小説
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誰
人を尋ねる疑問詞。文の先頭に置き、格に応じて形を変える。
pá éses? es pós tóres?
読み:パー エーセス?エス ポース トーレス?
| pá | és-es? | es | pós | tór-es? |
| 誰<主格> | いる-<あなたが> | から | 何<属格> | 来る-<あなたが> |
「お前は誰だ。どこから来た?(なぜ来た?)」
疑問詞は動詞の前に出る。es pós「何から」は「どこから」と「なぜ」の両方を表す。2人称を使っているので、下向きの話し方。崖道の番人が尋に最初に投げかけそうな問い。
pán þéla endríña sé?
読み:パーン セーラ エンドリーニャ セー?
| pán | þél-a | endríña | sé? |
| 誰<対格> | 名乗る-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | この<軽性> |
「この子は何と名乗っているのか。」
þél- は名乗る名前を対格でとるので、名前を尋ねるときは疑問詞の対格 pán を文頭に出す。子どもは軽性。指示詞 sé は名詞の後ろに置く。目上の人には使わない問い方。
té! pá éses?
読み:テー!パー エーセス?
| té! | pá | és-es? |
| そこの方 | 誰<主格> | いる-<あなたが> |
「そこの方!誰だ?」
霧の中で名前を呼ぶと、その人が下の国へ引かれるとされる。そのため、名前の代わりに強勢のある té だけを言って呼びかける。後ろの問いで2人称の動詞を使っているので、同じ段か下向きの話し方。
pá dulíþa fáron só?
読み:パー ドゥリーサ ファーロン ソー?
| pá | dul-íþ-a | fáron | só? |
| 誰<主格> | 下る-<〜させる>-<(軽いものが)> | 荷<対格> | この<重性> |
「この荷は誰が下ろすのだ?」
降ろし場で荷の担い手を尋ねる言い方。疑問詞 pá を文頭に出している。人を指すので、動詞は軽性の -a をとる。目上の人には問いの形を使わず、推量法で言い換える。
pá liséla sáindaran?
読み:パー リセーラ サインダラン?
| pá | lis-él-a | sáindar-an? |
| 誰<主格> | 書く-<〜だろう>-<(軽いものが)> | 証文-<対格> |
「誰が証文を書くのだろう?」
独り言のように尋ねる文。疑問詞 pá を文頭に出し、動詞を推量法にして、ためらいや思案を表している。強勢は推量法の -él- に移る。
pá ésa anlóur táses?
読み:パー エーサ アンロール ターセス?
| pá | és-a | anlóur | tás-es? |
| 誰<主格> | いる-<(軽いものが)> | 親<主格> | <あなた>-<属格> |
「お前の親は誰だ?」
日常の問い。疑問詞 pá「誰」は文頭に出て、繋辞 és- がそのあとに続く。tás を使っているので、目下の者か子どもへの問いになる。
pá ésa torár té?
読み:パー エーサ トラール テー?
| pá | és-a | torár | té? |
| 誰<主格> | いる-<(軽いものが)> | 来訪者<主格> | あの<軽性> |
「あのよそ者は誰だ。」
見慣れない人を見かけたときの、くだけた問い。疑問詞 pá は動詞の前に出る。指示詞 té は名詞の後ろに置き、格では形が変わらない。torár はもとは「来る者」で、招かれた客にも、土地の外から来た旅人にも使う。
pá éses? ésim orenvandár.
読み:パー エーセス?エーシン オレンヴァンダール。
| pá | és-es? | és-im | orenvandár. |
| 誰<主格> | いる-<あなたが> | いる-<私が> | 縁商人<主格> |
「「お前は誰だ。」「縁商人だ。」」
二人の発話。崖道の番人や市の者が素性を尋ね、相手が身分を答えるやりとり。疑問詞 pá は動詞の前に出る。答えは繋辞 és- の1人称単数 ésim に職名を続けた形で、主語の代名詞は言わない。縁商人は市の札を帯びていれば、六段下りに準ずる者として扱われる。
pá éses? ké éses dulána?
読み:パー エーセス?ケー エーセス ドゥラーナ?
| pá | és-es? | ké | és-es | dulána? |
| 誰<主格> | いる-<あなたが> | <〜か> | いる-<あなたが> | 落ちてきた者<主格> |
「お前は何者だ。上から落ちてきた者か?」
正体のわからない相手に、警戒しながら投げかける問い。2人称と問いの小辞 ké を使っているので、下向きの話し方になる。「AはBだ」の文は繋辞を先頭に置き、主語の tás を省いて述語の dulána を後ろに続ける。上から下へ落ちてくる人の形をしたものは、高原では不吉なもの、あるいは昇れなかった魂としか考えられない。そのため、この語を人に向けるのは強い警戒と畏れの表れになる。
pán séires? séirim séulinan.
読み:パーン セーレス?セーリン セウリナン。
| pán | séir-es? | séir-im | séulin-an. |
| 誰<対格> | 待つ-<あなたが> | 待つ-<私が> | 友-<対格> |
「「誰を待っている?」「友を待っている。」」
日常のやりとり。疑問詞の対格 pán を文頭に出す。答えでは、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返す。
povéra senár faronárei ré pá dulíþa fáron só.
読み:ポヴェーラ セナール ファロナーレイ レー パー ドゥリーサ ファーロン ソー。
| povér-a | sen-ár | faronár-ei | ré | pá | dul-íþ-a | fáron | só. |
| 取り調べる-<(軽いものが)> | 見る-<〜する人> | 運び人-<与格> | <〜と(節)> | 誰<主格> | 下る-<〜させる>-<(軽いものが)> | 荷<対格> | この<重性> |
「「目付は運び人を取り調べ、誰がこの荷を下ろしたのかと問いただす。」」
「取り調べる」の意味では、調べられる人を対格の目的語にとる。ré の節の中では、疑問詞 pá「誰」が動詞の前に出ている。重性の指示詞 só は、名詞 fáron の後ろに置く。
pál reinplén, ende.
読み:パール レインプレーン、エンデ。
| pál | reinplén, | ende |
| 立てかける<命令法> | 雨よけ<対格> | どうぞ |
「雨よけを立ててくれ、どうぞ。」
市でのくだけた作業指示。命令法2人称単数は語幹のみ。語幹末は音節構造に合う軟子音として保つ。目的語の雨よけは重性で主格と同形だが、対格として受ける。endeは市の取引言葉で固まった定型。
pá hoinkráila tásan?
読み:パー ホインクライラ ターサン?
| pá | hoinkráil-a | tás-an? |
| 誰<主格> | 出迎え-<(軽いものが)> | <あなた>-<対格> |
「誰があなたを出迎えるの?」
日常会話の質問文。主語が人を指す疑問代名詞 pá なので、動詞は軽性の3人称単数で一致する。目的語の2人称単数代名詞は対格 tásan をとる。
人を尋ねる疑問代名詞。軽性のa語幹として格変化する(主 pá、対 pán、属 pés、与 péi)。疑問詞は文の先頭、動詞の前に出る。pá éses?「お前は誰だ」、pán þéles?「何と名乗る」のように、2人称を使う下向きの問いでよく使う。人は数えないので、人の数を尋ねる疑問詞はない。物事を尋ねるときは pó を使う。
疑問代名詞(軽性・a語幹)。主 pá、対 pán、属 pés、与 péi。
古高原語 *pá から。人を尋ねる疑問代名詞として古くからある語。
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