ánor

品詞
名詞
意味
上手
発音
[ˈanor]
読み
アーノル
分野
時間・空間・方向

意味

  1. 上手・北

    高いほうの土地。とくに北の高みの方角。

    drénimor an ánoran ré embeléndimor aursárais.

    読み:ドレーニモル アン アーノラン レー エンベレンディモル アウルサーライス。

    drén-imoranánor-anréembel-énd-imoraursár-ais.
    参る-<我々が>上手上手・北-<対格><〜と(節)>祀る-<〜しますように>-<我々が>祖先-<〜たちを>

    「我々は、祖先を祀るために北の高みへ参る。」

    北の高みの納骨所へ向かうときの言い方。drén- は「行く」の謙譲の補充形で、聖地に向かう行いを低めて言う。ré+願望法で目的を表す。an ánoran は「上手の北の地へ」で、前置詞と名詞が同じ方向を重ねて表している。

    na tóro nébro es ánores.

    読み:ナ トーロ ネーブロ エス アーノレス。

    natór-onébroesánor-es.
    <〜ない>来る-<(重いものが)>霧<主格>から上手・北-<属格>

    「霧は北から来ることはない。」

    ánor は軽性の子音語幹として変化する(属格 ánores)。霧は下の国の息で、崖の下(南)から這い上がってくるものとされるので、北(上手)から来ることはない。主語の nébro は重性なので、動詞は -o をとる。

    klámbau ánor si dúror lisáran.

    読み:クランバウ アーノル シ ドゥーロル リサーラン。

    klámb-auánorsidúrorlisár-an
    板挟みにする-<双数>上手と下手書記-<対格>

    「上手と下手が書記を板挟みにする。」

    比喩的な用い方。単数名詞 ánor と dúror を si で主語にすると、動詞は双数 -au。人を指す lisár は軽性なので、対格は -an。

  2. 上座

    家や宮廷で、北側の高い座。目上の人の座る場所。

    mé hél ánorei!

    読み:メー ヘール アーノレイ!

    méhélánor-ei!
    <禁止・願いの打ち消し>座る<命令法><あなたが>上座-<与格>

    「上座に座ってはいけない。」

    家の中で年長者が子どもをたしなめる禁止。「mé+命令法」の形。炉の北側の一段高い座は、家の主と年長者の場所とされる。

    aldanénde autorár ánorei.

    読み:アルダネンデ アウトラール アーノレイ。

    aldan-énd-eau-toráránor-ei.
    おわす-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-客<主格>上座-<与格>

    「お客様には、どうぞ上座においでいただきたく存じます。」

    客を迎えるときの改まった勧め。目の前の相手を3人称の主語として扱い、願望法で言う。aldán- は「いる」の尊敬の補充形。強勢は願望法の -énd- に移る。場所は前置詞なしの与格で表す。

解説

上手(かみて)、北の方、高いほうを指す名詞。高原では北へ行くほど土地が高いので、「上」と「北」は同じ語で言い表す。土地の帯の言い方でも、家の中の座の位置でも使う。炉の北側の一段高い座は ánor と呼ばれ、家の主と年長者が座る。dúror「下手」と対になる語で、ánor が軽性、dúror が重性であることも、高原の世界観をよく表している。暦の「上の十日」は ombrén ánores と言う。

文法

軽性・子音語幹(②型)。属格 ánores、与格 ánorei。

語源

前置詞 an に、古い方向名詞の語尾 *-or がついたもの。

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