今日

    「その女は今日、炉に捕まっている。」

    日常会話。織り機の脇で杼が止まっているような場面。時点を表す sórel を主語の後ろに置いた文。

  2. 掴まる(比喩・くだけた)

    話に限らず、昔話や星読みの語りや、縁の人々の荷担ぎ歌の囃しに掴まって動けなくなる、というより広い意味でも使う。くだけた言葉でのみ許される表現。

    lúin lóima ilanár, krailhóuma endríña.

    読み:ルーイン ロイマ イラナール、クライルホーマ エンドリーニャ。

    lúinlóim-ailanár,krailhóum-aendríña.
    とき唱える-<(軽いものが)>星読み<主格>,掴まる-<(軽いものが)>子ども<主格>

    「星読みが唱えると、子どもは掴まる(語りにのめり込む)。」

    比喩・くだけた用法。炉ばただけでなく、星読みの語りに子どもがのめり込んで動けなくなる。捕まる対象は文法上は表れず、状況から補う。

解説

話に没入して、手が止まり、呼吸が途切れ、時間が消える感覚を表す婉曲表現。kráil-「手に持つ・掴む」の「掴まれている」感覚と hóum「炉」の中心性・固定性が重なり、話に「捕まって」動けなくなるさまを指す。井戸の脇で桶を洗っていた手が止まる、炉ばたで薪を割っていた斧が止まる、織り機の杼が止まる、その「止まり」の向こうにある没入を、炉に掴まっていることで表す。高原の信仰では息は軽く上へ昇るものだが、この語では「炉に掴まっている」=昇らずに留まっている、という反転が時間の停止の感覚を帯びる。村の女性のくだけた言葉で生まれ、炉ばた・井戸の脇・織り機の脇の三つを一度に指す、家庭の中心の語。都ではやや俗語の響きがあり、改まった文では用いられない。

文法

自動詞。軽性で受ける。複合語なので、前要素 kráil- の強勢は落ち、後要素 hóum の強勢だけが残る(krailhóum-)。完了相は、強勢のある母音(後要素の o)が oo に変化する(krailhóom-)。

語源

kráil-「手に持つ・掴む」+hóum「炉」。炉は家の中心で、北側の高い座(上座)がある固定された場所。話に「掴まる」ことを、炉に身体が固定されている比喩で表す。複合語の強勢の規則(後ろの要素だけ強勢を残す)により、前要素の á は無強勢になる。

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