小説
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昨日
今日の一日前の日。
anórel, léisa lisár plánan.
読み:アノーレル、レーサ リサール プラーナン。
| anórel, | léis-a | lis-ár | plán-an. |
| 昨日 | 書く<〜し終えた>-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 帳簿-<対格> |
「昨日、書記は帳簿を書き終えた。」
時も場面の枠に置ける。文の後ろに置く言い方(léisa lisár plánan anórel)も使う。
anórel, an kórvoi, léisin sáindaran, méira lisár élan senárei.
読み:アノーレル、アン コルヴォイ、レーシン サインダラン、メーラ リサール エーラン セナーレイ。
| anórel, | an | kórv-oi, | léis-in | sáindar-an, | méir-a | lis-ár | él-an | sen-ár-ei. |
| 昨日 | 上手 | 倉-<与格> | 書く<〜し終えた>-<〜して・〜く> | 証文-<対格> | 与える-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | <3人称単数・軽性>-<対格> | 見る-<〜する人>-<与格> |
「昨日、倉の北側で、証文を書き終えて、書記はそれを目付に渡した。」
場面の枠は「時 → 場所 → -in の句」の順。それぞれ読点で区切る。「それを」は軽性の証文を受けるので élan。
anórel, sénim plánan te léisa lisár.
読み:アノーレル、セーニン プラーナン テ レーサ リサール。
| anórel, | sén-im | plán-an | te | léis-a | lis-ár. |
| 昨日 | 見る-<私が> | 帳簿-<対格> | <関係節> | 書く<〜し終えた>-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人・主格> |
「昨日、私は書記が書き終えた帳簿を見た。」
関係節のある文で、時の語を主節にかけたいときは場面の枠に置く。
tóra orenvandár él te sénim anórel.
読み:トーラ オレンヴァンダール エール テ セーニン アノーレル。
| tór-a | orenvandár | él | te | sén-im | anórel. |
| 来る-<(軽いものが)> | 縁商人<主格> | あの | <関係節> | 見る-<私が> | 昨日 |
「昨日見かけた、あの縁商人が来る。」
縁の市での会話。主語の orenvandár が主格なので、él も主格の形(語尾なし)。anórel は関係節の中に入っている(関係節は文の終わりまで続く)。目的語が抜けた穴は空けたままにする。
na mánim póin anórel.
読み:ナ マーニン ポイン アノーレル。
| na | mán-im | póin | anórel. |
| <〜ない> | 食べる-<私が> | 何も<対格> | 昨日 |
「昨日は何も食べていない。」
日常会話の文。mán-「食べる」を na で否定し、póin と組み合わせて「何も〜ない」と言う。時制がないので、anórel「昨日」で過去のことだとわかる。
tórim es orénos anórelei.
読み:トーリン エス オレーノス アノーレレイ。
| tór-im | es | orén-os | anórel-ei. |
| 来る-<私が> | から | 縁-<属格> | 昨日-<与格> |
「昨日、縁から来た。」
自分のことを言う日常の文。anórel は an「上手」と órel「日」からできた語で、時の流れの上手にある日、つまり「前の日」を表す。時を表す与格 anórelei で「昨日に」となり、文の後ろのほうに置かれる。
ké vóiles sáindaran anóreles?
読み:ケー ヴォイレス サインダラン アノーレレス?
| ké | vóil-es | sáindar-an | anórel-es? |
| <〜か> | 読む-<あなたが> | 証文-<対格> | 昨日-<属格> |
「昨日の証文は読んだか。」
同じ段か目下の相手への、くだけた問い。属格の anóreles を名詞の後ろに置いて、「昨日の〜」を表す。目上の人には ké を使わず、推量法で尋ねる。
anórel, níla faronár té muró bróus, esós ésa él murár sórel.
読み:アノーレル、ニーラ ファロナール テー ムロー ブロース、エソース エーサ エール ムラール ソーレル。
| anórel, | níl-a | faron-ár | té | muró | bróus, | esós | és-a | él | mur-ár | sórel. |
| 昨日 | 飲む-<(軽いものが)> | 荷-<〜する人> | あの<軽性> | 濁り酒<対格> | 多い | だから | いる-<(軽いものが)> | <3人称単数・軽性> | 濁った-<〜する人> | 今日 |
「昨日、あの運び人は濁り酒をしこたま飲んだ。だから今日のあいつは、まるで酔いどれだ。」
崖道の宿などで交わす、くだけた噂話。muró「濁り酒」と murár の音が近いことを使った当てこすりで、ここでは「酔ってぼんやりしている者」の意味になる。時の語 anórel は場面の枠に置いて読点で区切る。esós「だから」は二つめの文の頭に置く。主語の代名詞 él をわざわざ言っているので、「あいつときたら」という強調の響きがある。
anórel duloréno ílmo es orénos kórvos
読み:アノーレル ドゥロレーノ イルモ エス オレーノス コルヴォス
| anórel | dulorén-o | ílmo | es | orén-os | kórv-os |
| 昨日 | こぼれる-<(重いものが)> | 水<主格> | から | 縁-<属格> | 倉-<属格> |
「「昨日、倉の縁から水がこぼれた。」」
書物・帳簿的な記述。文法上の時制がないため、時を表す語 anórel を伴い、現在形で過去の出来事を記す。es の後に「縁」の属格があり、その後に置かれた「倉」の属格が縁の所属を示す。
anórel, sensála ólmar endríñais
読み:アノーレル、センサーラ オルマル エンドリーニャイス
| anórel, | sensál-a | ólmar | endríñ-ais |
| 昨日 | 見回す-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 子-<〜たちを> |
「昨日、年長者が子どもたちを順に見回した。」
書物・記録風。時表現 anórel を動詞の前に置いている。主語 ólmar は人を指す軽性なので、動詞は軽性3人称単数の -a。高原語に時制標識はないが、anórel が過去を指定する。
anórel, senosálau társ dáun.
読み:アノーレル、セノサーラウ タルス ダウン。
| anórel, | senosál-au | társ | dáun. |
| 昨日 | 目合わせ-<双数> | <あなたがた> | <双数> |
「昨日、あなたたち二人は目を合わせた。」
意味1。双数の主語は dáun を省略できない。人称は dáun の前に társ を添えて示す。時制はないが、anórel により過去として読む。
anórel, plóursa funelár tráumo.
読み:アノーレル、プロールサ フネラール トラウモ。
| anórel, | plóurs-a | funel-ár | tráumo |
| 昨日 | 見下ろす<〜し終えた>-<(軽いものが)> | 綱-<〜する人・主格> | 渡り氷<対格> |
「昨日、綱番は渡り氷を見下ろして確かめた。」
書物・年代的記述向きの文。anórel を場面の枠として動詞の前に置いている。plóur- は二重母音を含む語根なので、完了相では語根に -s- を添えた plóurs- になる。意味2として、渡り氷の安全確認が済んだ事実を記録する文である。
anórel, na snáulan lénþai.
読み:アノーレル、ナ スナウラン レンサイ。
| anórel, | na | snául-an | lénþ-ai. |
| 昨日 | <〜ない> | 生える-<彼らが> | 若菜-<〜たちが> |
「昨日、若菜は伸びなかった。」
書物・記録。場面枠の anórel の後に否定 na を動詞の直前に置く。
anórel, lenþéra endríña.
読み:アノーレル、レンセーラ エンドリーニャ。
| anórel, | lenþér-a | endríña. |
| 昨日, | 草摘みをする-<(軽いものが)> | 子ども<主格> |
「昨日、子どもは草摘みをした。」
用法2では摘み取る若菜を明示せず、草摘みという作業一般を表す。 anórel は場面の枠として文頭に来る。
anórel, bláimo gandér.
読み:アノーレル、ブライモ ガンデール。
| anórel, | bláim-o | gandér. |
| 昨日 | 曲がる<〜し終えた>-<(重いものが)> | 硬木<主格> |
「昨日、硬木が曲がった。」
年代記風の書物の文。時制を表す語形はない。完了語根 bláim- と時の語 anórel が過去の読みを取り出す。主語 gandér は重性子音語幹名詞の単数主格なので、動詞は 3 単・重の -o をとる。
anórel, snánda faronár.
読み:アノーレル、スナンダ ファロナール。
| anórel, | snánd-a | faronár. |
| 昨日 | 負ける-<(軽いものが)> | 運び人<主格> |
「昨日、運び人は後れを取った。」
帳簿や報告のような平文。時制語形はないが、anórelで過去として読む。人語 faronár は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a を受ける。
anórel, ruunléima séulin tálmo tásei.
読み:アノーレル、ルーンレーマ セウリン タルモ ターセイ。
| anórel, | ruunléim-a | séulin | tálmo | tás-ei. |
| 昨日 | 返す-<(軽いものが)> | 友<主格> | 斧<対格> | <あなた>-<与格> |
「昨日、友はあなたに斧を返した。」
借り物・預かり物を元の相手に返す日常の用法。時制の語形はないので、anórel「昨日」で過去を示す。受取人は与格で表す。
anórel, bróna faronár.
読み:アノーレル、ブローナ ファロナール。
| anórel, | brón-a | faronár. |
| 昨日 | 起きる-<(軽いものが)> | 運び人<主格> |
「昨日、運び人は起きた。」
記録のような文。anórel を場面の枠に置き、主語 faronár は軽性子音語幹の単数。動詞は主語に合わせて 3 人称単数・軽性の bróna をとる。
anórel, salglǘno prúumo.
読み:アノーレル、サルグリューノ プルーモ。
| anórel, | salglǘn-o | prúumo. |
| 昨日 | 溶ける-<(重いものが)> | 解け残った水たまり<主格> |
「昨日、解け残った水たまりが溶けた。」
記録文。anórel が時を示し、動詞自体に時制語尾はない。salglǘn- は薄氷や解けかけの溶けることを指し、prúumo と組むと解け残りの水たまりの文脈になる。
anórel, kráiso dóulin tórvo mór.
読み:アノーレル、クライソ ドーリン トルヴォ モール。
| anórel, | kráis-o | dóulin | tórvo | mór |
| 昨日 | 割れる<〜し終えた>-<(重いものが)> | もう | 梁<主格> | 大きい<主格> |
「昨日、大きな梁がもう割れた。」
肯定の「もう」dóulin は完了相の動詞と組むため、割れる krás- の完了語根 kráis- を用いて kráiso とする。場面の枠 anórel を文頭に置き、相の副詞 dóulin は動詞の直後、主語の前に置く。
anórel, tóro fáron du meulvéinor.
読み:アノーレル、トーロ ファーロン ドゥ メウルヴェーノル。
| anórel, | tór-o | fáron | du | meulvéinor. |
| 昨日 | 来る-<(重いものが)> | 荷<主格> | 下手 | メウルヴェイノル<対格> |
「昨日、荷がメウルヴェイノルへ来た。」
年代記や帳簿のような記録文。時節語 anórel を場面の枠に置いている。主語 fáron が重性なので、動詞は3人称単数・重性の語尾 -o を取る。
anórel, ráumim dáu fúneloun.
読み:アノーレル、ラウミン ダウ フーネロウン。
| anórel, | ráum-im | dáu | fúnel-oun. |
| 昨日 | 歩く-<私が> | 二 | 綱-<双数・与格> |
「昨日、二綱歩いた。」
旅の記録のような淡々とした一叙述。場面としての時間語 anórel を文頭に置く。主語の人称は動詞語尾のみで示す。歩く経路・距離を示す単位名詞は自動詞 ráum- に対して双数与格 fúnel-oun をとる。dáu に対応して単位名詞は双数。
krúelan ráuvul anórel.
読み:クルーエラン ラウヴル アノーレル。
| krúel-an | ráuv-ul | anórel. |
| 動く-<彼らが> | 森の氏族-<〜たちが> | 昨日 |
「森の氏族たちが昨日動いた。」
年代記・公式記録の場面。krúel- を換喩的に用い、森の氏族が動きを見せたことを示す。主語は複数 ráuvul。
anórel, fíndim gláuran þrúlan.
読み:アノーレル、フィンディン グラウラン スルーラン。
| anórel, | fínd-im | gláur-an | þrúl-an. |
| 昨日 | 聞く-<私が> | 笑い声-<対格> | 騒がしい-<対格> |
「昨日、騒がしい笑い声を聞いた。」
家庭内で耳に入った笑い声について述べる文。目的語 gláuran に修飾形容詞 þrúlan が軽性単数対格で一致する。þrúl- は、笑い声を不快に受け取ったことを含み、改まった場では使わない。無時制のため、昨日という時間は場面の枠に置かれた anórel が示す。
昨日。高原語では時間を川の流れとみるので、早い日は上手(an)、遅い日は下手(du)になる。そのため、昨日は「上手の日」と言う。前置詞をつけない主格の形のまま、副詞として文の後ろに置くことが多い(léisa lisár plánan anórel「書記は昨日帳簿を書き終えた」)。文の頭に置いて、後ろに切れ目を入れると、文全体の場面を示す場面の枠になる(anórel, léisa lisár plánan「昨日、書記は帳簿を書き終えた」)。
軽性・子音語幹(②型)。多くは無変化の副詞として使う。
an「上手」と órel「日」の複合語。
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