小説
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いくつ
物・家畜・荷の数を尋ねる。
pómbar þrénul dúles?
読み:ポンバル スレーヌル ドゥーレス?
| pómbar | þrén-ul | dúl-es? |
| いくつ | 段-<〜たちを> | 下る-<あなたが> |
「お前は何段下りの者だ。」
相手の身分を尋ねる、下向きの問い。身分は「頂から何段下りたか」で言うので、動詞 dúl- と道のりの対格 þrénul を使う。答えは、たとえば réum þrénul dúlim「九段下りだ」となる。目上の人にこう尋ねるのはひどく無礼で、目上の人には推量法を使って遠回しに確かめる。
pómbar báronul dulíþan kelárai du dálor?
読み:ポンバル バーロヌル ドゥリーサン ケラーライ ドゥ ダーロル?
| pómbar | báron-ul | dul-íþ-an | kel-ár-ai | du | dálor? |
| いくつ | 本-<〜たちを> | 下る-<〜させる>-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> | 下手 | 下の国<対格> |
「樵たちは下の国へ何本下ろすのか。」
降ろし場での日常の問い。数を問う pómbar は数詞と同じく名詞の前に置き、量の名詞 báron を複数にする。ここでは目的語なので複数対格 báronul(重性なので主格と同じ形)になる。降ろし場で数えるものは硬木と決まっているので、数えるものの複数属格は省いている。数を問う語句は、目的語の名詞句ごと動詞の前に出る。人を数える問いにはこの形を使わない。
pómbar fáronul dulíþes?
読み:ポンバル ファーロヌル ドゥリーセス?
| pómbar | fáron-ul | dul-íþ-es? |
| いくつ | 荷-<〜たちを> | 下る-<〜させる>-<あなたが> |
「お前は荷をいくつ下ろすのか。」
下向きの問い(2人称を使う)。pómbar は数詞と同じく名詞の前に置き、名詞は複数にする。fáron は重性なので、複数対格は -ul になる。人ではなく物を数える問いなので、無礼にはならない。
pómbar gandérul dulíþan kelárai?
読み:ポンバル ガンデールル ドゥリーサン ケラーライ?
| pómbar | gandér-ul | dul-íþ-an | kel-ár-ai? |
| いくつ | 硬木-<〜たちを> | 下る-<〜させる>-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> |
「樵たちは硬木を何本下ろすのか。」
降ろし場での問い。帳簿では量の名詞 báron「本」を入れるが、会話では省くことが多い。pómbar は名詞の前に置き、名詞は複数にする。疑問の名詞句は目的語として文頭に出るので、gandérul は複数対格。
pómbar fáronul faronéres? faronérim ombár fáronul.
読み:ポンバル ファーロヌル ファロネーレス?ファロネーリン オンバール ファーロヌル。
| pómbar | fáron-ul | faron-ér-es? | faron-ér-im | ombár | fáron-ul. |
| いくつ | 荷-<〜たちを> | 荷-<〜でする>-<あなたが> | 荷-<〜でする>-<私が> | 十 | 荷-<〜たちを> |
「「荷をいくつ担ぐんだ?」「十担ぐ。」」
二人の発話。疑問の数詞 pómbar は、名詞ごと動詞の前に出る。高原語には「はい」にあたる語がないので、答えは動詞を自分の人称に変えて繰り返し、数を添える。崖道での、くだけたやりとり。
pómbar rólanais sóndelar lísers?
読み:ポンバル ローラナイス ソンデラル リーセルス?
| pómbar | rólan-ais | sóndel-ar | lís-ers? |
| いくつ | 巻-<〜たちを> | 書物-<〜らの> | 書く-<あなたがたが> |
「お前たちは書物を何巻書くのか。」
学び舎で、書き手たちに書写の量を尋ねる下向きの問い。疑問詞 pómbar を含む名詞句全体が動詞の前に出る。目的語なので量の名詞は複数対格 rólanais になる。書物は人ではないので、数を尋ねても無礼にならない。
pómbar kloimárais rainíþes?
読み:ポンバル クロイマーライス ライニーセス?
| pómbar | kloimár-ais | rainíþ-es |
| いくつ | 弟子-<〜たちを> | 教える-<あなたが> |
「弟子を何人教えているのか。」
同じ段の師どうしの会話。目上の人は数えないが、弟子は目下なので、数を尋ねる疑問詞 pómbar で数えてよい。疑問詞は名詞句ごと文頭に出て、名詞は複数対格になる。
どれほど
量の名詞を伴って、重さや長さの量を尋ねる。
pómbar sákul méires némei?
読み:ポンバル サークル メーレス ネーメイ?
| pómbar | sák-ul | méir-es | ném-ei? |
| どれほど | 塩-<〜たちを> | 与える-<あなたが> | <私>-<与格> |
「「塩をどれほどくれるんだ?」」
取引で、対価の量を尋ねる言い方。塩のように数えない物の量を尋ねるときは、名詞を単数のまま置く。帳簿では、ここに青銅の分銅で量った重さの単位を入れる。人を数えることにはならないので、礼の上の差し支えはない。
sén kumbór só, ende. pómbar?
読み:セーン クンボール ソー、エンデ。ポンバル?
| sén | kumbór | só, | ende. | pómbar? |
| 見る<命令法><あなたが> | 青銅 | この<重性> | どうぞ | どれほど |
「この青銅を見てくれ、頼む。どれほどだ?」
縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹で使い、格語尾は落とす。最後の pómbar? は、目方や値を尋ねる決まった言い方で、これだけで使う。kumbór は金属なので重性になり、指示詞も重性の só をとる。
物の数を尋ねる疑問詞。九十九までの数詞と同じく名詞の前に置き、名詞は複数にする(pómbar báronul gandérur「硬木何本」)。人の数を尋ねるのには使えない。人は数えないので、世帯を尋ねる pómbar hóumul「炉はいくつ」で言いかえる。星にも使えず、使えば禁忌に触れる。帳簿や市の取引でよく使う。
格変化しない。後ろの名詞・量の名詞を複数にする。
pó「何」+ombár「十」。「何十」の意から一般の数の問いになった。唇音の前の n/m の規則で -mb- となる。
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