nóra

品詞
名詞
意味
夜
発音
[ˈnora]
読み
ノーラ
分野
時間・空間・方向

意味

  1. 夜

    日の入りから日の出までの時間。

    lúin tóra nóra, sénimor dáu sílarau.

    読み:ルーイン トーラ ノーラ、セーニモル ダウ シーララウ。

    lúintór-anóra,sén-imordáusílar-au.
    とき来る-<(軽いものが)>夜<主格>見る-<我々が>二月-<双数>

    「夜が来れば、我々は二つの月を見る。」

    乾風期の澄んだ夜を言う日常の文。nóra は軽性a語幹で、強勢は語根にあり、動詞は軽性の -a をとる。月は星ではないので、dáu「二」と双数 sílarau で数えてよい。

    ésa nóra sé klér, élþa elþá.

    読み:エーサ ノーラ セー クレール、エルサ エルサー。

    és-anóraséklér,élþ-aelþá.
    いる-<(軽いものが)>夜<主格>この<軽性>冷たい燃える-<(軽いものが)>火<主格>

    「今夜は冷える。火が燃えている。」

    凍りの頃の家の中の会話。nóra sé「この夜」で「今夜」を表す。指示詞は軽性の sé で、格では変化しない。述語の形容詞 klér は主語の nóra に一致する。

    ésa nóra bún.

    読み:エーサ ノーラ ブーン。

    és-anórabún.
    いる-<(軽いものが)>夜<主格>深い

    「夜が深い。」

    夜が更け、暗がりが奥まで続いていることを述べる日常表現。nóra は軽性a語幹とみなし、存在・繋辞 ésa が軽性単数で一致する。bún は単に夜が遅いことではなく、入口から奥行きまで続いているさを表す。

    kréuna dóulin nóra

    読み:クレウナ ドーリン ノーラ

    kréun-adóulinnóra
    更ける-<(軽いものが)>もう夜<主格>

    「夜がもう更けている。」

    日常用法の文。相の副詞 dóulin は動詞の直後に置かれ、主語の前に現れる。時制のない文で、話者の場面で現在進行として理解される。夜 nóra は軽性なので、動詞は軽性の3人称単数語尾 -a をとる。

    kréuna nóra, salóur áura selvá

    読み:クレウナ ノーラ、サロール アウラ セルヴァー

    kréun-anóra,salóuráur-aselvá
    更ける-<(軽いものが)>夜<主格>しかし昇る-<(軽いものが)>息<主格>

    「夜は更ける。しかし、息は昇る。」

    詩文・儀礼語のような対句。逆接の salóur は第二節頭に立つ。夜 nóra も息 selvá も軽性の主語として扱われ、動詞はいずれも軽性の3人称単数語尾 -a をとる。夜の「更ける」と息の「昇る」を上下の対として並べる型である。

  2. 夜分・晩

    夜のうちのある時刻。与格の nórei で「夜に」を表す。

    tór, lúin tóra nóra! séirim tásan.

    読み:トール、ルーイン トーラ ノーラ!セーリン ターサン。

    tór,lúintór-anóra!séir-imtás-an.
    来る<命令法><あなたが>とき来る-<(軽いものが)>夜分<主格>待つ-<私が><あなた>-<対格>

    「晩になったら来い。待っているぞ。」

    親しい目下の相手への、くだけた誘い。lúin tóra nóra「夜分が来るとき」で「晩になったら」を表す。命令法の2人称単数は語幹そのままの tór。

    ésa nóra, áura ilanár an dún.

    読み:エーサ ノーラ、アウラ イラナール アン ドゥーン。

    és-anóra,áur-ailanárandún.
    いる-<(軽いものが)>夜分<主格>昇る-<(軽いものが)>星読み<主格>上手丘<対格>

    「夜分となり、星読みが丘の上へ昇った。」

    年代記に見られる、直説法の短い文を並べた記事の書きぶり。時制がないので、文脈から過去と読む。an+対格で「上手へ」。dún は重性なので、対格は主格と同じ形になる。

解説

日の入りから日の出までの時間を指す。高原では星と月が見える時間なので、恐れるものではなく、むしろ澄んだ尊い時間とされる。宮廷では昼と夜をそれぞれ十に分け、夜の時刻はどの星が昇ったかでも言い表す。誓いは星の見える晴れた夜に立てる。nóra nébros「霧の夜」は、星が隠れて祖先に言葉が届かない夜で、そのような夜の誓いは無効とされる。

そのほかの用例

séima dóulin ólmar un nórloi.

読み:セーマ ドーリン オルマル ウン ノルロイ。

séim-adóulinólmarunnórl-oi.
身を横たえる-<(軽いものが)>もう年長者<主格>中に寝床-<与格>

「年長者はもう寝床についている。」

炉ばたの語りが済んだ後の家庭の描写。人語の主語に合わせて動詞は軽性三人称単数の語尾 -a をとる。相の副詞 dóulin は動詞の直後に置く。un+与格は、寝床という落ち着く場所を示す。

séim un nórloi!

読み:セーン ウン ノルロイ!

séimunnórl-oi!
身を横たえる<命令法><あなたが>中に寝床-<与格>

「寝床について。」

家庭で、床につくよう穏やかに促す二人称単数命令法。語根のみの形。un+与格は、命令であっても動き先というより、落ち着く位置を示す。くだけた日常の呼びかけより、静かな寝つきを促す改まった家庭の言葉として聞かれる。

文法

軽性・a語幹(①型、語根に強勢)。対格 nóran、属格 nóres、与格 nórei(「夜に」の副詞としてよく使う)。

語源

古高原語 *nóra から

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