小説
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思う
ré の節をとって、〜と思う、〜と考える。
nóurim ré ésa lisár té fláin.
読み:ノーリン レー エーサ リサール テー フライン。
| nóur-im | ré | és-a | lis-ár | té | fláin. |
| 思う-<私が> | <〜と(節)> | いる-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | あの<軽性> | 上品な |
「あの書記は上品だと思う。」
ré は「〜と」の節を導き、その節は主節の後ろに置く。ré の後ろの節も動詞で始まる。指示詞 té は強勢をもち、名詞句の終わりの目印になる。
nóurim ré éso fáron só gróm.
読み:ノーリン レー エーソ ファーロン ソー グローン。
| nóur-im | ré | és-o | fáron | só | gróm. |
| 思う-<私が> | と | いる-<(重いものが)> | 荷<主格> | この<重性> | 重い |
「この荷は重いと思う。」
運び人が荷を担ぐ前に言うような日常の文。思った内容の節も ré で導く。節の主語 fáron は重性なので、繋辞は éso、指示詞は só になる。
pón nóuro brés táses?
読み:ポーン ノーロ ブレース ターセス?
| pón | nóur-o | brés | tás-es? |
| 何<対格> | 思う-<(重いものが)> | 胸の内<主格> | <あなた>-<属格> |
「お前は胸の内で何を思っている?(直訳:お前の胸は何を思っている)」
親しい者か目下の者への問い。2人称 tás を使うので、下向きかくだけた話し方になる。疑問詞を文頭に出す問いには ké をつけない。胸を主語にして思いのありかを言う言い方で、動詞は重性の brés に一致して -o をとる。息が宿る場所として、胸は思いのありかとされる。
nóurim ré torélo nébro dórel.
読み:ノーリン レー トレーロ ネーブロ ドーレル。
| nóur-im | ré | tor-él-o | nébro | dórel. |
| 思う-<私が> | <〜と(節)> | 来る-<〜だろう>-<(重いものが)> | 霧<主格> | 明日 |
「明日は霧が来ると思う。」
ré の節で思う内容を示す。確かでない未来なので、節の中は推量法にしている。霧は重性なので -o。
dunóurim ré fleiréla ausenár du orén.
読み:ドゥノーリン レー フレイレーラ アウセナール ドゥ オレーン。
| du-nóur-im | ré | fleir-él-a | au-sen-ár | du | orén. |
| <〜させていただく>-思う-<私が> | <〜と(節)> | お出ましになる-<〜だろう>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | 下手 | 縁<対格> |
「目付殿は縁へお出ましになるかと存じます。」
謙譲の du- で自分の考えを低め、目上の人の動きを推量法でやわらげて言う。
núnim si nóurim élan
読み:ヌーニン シ ノーリン エーラン
| nún-im | si | nóur-im | él-an |
| 目を閉じる-<私が> | と | 思う-<私が> | <3人称単数・軽性>-<対格> |
「目を閉じて、それを思う。」
日常の内省の場面。nún- は、反射的な瞬きでも眠りに入る動作でもなく、意図的にしばらくまぶたを下ろす行為。同一主語の二つの動作を si で並べている。nóur- は他動詞なので、目的語の代名詞 él に対格語尾 -an を付けた él-an を補う。
思案する
目的語なしで、あれこれ考えをめぐらす。
séir! nóurim selúin.
読み:セール!ノーリン セルーイン。
| séir! | nóur-im | selúin. |
| 待つ<命令法><あなたが> | 思案する-<私が> | 今 |
「待て、今考えているところだ。」
目的語をとらないと「あれこれ考える」の意味になる。命令法を使っているので、下向きか、くだけた場での言い方。
lúin nóiran kelárai, nóura ólmar.
読み:ルーイン ノイラン ケラーライ、ノーラ オルマル。
| lúin | nóir-an | kel-ár-ai, | nóur-a | ólmar. |
| とき | 眠る-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> | 思案する-<(軽いものが)> | 年長者<主格> |
「樵たちが眠ると、年長者は思いにふける。」
「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。nóur- はここでは、ひとりで静かに考えこむことを表す。
思い慕う
人を対格の目的語にとって、その人のことを思う。
lúin sénim álmaran, nóurim tásan.
読み:ルーイン セーニン アルマラン、ノーリン ターサン。
| lúin | sén-im | álmar-an, | nóur-im | tás-an. |
| とき | 見る-<私が> | 白月-<対格> | 思い慕う-<私が> | <あなた>-<対格> |
「白月を見るたびに、あなたを想う。」
人を対格にとると「思い慕う」の意味になる。手紙や詩によく出る言い方。2人称の tás は、親しい間柄でだけ使う。
lúin áura sílar, nóurimor aursárais.
読み:ルーイン アウラ シーラル、ノーリモル アウルサーライス。
| lúin | áur-a | sílar, | nóur-imor | aursár-ais. |
| とき | 昇る-<(軽いものが)> | 月<主格> | 思い慕う-<我々が> | 祖先-<〜たちを> |
「月が昇るとき、我々は祖先を偲ぶ。」
祖先祀りの場の言い方。白月は見守る祖先のまなざしの象徴とされ、満月の夜には祖先を祀る。
思う・考える・思案することを広く表す。内容は ré の節で示す(nóurim ré…「〜と思う」)。高原では、思いは胸の内を流れていくものと考えられ、川の比喩で語られることが多い。目上の人の考えを言うときは尊敬形 aurnóur-(不規則)を使う。推量法と組み合わせて「〜ではないかと思う」と控えめに言うのが改まった話し方の定石。
éso lúdro þérno nourés.
読み:エーソ ルードロ セルノ ノウレース。
| és-o | lúdro | þérno | nour-és. |
| いる-<(重いものが)> | 嘘<主格> | 陰で害する者<主格> | 心-<属格> |
「嘘は、心を蝕む毒きのこである。」
教えの書や戒めの言葉に見られる比喩の言い方。見た目は無害でも内側から人を害する言葉を þérno にたとえる。lúdro「嘘」は重性なので、繋辞は éso。nourés は nourá「心」の属格。
ráinim nourán fóuman séulines.
読み:ライニン ノウラーン フォーマン セウリネス。
| ráin-im | nour-án | fóum-an | séulin-es. |
| 知る-<私が> | 心-<対格> | 親身な-<軽性・対格> | 友-<属格> |
「私は友の親身な心を知っている。」
心やもてなしの温かさも fóum で表す。nourá「心」は語尾に強勢のある軽性a語幹なので、対格は -án になる。形容詞は語根に強勢があるので、無強勢の -an で一致する。
súna mélna sé nourán
読み:スーナ メルナ セー ノウラーン
| sún-a | mélna | sé | nour-án |
| 袖引く-<(軽いものが)> | 詩<主格> | この<軽性> | 心-<対格> |
「この詩は心を引く。」
書物・詩の用法。sún- は比喩的に「聞き手の注意や関心を軽く引く」意になる。主語 mélna「詩」は軽性a語幹なので、動詞は軽性の直説法3人称単数 sún-a。nourán は軽性a語幹 nourá「心」の対格。
pláinan faronárai es nourés senáres.
読み:プライナン ファロナーライ エス ノウレース セナーレス。
| pláin-an | faron-ár-ai | es | nour-és | sen-ár-es |
| 気づく-<彼らが> | 荷-<〜する人>-<〜たちが> | から | 心-<属格> | 見る-<〜する人>-<属格> |
「運び人たちは目付の心中を察する。」
nourán は対格なので pláin- に合わない。es nourés とし、属格の従属語を後置して es nourés senáres とする。faronárai は既知の語と接辞 -ár, -ai で作られる。
vúla ólmar nourán endríñei.
読み:ヴーラ オルマル ノウラーン エンドリーニェイ。
| vúl-a | ólmar | nour-án | endríñ-ei. |
| 注ぐ-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 心-<対格> | 子-<与格> |
「年長者は子どもへ心を注ぐ。」
液体を器へ注ぐ動作を転じて、注意や関心を相手へ向ける意。抽象名詞 nourá を直接目的語に取る。
krémban virái sé nouráis
読み:クレンバン ヴィライ セー ノウライス
| krémb-an | vir-ái | sé | nour-áis |
| 引きつける-<彼らが> | 言葉-<〜たちが> | この<軽性> | 心-<〜たちを> |
「これらの言葉は、心を引きつける。」
くだけた日常語でも使える喩的用法。主語が複数なので動詞は3人称複数形をとり、性を区別しない。目的語は「心」の複数対格 nouráis。krémb- の本来の「引く・曳く」から、心や関心を引きつける意味へ転じた文。
krémba virá séuril sé nourán
読み:クレンバ ヴィラー セウリル セー ノウラーン
| krémb-a | virá | séuril | sé | nour-án |
| 引きつける-<(軽いものが)> | 言葉<主格> | 美しい | この<軽性> | 心-<対格> |
「この美しい言葉は、心を引きつける。」
詩的・改まった文体での用法。形容詞 séuril は名詞の直後、指示詞の前に置く。主格の軽性a語幹 virá は語全体を一つの形態素として書き、主語が軽性単数なので動詞は 3人称単数・軽性形 krémba になる。心を引きつけるという抽象的な目的語も、本来の他動詞 krémb- の枠に収まる。
完了語根 nóurs-。尊敬 aurnóur-(au- のあとに古い r が残る不規則形)、謙譲 dunóur-「存じる」。
古高原語 *nóur- から
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