sáun

品詞
形容詞
意味
良い
発音
[ˈsaun]
読み
サウン
分野
性質・状態

意味

  1. 良い

    品質・状態・ふるまいが望ましいこと。帳簿では等級の欄にも使う。

    éso gandér só sáun.

    読み:エーソ ガンデール ソー サウン。

    és-ogandérsósáun.
    いる-<(重いものが)>硬木<主格>この<重性>良い

    「この硬木は良質だ。」

    森の司の検め役が、丸太の等級を確かめて言う言い方。形容詞が述語になるときも主語に一致する。gandér は重性なので、繋辞は és-o、重性の指示詞は só になり、sáun は重性・単数・主格の形(語尾なし)をとる。

    dúmarim tambór sáun, houmár.

    読み:ドゥーマリン タンボール サウン、ホウマール。

    dúmar-imtambórsáun,houmár.
    いただく-<私が>雑穀<対格>良い家の主

    「よい雑穀をいただきます、ご主人。」

    招かれた家で食事を受けるときの言い方。dúmar- は「食べる」の謙譲の補充形。tambór は重性なので主格と対格が同じ形になり、それに一致する sáun にも語尾がつかない。日常の呼びかけには呼格を使わず、役職や立場の名を文末に読点で区切って添える。

    trúno fáron sáunin un kéndoroi.

    読み:トルーノ ファーロン サウニン ウン ケンドロイ。

    trún-ofáronsáun-inunkéndor-oi.
    転がる-<(重いものが)>荷<主格>良い-<〜して・〜く>内に市-<与格>

    「荷が市の中でうまく回る。」

    市や取引の場で、商いが順調に進むことを「荷がうまく転がる」と言って表す。形容詞 sáun に -in をつけて「よく・うまく」の意の副詞を作る。un+与格で「〜の中で」。

    ké grúmbes kálmo sáunin

    読み:ケー グルンベス カルモ サウニン

    kégrúmb-eskálmosáun-in
    <〜か>噛む-<あなたが>粟<対格>良い-<〜して・〜く>

    「お前は粟をよく噛んでいるか。」

    日常会話の二項質問。主語の代名詞 tás は動詞語尾で足りるため省く。sáun に副詞化の -in をつけた sáunin が「よく」の意味になる。

    éso þórum sáun.

    読み:エーソ ソールン サウン。

    és-oþórumsáun.
    いる-<(重いものが)>火加減<主格>良い

    「この火加減は、ちょうどよい。」

    暖房や煮炊きの最中に、熾火と炎のあいだの加減を肯定する日常の言い方。主語 þórum が重性なので、繋辞 éso を用いる。述語形容詞 sáun は重性単数主格で語尾をもたない。

    ésa houmprósa sé sáun.

    読み:エーサ ホウンプローサ セー サウン。

    és-ahoumprósasésáun
    いる-<(軽いものが)>椀押し<主格>この<軽性>良い

    「この椀押しはよい。」

    作法書のような、一般の是非を述べる文。指示詞は名詞に応じて sé をとり、繋辞は軽性単数の形となる。

    ésa berunvríma sáun.

    読み:エーサ ベルンヴリーマ サウン。

    és-aberunvrímasáun.
    いる-<(軽いものが)>旅の伴<主格>良い

    「旅の伴は良い。」

    普通文の形容詞述語文。繋辞+主語+述語形容詞の順。

    ésa selmá sáun.

    読み:エーサ セルマー サウン。

    és-aselmásáun.
    いる-<(軽いものが)>太陽<主格>良い

    「太陽は良い。」

    天候の良さを告げる日常の文。存在・繋辞の動詞を文頭に置き、主語 selmá(軽性)に語尾 -a を合わせる。述語形容詞 sáun「良い」は、軽性単数主格では語尾を取らない。

    ké ésa snóur sé sáun?

    読み:ケー エーサ スノール セー サウン?

    kéés-asnóursésáun?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>整い<主格>この<軽性>良い

    「この整いはよいですか。」

    日常会話での確認・批評。整い(意味2)は物の輪そのものではなく、外見としてととのっている度合いを表す。主語 snóur は軽性子音語幹なので、存在・繋辞 és- は軽性単数形 ésa になる。指示詞は名詞に一致して軽性の sé を使う。

  2. 吉い

    兆し・出会い・日取りについて、縁起が良いこと。詩の挨拶で返しの句がうまく続いたときなどに言う。

    séirimor órelan sáunan ré liséndimor sáindaran.

    読み:セーリモル オーレラン サウナン レー リセンディモル サインダラン。

    séir-imorórel-ansáun-anrélis-énd-imorsáindar-an.
    待つ-<我々が>日-<対格>吉い-<軽性・対格><〜と(節)>書く-<〜しますように>-<我々が>証文-<対格>

    「証文を書くために、我々は吉い日を待つ。」

    大事な取り決めを結ぶ日取りについて言う文。この意味の sáun は、日取りや兆しの縁起が良いことを表す。「〜するように」という目的は、ré+願望法で表す。願望法の -énd- は強勢をもつ。

    lúin gléna ólmar ombríl sáun, sáilimor.

    読み:ルーイン グレーナ オルマル オンブリール サウン、サイリモル。

    lúinglén-aólmarombrílsáun,sáil-imor.
    とき答える-<(軽いものが)>年長者<主格>句<対格>吉い<重性><対格>喜ぶ-<我々が>

    「「年長の方が吉い句を返すと、我々は喜ぶ。」」

    詩の挨拶で、目下の者が先に詠み、目上の者がうまく句を返したときのことを言う文。返しの句がうまく続くと、その出会いは吉とされる。sáun は軽性・対格の ombrílan に一致して sáunan になる。

解説

もっとも一般的な「良い」。物の出来、天気、取引の条件、人のふるまいなど、広く使う。改まった場でも日常でも使える中立の語。高原では、良いものは「軽く、上に近い」と感じられているので、詩では fláin「軽い」や gléin「清い」と対にして詠まれることが多い。出会いや兆しについて言うと「吉い」の意味になる。

そのほかの用例

éso áurmo só sáun.

読み:エーソ アウルモ ソー サウン。

és-oáurmosósáun.
be-<(重いものが)>smell<主格>this<重性>good

「この匂いはいい。」

日常会話で、身近にある匂いの良否を述べる文。主語名詞句 áurmo só は重性 o 語幹で、動詞 éso はこれに一致して 3 人称単数・重性の語尾 -o をとる。述語形容詞 sáun は重性単数主格の無語尾形。

文法

形容詞。修飾する名詞の後ろに置き、性・数・格に一致する(軽性は②型、重性は③型の語尾)。述語になるときは繋辞 és- の後ろで主語に一致する。

語源

古高原語 *sáun から

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