小説
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二十
数の20。
duþélim sélvanan, an fóndaros ráimaros dúlenan dáumbar téir lóurul, dúlenan fáir þrénul.
読み:ドゥセーリン セルヴァナン、アン フォンダロス ライマロス ドゥーレナン ダウンバル テール ロールル、ドゥーレナン ファイル スレーヌル。
| du-þél-im | sélvan-an, | an | fóndar-os | ráimar-os | dúl-en-an | dáumbar | téir | lóur-ul, | dúl-en-an | fáir | þrén-ul |
| <〜させていただく>-名乗る-<私が> | セルヴァン-<対格> | 上手 | 源-<属格> | ライマル-<属格> | 下る-<〜した・〜された>-<軽性・対格> | 二十 | 三 | 瀬-<〜たちを> | 下る-<〜した・〜された>-<軽性・対格> | 四 | 段-<〜たちを> |
「ライマルの源から二十三瀬下りた、四段下りの者、セルヴァンと名乗らせていただきます。」
改まった場での名乗り。固有名も小文字で書く。分詞 dúlenan は二度とも、名前の sélvanan(軽性・単数・対格)に一致している。lóurul と þrénul は道のりの対格。瀬と段は語が違うので、どちらが世代でどちらが身分かがすぐにわかる。
ésa sélvan dúlen dáumbar lóurul an fóndaros ráimaros.
読み:エーサ セルヴァン ドゥーレン ダウンバル ロールル アン フォンダロス ライマロス。
| és-a | sélvan | dúl-en | dáumbar | lóur-ul | an | fóndar-os | ráimar-os. |
| いる-<(軽いものが)> | セルヴァン<主格> | 下る-<〜した・〜された> | 二十 | 瀬-<〜たちを> | 上手 | 源-<属格> | ライマル-<属格> |
「セルヴァンは、ライマルの源から二十瀬下った者である。」
ある人の世代を、第三者として述べる改まった文。序数を使わず、「分詞 dúlen+数詞+瀬の複数対格(道のりの対格)」で言う。分詞は主語 sélvan(軽性・単数・主格)に一致するので、語尾がつかない。瀬の数が多いのは誉れとされる。
dúlan dáumbar fáronul du orén.
読み:ドゥーラン ダウンバル ファーロヌル ドゥ オレーン。
| dúl-an | dáumbar | fáron-ul | du | orén. |
| 下る-<彼らが> | 二十 | 荷-<〜たちが> | 下手 | 縁<対格> |
「二十の荷が縁へ下りていく。」
崖道で荷が下ろされていくようすを言う文。dáumbar は dáu(二)と ombár(十)が縮まった不規則な形。三以上の数詞と同じく、後ろの名詞を複数にする。重性名詞の複数は -ul になる。動詞は3人称複数の -an で、複数では性を区別しない。
dúlim dáumbar téir lóurul an fóndaros ráimaros.
読み:ドゥーリン ダウンバル テール ロールル アン フォンダロス ライマロス。
| dúl-im | dáumbar | téir | lóur-ul | an | fóndar-os | ráimar-os. |
| 下る-<私が> | 二十 | 三 | 世代-<〜たちを> | 上手 | 源-<属格> | ライマル-<属格> |
「私はライマルの源から二十三瀬下った者だ。」
自分の世代を言う、ふつうの話し方の文。改まった名乗りでは謙譲の動詞と分詞 dúlenan を使うが、ここでは直説法の動詞 dúlim を使う。lóurul は道のりの対格で、「何世代下ったか」を表す。身分の段 þrén と語が違うので、世代の話だとすぐにわかる。
ké víres dáumbar? vírim, ombár dáu fréimau.
読み:ケー ヴィーレス ダウンバル?ヴィーリン、オンバール ダウ フレーマウ。
| ké | vír-es | dáumbar? | vír-im, | ombár | dáu | fréim-au. |
| <〜か> | 言う-<あなたが> | 二十 | 言う-<私が> | 十 | 二 | 倍-<双数> |
「「二十と言ったか?」「言った。十の二倍だ。」」
二人の発話。市で数を確かめ合うやりとり。はい・いいえにあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える(vírim)。そのあとに念押しの言い換えを添える。掛ける数が dáu なので、fréim は双数の fréimau になる。
rímba lisár dáumbar téir hóumul.
読み:リンバ リサール ダウンバル テール ホームル。
| rímb-a | lis-ár | dáumbar | téir | hóum-ul. |
| 数える-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 二十 | 三 | 世帯-<〜たちを> |
「書記は二十三の世帯(炉)を数えた。」
倉の司の書記が、税のために村を調べたことを述べる文。人を数えることは相手を下げることになるので、人数ではなく「炉」を数える。数詞 dáumbar téir の後ろなので複数。重性の複数対格は -ul。
dulíþan kelárai dáumbar gandérul tráimelei sé.
読み:ドゥリーサン ケラーライ ダウンバル ガンデールル トライメレイ セー。
| dul-íþ-an | kel-ár-ai | dáumbar | gandér-ul | tráimel-ei | sé. |
| 下る-<〜させる>-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> | 二十 | 硬木-<〜たちを> | 年-<与格> | この<軽性> |
「この年、樵たちは硬木を二十本下ろした。」
年代記や森の司の記録に見られる書き方。「この年に」は、与格 tráimelei に指示詞 sé を添えて言う。九十九までの数詞は名詞の前に置き、三以上なら名詞を複数にする。重性の複数対格は -ul になる。
dúla lourlisá an fóndaros ráimaros dáumbar téir lóurul.
読み:ドゥーラ ロウルリサー アン フォンダロス ライマロス ダウンバル テール ロールル。
| dúl-a | lourlisá | an | fóndar-os | ráimar-os | dáumbar | téir | lóur-ul. |
| 下る-<(軽いものが)> | 系譜の巻<主格> | 上手 | 源-<属格> | ライマル-<属格> | 二十 | 三 | 瀬-<〜たちを> |
「系譜の巻は、ライマルの源から二十三瀬を下っていく。」
系譜の巻に書かれた流れが、源から一瀬ずつ下っていくことを言う文。系譜読みが唱えはじめるときの言い方でもある。an+属格で「上手から」。lóurul は道のりの対格で、自動詞 dul- もこの格をとれる。巻は紙なので軽性で、動詞は -a をとる。
lísa lisár dáumbar ombrílul.
読み:リーサ リサール ダウンバル オンブリールル。
| lís-a | lis-ár | dáumbar | ombríl-ul. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 二十 | 十拍の句-<〜たちを> |
「書記は十拍の句を二十書く。」
雨期に家にこもって詩を作る習わしを述べた文。時制がないので、「書く」とも「書いた」とも訳せる。三以上の数詞の後ろの名詞は複数になる。重性名詞の複数対格は -ul。
sán dáumbar báronul tanfílar un plánei.
読み:サーン ダウンバル バーロヌル タンフィーラル ウン プラーネイ。
| sán | dáumbar | báron-ul | tanfíl-ar | un | plán-ei |
| いる<彼らが> | 二十 | 本-<〜たちが> | 経糸-<〜らの> | 内に | 帳簿-<単数・与格> |
「帳簿には経糸が二十本ある。」
帳簿の記述。数を単位 báron と併記する形で、数詞 dáumbar が量の名詞 báron を複数主格で受け、数える tanfíl は軽性子音語幹なので複数属格は -ar を取る。un は与格を要求するため、帳簿は複数主格ではなく単数与格 plánei を用いる。帳簿語としては数え単位との併記が定型。
数の二十。十を二つ合わせた数。九十九までの数詞と同じく名詞の前に置き、後ろの名詞は複数にする。dáumbar téir「二十三」のように、一の位をその後ろに続ける。
数詞。格変化しない。後ろの名詞は複数。
dáu「二」+ ombár「十」の縮約 *dáu-ombár。母音が続くところで o が落ち、不規則な形で固まった。三十 téirombar とは作り方が違う。綴りは〈daumbar〉。
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